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コルヒチンは1日3錠まで?
公開. 更新. 投稿者:痛風/高尿酸血症.この記事は約3分34秒で読めます.
5,553 ビュー. カテゴリ:コルヒチンの投与量
コルヒチンを「1日何錠まで飲んでいいですか?」と聞かれたら困る私です。
コルヒチンの添付文書上の用量は、
通常、成人にはコルヒチンとして1日3~4mgを6~8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5~1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。
となっている。
発作の予感時に、1日4mgまで飲むことができるわけですね。
1日8錠。
多いような。
で、使用上の注意に、
投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、痛風発作の緩解には通常、成人にはコルヒチンとして1日1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。
通常1日3~4mgとしておきながら、1.8mgまでが望ましいとの但し書き。
なんじゃそら。
どっちなの。
しかも、1.8mgって中途ハンパ。
粉砕の指示でも来るのかな。
この「1.8mg」というのは、アメリカでは0.6mg製剤があるからなので
0.5mg製剤しかない日本では「1.5mgまで」と解釈するのが現実的だと考えます。
そもそも痛風発作に対する効果は、1.8mgと4.8mgとで差がなかったとの報告もあり
用法・用量欄に書かれている「3~4mg」は、使用すべきでない量だと私は考えます。
なるほど納得。
1日3錠まで、と理解しておきましょう。
コルヒチンの上限
2010年に米国から痛風発作初期のコルヒチンの低用量投与の有効性が報告された。すなわち、投与開始24時間で、50%以上痛みが改善した例は、コルヒチン高用量群(4.8mg/日)で32.7%、低用量群(1.8mg/日)で37.8%と両群間に差が認められなかった。有害事象の発現は低用量群で低かった。我が国においても、2010年6月に厚生労働省が添付文書での使用上の注意改訂が指示され、投与量の増加に伴い、下痢などの胃腸障害の発現が増加するため、痛風発作の緩解には通常、成人で1日1.8mgまでの投与に止めることが望ましいとされた。したがって、痛風発症後、できるだけ早期に投与したほうがより有効であり、具体的には発作の前兆期に1錠(0.5mg)のみ用いる。痛風関節炎が頻発する場合には、コルヒチン1日1錠を連日内服させる方法が有効である。
コルヒチンは痛風治療法としてエジプトでパピルスに記載され、その抗炎症作用については紀元前5世紀から認識されている。コルヒチンには多様な作用がある。尿酸塩結晶によるNACHT-LRR-PYD-containing protein-3(NALP3)インフラソームを介するカスパーゼー1活性化をコルヒチンは抑制する。
コルヒチンと下痢
コルヒチンの過料投与による副作用としては、下痢が多いようだ。
「重篤副作用疾患別マニュアル」の「重度の下痢」において、以下の記載がある。
コルヒチンでは、乳糖分解酵素の活性低下により小腸の機能が低下し、可逆的な吸収不全の状態になり、下痢をはじめとする腹部症状が出現すると考えられている。また、Na,K-ATPase 活性低下による吸収抑制に加え、C-GMP およびCa を介する水・電解質の分泌亢進も関与している。
コルヒチンで乳糖の消化不良が起こると。
コルヒチンを牛乳で飲むと下痢確実。かな。
通常、痛風発作に使われるのだとしたら連用されるものではありませんが、ベーチェット病や家族性地中海熱などで連用されることもあるので気を付ける。
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