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漢方薬をオブラートで包んではダメ?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約6分30秒で読めます.
6,619 ビュー. カテゴリ:「今まで漢方薬は飲んだことがありますか?」
小児だと特に、「漢方薬飲めるかな?」というのが気になる。
患者さんから「何かに混ぜて飲んでもいいですか?」と聞かれることもある。
漢方薬の飲み方についてアドバイスできることがあるかも。
苦味健胃薬
苦味健胃薬(オウバク、オウレン、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン、ユウタンなど)および芳香健胃薬(ケイヒ、ショウキョウ、ウイキョウなど)については、オブラートやゼリー状オブラートでの服用は適切でないとされています。
これらの薬はそれぞれ「苦味」や「香り」そのものが胃の活動を高める効果を発揮しますので、オブラートなどでそれらの遮断した場合、効果の減少が考えられるためです。
これらの健胃生薬は、その香りや味が刺激となって、胃液の分泌や胃腸運動を亢進することで消化を助けたり、食欲を回復したりするようにはたらきます。
ですから、健胃生薬を配合した胃腸薬を服用する際にオブラートなどで包んでしまうと、効果が妨げられてしまいます。
なお、これは、こうした健胃生薬が配合されている医療用医薬品の複合胃腸薬の場合も同様といえます。
生薬の苦味や辛味、そして匂いなどが、味覚、嗅覚を通じて胃粘膜を刺激し、唾液の分泌などを促して、総合的な食欲増進作用が期待されます。
まさに「良薬口に苦し」の典型。
そのため、オブラートに包んでしまうと、せっかくの苦味や芳香が感じられにくくなってしまい、薬の効果が減弱してしまうと考えられます。
良薬口に苦し
最近では薬の味もおいしいものが多いです。
昔は、薬といえば苦いもの、というのが当たり前でしたが。
「良薬口に苦し」という孔子の言葉があります。
身のためになる忠告は聞きづらいものという意味です。
おいしくて良い薬が普及すると、この格言の意味も伝わりにくいですね。
漢方薬とオブラート
漢方薬服用ゼリーを使用することで、服用しにくい漢方薬の味やにおいをマスキングし、むせたり、つかえたりせずに楽に飲み込めるようになります。
ゼリー状オブラートは寒天などで作られていることから、漢方薬に影響しないので安心です。
通常のオブラートの場合でも口の中を少量の水で湿らせつつ、オブラートに包んだ漢方薬を、破れないように軽く水に浸して、サッと飲み込めばツルッと入っていきます。
小児の場合、薬剤の服用に特に苦労しますが、小児用ゼリー状オブラートの代表的なものとして「おくすり飲めたね」(龍角散)があり、ピーチ味、いちご味、ぶどう味などが用意されています。
オブラートには、従来の丸タイプに加え、袋タイプもあります。
漢方薬のおいしい飲み方は?
