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術後の桂枝茯苓丸?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分56秒で読めます.
2,720 ビュー. カテゴリ:術後のお血
「お血」と言うと、血の道症のような婦人科疾患を連想しますが、「鬱血や血行障害など、血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状や疾病を指す言葉」です。
駆お血薬と呼ばれる薬は、婦人科系疾患に使われることが多いですが、他の病気にも使われる。
術後に桂枝茯苓丸が数日処方されることがあります。
伝統的な漢方方剤には、こういった新規の打撲や、なかなか治らない古傷、現代では手術痕などを癒すものがいくつかあります。こういった漢方方剤は古来より、戦争に行って落馬したり、剣で切られたり、女性であれば難産だったりの後の癒しに使われてきました。こういう状態が、いわゆる瘀血(おけつ)ができているという事になります。傷を加速的に癒す。 手術痕、打撲、古傷 通導散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯 – けい先生のつぼにくる話
手術後は血の流れが滞っている「お血」の状態なので、駆お血剤が効果的ということになる。
西洋薬の血流改善薬、血液サラサラ系の薬だと出血リスクのほうが高いかな。
駆お血剤というと、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、通導散など。
それぞれ適応症は、
桂枝茯苓丸:子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎
桃核承気湯:月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)
通導散:月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打ち身(打撲)、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)
婦人科系の疾患名が多いですが、桂枝茯苓丸や通導散には「打撲」という適応症もあり、ケガにも使えそう。
桂枝茯苓丸には「腹膜炎」という適応症もあり、やっぱり術後には桂枝茯苓丸かな、と思った。
アトピー性皮膚炎に桂枝茯苓丸?
皮膚科から桂枝茯苓丸が処方されることがある。
桂枝茯苓丸よりも桂枝茯苓丸加よく苡仁のほうが、適してそうな気もするが。
桂枝茯苓丸の適応症は、「子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎」
桂枝茯苓丸加よく苡仁の適応症は、「月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ」
桂枝茯苓丸は、桂皮、芍薬、桃仁、茯苓、牡丹皮の5種類の生薬から構成される漢方薬で、漢方的には駆瘀血と清熱効果を有する代表的な方剤です。
西洋医学的には、末梢血管拡張作用により血流障害を改善し、抗炎症・抗アレルギー作用により皮膚の炎症をしずめ、のぼせや冷えを改善し、肌の状態を改善する効果が期待できます。
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