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メトホルミンMTとGLの違いは?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分34秒で読めます.
7,257 ビュー. カテゴリ:メトグルコのジェネリック
メトグルコとグリコランの違いは?
メトグルコのジェネリックについて。
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「○○」
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「○○」
と、その名称にMTと付いています。
これらはメトグルコのMTなんだろうな、と予測できます。
メトホルミンのジェネリックには、MTの付いていないものも存在します。
メトホルミン塩酸塩錠250mg「JG」
メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」
メトホルミン塩酸塩錠250mg「SN」
など。
何が違うのかというと、これらMTの付いていないメトホルミンはメルビンのジェネリック。
メルビンとメトグルコの違いについては、各々調べて頂くとして、高齢者への禁忌や1日最高用量などの違いがあります。
例えば、メトホルミンの一般名処方として、
【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg
と書かれてきても、メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」でいいのか、メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」MTじゃなきゃダメなのかわかりません。
そのため、メトグルコの一般名は、【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:MT
メルビンの一般名は、【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:GL、となっています。
GLって何だ?と思いましたが、今は亡きメルビンに代わりグリコランという薬が残っているので、GL=グリコランとう意味です。
てゆーか、旧バージョンの薬をいつまでも残さないでほしいんですが。
処方箋に、メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」が処方されてきても、恐らく気づかない。
薬局に在庫してあるメトホルミンMTで調剤してしまいそう。
恐らく、医師もどっちでもいいと思っている。違いがわかっていない医師も多い。
メルビンとメトグルコ
メルビンは1日750mgまでしか投与できませんでしたが、メトグルコでは、1日2250mgまでの投与が可能になりました。
国内臨床試験に基づき、メルビンでは「禁忌」に設定されていた「軽度の腎機能障害」「軽度~中等度の肝機能障害」「高齢者」がメトグルコでは「慎重投与」になります。
メルビンの新薬
なんとも不思議なことですが、販売されている糖尿病の治療薬「メルビン」と同じ成分で「メトグルコ」という薬が新薬として発売されます。
同じ成分の薬なのに、なぜ新薬なのか?
ちなみにメルビンはジェネリックも販売されています。
メルビンとメトグルコの違いは、1日最高用量です。
どちらも規格は250mgですが、メルビンは1日最高750mgまでとなっていましたが、メトグルコは1日最高2250mgまで使える、となっています。
メルビンは海外では糖尿病の第一選択薬になっていますが、日本では乳酸アシドーシスの副作用のイメージと、この添付文書上の用量のしばりがネックになっていて、使いにくいという状況です。
じゃあ、今までのメルビンの添付文書を変えて、1日最高用量を引き上げればいいじゃないか、と思うのが普通ですが、なぜだか「メトグルコ」という新薬を発売してしまうのです。
適応を拡大するためには、臨床試験のデータなどが必要で、メーカーにとってはそれだけ費用のかかる作業です。
お金をかけるためには、それだけのメリットが無ければしません。
しかし、メルビンは安い薬ですし、ジェネリックもあります。
新薬として発売すれば、高い薬価を付けられます。
高用量ではメトグルコを使う、というしばりが付けられるので、市場を独占できます。
でも、そこを無視してメルビンのジェネリックを高用量で処方したら査定されるのでしょうかね。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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