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ビスホスホネート製剤は5年以上飲まない方が良いのか?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約2分16秒で読めます.
9,287 ビュー. カテゴリ:ビスホスホネート製剤の長期服用による弊害
リカルボン(ミノドロン酸)などの骨粗鬆症治療薬、ビスホスホネート製剤の添付文書の使用上の注意には以下のように書かれている。
「ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。」
ビスホスホネートで逆に骨折しやすくなる、とはどういうことか?
長期間にわたるビスホスホネートの使用が特に大腿骨の転子下で骨代謝回転の過剰な抑制を引き起こすことが懸念されている。これにより骨の小さなひびが治らず、最終的にはそのひびがつながり、非定型の骨折をすると考えられている。この種の骨折の治療は極めて困難で、自家骨移植などの治療は全身骨が既にビスホスホネートに侵されているため適応がない。現在なお、この合併症は一般的でなく、骨折の減少の利益の方が大きいと信じられている。
ビスホスホネート – Wikipedia
骨代謝回転の過剰な抑制、つまり、骨の新陳代謝を抑えることで、古い骨が残り続け、それが小さなヒビをもたらし、脆くなり、非定型の骨折を引き起こすということのようだ。
非定型の骨折とは、通常の骨粗鬆症による大腿骨近位部の骨折部位が、大腿骨転子部骨折と大腿骨頸部骨折の頻度が高いのに対し、ビスホスホネート製剤を服用中の骨折部位が、大腿骨転子下(股の付け根部分下側)骨折と大腿骨幹部(大腿骨の真ん中)骨折が多いため非定型骨折といわれている。
骨粗鬆症による骨の脆弱性とは異質な病態である。
ビスホスホネートは破骨細胞の働きを阻害して、骨吸収抑制作用を示し、継続的な服用により骨量は増加するが、骨形成促進作用は持たないため、骨の正常な新陳代謝は阻害される。
骨密度と強度が相関しない状態に陥っている可能性もあるというわけだ。
骨粗鬆症治療薬は、基本的に漫然と長期に渡って処方され続けることが多い薬ですが、5年をめどに服用中止を考えることも重要。アメリカの添付文書では「服用3~5年後で休薬を考慮すること」と記載されている。
骨は常に破壊されている?
骨折は、転倒や落下などの強い衝撃で生じる定型(外傷性)骨折と、こうした外部からの衝撃がないのに生じる非定型(非外傷性)骨折の2つに分けられる。
ビスホスホネート製剤の長期服用で増加するのは非定型骨折である。
ビスホスホネート製剤の服用によって骨折が発生する機序は明らかになっていないが、次の説が有力である。
同製剤は、骨吸収抑制作用により骨がもろくなるのを防ぐ一方で、骨形成も含めた骨代謝回転も抑制している。
大腿骨は、通常の生活でも微小損傷(マイクロダメージ)は起こり、通常は骨のリモデリング機構により修復されるが、ビスホスホネート製剤服用者は骨代謝が抑制されているので、損傷骨と形成骨の入れ替えが行われにくく、マイクロダメージが蓄積して骨折を引き起こすと考えられている。
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