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バクシダールの副作用でギラン・バレー症候群?
公開. 更新. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約4分6秒で読めます.
3,108 ビュー. カテゴリ:抗菌薬とギラン・バレー
副作用に「ギラン・バレー症候群」の記載のある薬がいくつかある。
ヒュミラ(アダリムマブ)、レミケード(インフリキシマブ)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、エンブレル(エタネルセプト)、バクシダール(ノルフロキサシン)、ブイフェンド(ボリコナゾール)など。
免疫抑制剤や抗菌薬などが多い。
ギラン・バレー症候群の原因として、ウイルスやカンピロバクターなどによる感染症が強く疑われており、免疫抑制剤によりウイルスなどが活性化され引き起こされていることも考えられる。
感染症に対して抗菌薬が処方されただけで、原因は抗菌薬ではなく、感染症であることも考えられる。
直接的ではなく間接的、あるいは原因ではない可能性もある。
ギラン・バレーの原因はカンピロバクター?
ギラン・バレー症候群って何が原因なの?
ギランバレー症候群といえば、大原麗子や安岡力也がかかった、原因不明の難病といわれてきました。が、現在では原因は比較的解明されているようです。
特に60%以上の例で何らかの先行感染が認められる。特に因果関係がはっきりしているのはサイトメガロウイルス、EBウイルスなどのウイルスや、マイコプラズマ、カンピロバクターの4つである。カンピロバクターはGBS発症の1週間前頃に下痢、サイトメガロウイルス、EBウイルス、マイコプラズマは2週間前程度に上気道炎を先行感染として起こすことが多い。ワクチンの接種後の発症例も認められている。ワクチンの場合は3週間以上前のことが多い。よってGBSを疑った場合は、1週間前に下痢をしなかったか、2週間前に咽頭痛や咳、鼻水といった風邪の症状はなかったのか、1か月以内にワクチンの接種をしなかったのかと調査していく必要がある。
ギラン・バレー症候群 – Wikipedia
カンピロバクターは全体の20~30%を占める主要な先行感染であり、カンピロバクター後にGBSを発症する確率は0.1%である。
マイコプラズマやカンピロバクターなどが原因になることもあると聞くと、かなり身近な病気と感じる。
発症後1~3週間でピークを迎え、その後自然軽快していく、ということなので、病院に行っても原因不明のまま自然と治って、「アレは何だったんだろう?」的な人もいそう。
軽度のギラン・バレー症候群を疑っても「ギラン・バレー症候群です」とは言わない医師もいるそうだ。
確かに、「ギラン・バレー症候群」なんて病名を告げたら、あらぬ不安と誤解を患者に植え付けてしまう。ギランバレー症候群は治る病気です。
ギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群とは、急に発症する、末梢神経の病気です。
ギラン・バレーさんが発見した病気、ではなく、1916年にこの疾患の政府軍人を報告したギランさんとバレーさん、二人の名前に由来します。
手足のしびれが出て筋力が低下し、4週間以内に症状のピークを迎えます。
症状が軽い人もいれば、手足が全く動かなくなり、呼吸が出来なくなって人工呼吸器が必要になる人もいます。
症状は遅くとも1ヶ月以内にピークとなり、その後徐々に回復にむかい、6~12ヶ月で多くの患者さんがよくなります。
自分で歩けないほどの後遺症が残る場合もありますが、一般的には治る病気です。
カンピロバクター
厚生労働省の食中毒統計によると、毎年およそ2万~3万人程度の食中毒患者が発生している。
患者数が最も多いのはノロウイルスによるもので、毎年1万~2万人程度の患者が報告されている。カンピロバクターは、サルモネラやウェルシュ菌と並び細菌性食中毒の原因菌の1つで、毎年2000人前後の患者が報告されている。
ただし、食中毒統計上の数値はあくまで届け出があるものに限られ、実際には、軽症で受診に至らないケースや、食中毒症例として報告されていない患者も多い。
このような現状から、カンピロバクター食中毒患者は、年間数百万人程度存在するとの推定もある。
カンピロバクターはニワトリやウシの腸管内に常在しており,鶏肉や牛肉の不完全な加熱が食中毒の原因となる。
特に鶏肉の汚染率は高く、日本国内の市販鶏生肉の60~70%が汚染されているとの報告がある。
食中毒予防のためには食肉を十分に加熱調理する必要があり、中心部の色が完全に変わるまで加熱する(中心部温度75℃以上で1分以上)ことが勧められる。
カンピロバクター属菌は少なくとも27菌種が報告されており、日 本ではC.jejuni、C.coliを食中毒の原因菌とする。
国内の食中毒の原因のほとんどはC.jejuniである。
カンピロバクターは数百個程度の少ない菌量でも食中毒を起こし得る。
汚染された食品の摂食だけでなく、汚染された食品を扱った調理器具を介した二次汚染のリスクもある。
カンピロバクター食中毒の潜伏期間は他の食中毒と比べてやや長く、2~7日。
主な症状は下痢、腹痛、発熱、頭痛、嘔気。
下痢や腹痛のほか、発熱が比較的多いのが特徴である。
患者の多くは自然治癒し、予後良好なので治療は必要ない。
ただし、粘血便や重症の下痢、敗血症などを呈した患者には抗菌薬が使用される。
ニューキノロン系薬剤に対する耐性菌が増加しているため、第一選択薬にはマクロライド系薬剤が推奨される。セフェム系薬剤には自然耐性を示す。
フィッシャー症候群とギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群の一亜型に、同じく難病に指定されているフィッシャー症候群があります。
フィッシャー症候群の特徴としては、眼球運動の障害や運動失調が中心で、四肢の筋力低下がギラン・バレー症候群ほど目立ちません。
フィッシャー症候群は欧米人に比べて、日本人に多くみられます。
フィッシャー症候群もギラン・バレー症候群同様、カンピロバクターとの関連が疑われています。
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