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塗り薬はジェネリックに変えない方が良い?
公開. 更新. 投稿者:製剤/ジェネリック.この記事は約4分40秒で読めます.
4,814 ビュー. カテゴリ:外用薬はジェネリックに変えない方が良い?
ジェネリックは主成分は同じですが、添加物などその他の成分に違いがあります。
内服薬であれば、その主成分に主だった効果を期待しますが、外用薬、とくに塗り薬の場合は、基剤など、主成分以外の影響が大きい。
そのため、ジェネリックには変更しない方が良いという考えの人が多い。
皮膚科医はとくにジェネリックへの変更調剤を不可としている医師が多い。
外用薬のジェネリックはどのように同等性を確認しているのか?
飲み薬であれば、血中濃度で同等性の確認はできる。
塗り薬はどのようにして同等性を確認しているのだろうか。
外用剤の同等性確認についても、薬物が血中に移行し、血中または尿中の未変化体または活性代謝物の定量的測定が実施できる場合には、経口製剤と同様に生物学的同等性を確認します。
ジェネリック外用薬の混合
ジェネリックの外用薬を混合した場合、先発品とは異なる変化を起こす場合がある。
有名なのが、マイアロン軟膏とオキサロール軟膏の混合である。
オキサロール軟膏の含量が低下していきます。
デルモベート軟膏とオキサロール軟膏の混合は問題ありません。
成分が同じであっても、デルモベート軟膏の添加物には、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、プロピレングリコール、白色ワセリンが含まれており、マイアロン軟膏の添加物には、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、クエン酸水和物、白色ワセリンが含まれています。
この添加物の違いによって、配合変化が生じるわけです。
その他、「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」により、ジェネリックと先発で混合の可否に違いのあるものをみると、
×レスタミンコーワクリーム+ケルガークリーム
○レスタミンコーワクリーム+ラミシールクリーム
×ロコイド軟膏+ラミシールクリーム
○ロコイド軟膏+ケルガークリーム
×ヒルドイドソフト軟膏+ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏
○ヒルドイドソフト軟膏+アンテベート軟膏
×ヒルドイドソフト軟膏+スチブロンクリーム
○ヒルドイドソフト軟膏+マイザークリーム
×デルモベートクリーム+ラミシールクリーム
○デルモベートクリーム+ラミテクトクリーム
×白色ワセリン+ビーソフテンクリーム
○白色ワセリン+ヒルドイドソフトクリーム
×プロペト+ビーソフテンクリーム
○プロペト+ヒルドイドソフトクリーム
×白色ワセリン+ラミシールクリーム
○白色ワセリン+テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「F」
×パスタロンソフト軟膏+ラミテクトクリーム
○パスタロンソフト軟膏+ラミシールクリーム
×パスタロンソフト軟膏+デルモベートクリーム
○パスタロンソフト軟膏+マイアロンクリーム
ジェネリックだからダメとは限らない。
先発品で配合不可のものが、ジェネリックでは混合可能というケースも存在する。
そういった商品を疑義照会で紹介することによって皮膚科医のジェネリックアレルギーも少しは緩和されるのではないかと期待する。
また、目にウロコなケースとして、
×トプシム軟膏+パスタロンソフト軟膏10%
○トプシム軟膏+パスタロンソフト軟膏20%
濃度や混合比率によっても混合の可否が分かれてくる。
これらの情報を医師に提供することは薬剤師の信頼にもつながる。かもしれないし、鼻につくかも知れないので、伝え方は慎重に。
その他、関係ないけど、レセプト対策で混合不可のものをメモ
×ヒルドイドソフト軟膏+デルモベート軟膏
×ヒルドイドソフト軟膏+メサデルム軟膏、クリーム
×ヒルドイドソフト軟膏+ザーネ軟膏
×ヒルドイドソフト軟膏+トプシム軟膏
×ヒルドイドソフト軟膏+白色ワセリン
×ヒルドイドソフト軟膏+フルコート軟膏、フルコートクリーム
×ヒルドイドソフト軟膏+プロペト
×ヒルドイドソフト軟膏+フルメタ軟膏
×ヒルドイドソフト軟膏+リンデロンDP軟膏
×パスタロンソフト軟膏+デルモベート軟膏
×白色ワセリン+アンテベート軟膏
×アンテベート軟膏+ドボネックス軟膏
×マイザー軟膏+エキザルベ
×亜鉛華単軟膏+ロコイド軟膏
×亜鉛華単軟膏+ゲンタシン軟膏
×亜鉛華単軟膏+ジフラール軟膏
×亜鉛華単軟膏+マイザー軟膏
これらの混合で計量混合加算を算定すると査定される可能性がある。
TDM対象薬はジェネリックに変えないほうがいい
ジェネリックの普及とともに、ジェネリックに対する信頼も増してきたように思える。
しかし、抗がん剤や免疫抑制剤などは、ジェネリックへの変更に慎重になる。
TDM対象の薬はジェネリックに患者さんがどうしても変更したいとあっても変更しない方がよいのでしょうか?
TDM対象の薬剤を変更しない方がよいとお話ししている理由は、疾患自体が薬剤の影響を受けやすいということ、後発品で効果がなかったり、副作用が出た場合など今症状が安定している患者さんにとって不利益になる確率が高いということです。
患者さんがどうしても変更したいという希望があれば、後発品の効果を添付文書やメーカーに問い合わせるなどして調べ、薬剤師として確信の持てるデータを揃えることが必要です。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。