漢方薬がまずくて飲めない、という患者さんがいます。
大人でも。
我慢して飲め、と言いたいところです。
マズイと感じたら、その薬は患者さんに合わない薬、という説もありますが、医師が処方している以上、なるべく飲んでもらうように努めるのが仕事です。
オブラートに包んで飲んだり、ゼリーに入れて服用したり。
蜂蜜やメープルシロップなどの天然の甘味料を混ぜるのが良いという話も。
漢方だから天然のものが良いという考え。
別にジュースでもお茶でも、本人が飲みやすけりゃなんでも良いとも思いますが。
アイスクリーム、ヨーグルト、チョコクリーム、ピーナツクリーム、はちみつと合わせることで、かなり飲みやすくなるらしい。
アイスは冷感で味覚を鈍らせる効果もある。
漢方薬をおいしく飲む方法
① 熱めのお湯に溶かし、砂糖、もしくは蜂蜜を加えて飲む。(蜂蜜は1歳未満の子供には使用不可なのでガムシロップなど)
② ココアを加えてお湯に溶かす。
③ 冷たいゼリー、シャーベットに加える。
小児科領域における漢方薬は、かぜ症候群や感染性胃腸炎(嘔吐、下痢)の他に、夜泣き、疳の虫など西洋医学で対処できない病態にも用いられる。
しかし乳幼児は漢方独特の味や香りが苦手であり、飲ませるのが難しい。
一口に漢方エキス剤といっても味は様々である。
例えば、もともとの味が飲みやすい麦門冬湯は、どの飲食物に混ぜても労せず服薬できるが、苦みの強い半夏瀉心湯は、ココア以外では十分な味マスキング効果が得られない。
飲食物を用いて調製する際、薬を混ぜているところを子どもに見られてはいけない。
薬を飲む行為そのものを拒否している場合、飲食物に薬が入っていることがばれてしまうと飲ませるのが非常に難しくなる。
具体的な味マスキング法は、用いるものが液体の飲料と半固形の食物とでは少々異なる。
ジュース、ココアなどの飲料にエキス剤を溶かして飲ませる場合、まず処方された1回分のエキス剤にティースプーン1,2杯のお湯を加え、5分ほど放置して水分を浸透させる。
溶けてきた頃合いを見計らって飲料50mL程度を加えて混ぜる。
これより少ないと漢方薬の味が強く出てしまい、これより多いと飲み残しが心配になる。
アイスクリームのような半固形物の食品には、混ぜ込んで与えることを基本としている。
子どもはエキス剤顆粒のざらつきを嫌がる場合があるので、薬包の上から麺棒やすりこぎ、太いペンなどを用いてあらかじめ押し潰しておく。
混ぜる食品の量は大きめのスプーン2杯分くらいが適当である。
各種の飲食物の中で、ココアはほぼ全てのエキス剤に対して味マスキング効果を示した。
アイスクリームも有効で、これは強い甘みだけでなく、冷たさによる味覚の鈍麻も有利に働いていると見られる。
ココアの強い味マスキング効果は、ココアに含まれるカカオバターが舌の味雷にある親油性苦味受容体に結合
し、他の苦味物質の結合をブロックすることによる。
なおココアに含まれるカフェインの量は微量であり、1,2歳以降であれば飲用可能とされている。
子ども向けに販売されているココア味の麦芽飲料でも代用可能である。
服薬補助ゼリー類も試したが、味が弱くて漢方エキス剤の味に負けてしまい、マスキングには不十分と判定せざるを得なかった。
なお、味マスキングは漢方薬の香りによる効果を消してしまうため、否定的な意見もあるが、服薬に慣れるための方便と考えている。
漢方薬を長期間服薬している小児の場合、初めこそ苦労しても最終的には水やお湯で飲めている子が多い。
電子レンジでチン
漢方薬の「美味しい」飲み方
●お湯で溶かしただけではザラザラ感が残りますが、電子レンジに15秒ほどかけて下さい。漢方特有の臭いも飛び、飲みやすくなります。
●1包を10~20mlの水と2~3gの砂糖で溶かすと飲みやすくなります。また、ほうじ茶、麦茶などで溶かすのもいいですね。
●ヤクルト、プリン、ヨーグルトなどに混ぜてもいいです。2、3分すると粒が消えて飲みやすく(食べやすく?)なります。
飲みにくい漢方薬は体に合わない?
漢方薬が不味いから飲めない、という患者がいる。
子どもじゃあるまいし、我慢して飲め、と心の中でつぶやきますが。
漢方では、服用した漢方薬が「のみやすい」「味がおいしい」「香りが好き」と患者さんが感じる場合は、そのお薬が患者さんに合っていると考えます。
逆に「飲みにくい」「おいしくない」とおっしゃった場合は、症状の改善具合にもよりますが、別の処方を考える必要があるかも知れません。
証と味
一般的に、健康な人が漢方薬を味わってみた場合にはのみたがらないが、患者が「証」に合った漢方薬を服用する場合には、意外に抵抗なしに服用できるケースが多いと感じられる。
漢方薬は生薬の五味「酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛(からい)・鹹(しおからい)」がうまく組み合わされており、言い換えれば、その方剤が患者の証にあっているかどうかの参考となることもある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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