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フロモックスでカルニチン欠乏症?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分19秒で読めます.
1,439 ビュー. カテゴリ:ピボキシル基とカルニチン
ピボキシル基は、消化管吸収を促進する目的で、様々な医薬品の活性成分本体に結合されています。
ピボキシル基を含む抗菌薬は消化管から吸収される際、活性成分とピバリン酸に加水分解される。
ピバリン酸は、カルニチン抱合を受けて尿中に排出されるため、体内のカルニチン量が減少することになる。
カルニチンは、長鎖脂肪酸の代謝で重要な役割を果たす物質である。
空腹時のエネルギー源となる長鎖脂肪酸は、カルニチンを介して初めてミトコンドリア内に取り込まれ、代謝を受けてエネルギーとなる。
このためカルニチンが欠乏すると、長鎖脂肪酸がミトコンドリア内に取り込まれなくなり、糖新生が障害されて、低血糖症に至ることがある。
通常、カルニチンは肉類から補給されるほか、肝臓でリジンとメチオニンから生合成されるため、不足を心配する必要はない。
しかし、もともと体内にカルニチン量が少ない乳幼児では、ピボキシル基含有抗菌薬によるカルニチン消費が重大な影響を及ぼすケースがある。
抗菌薬とカルニチン抱合
カルニチンのサプリメントがダイエット効果を目的として売られていますが。
エネルギー代謝に関係しているらしい。
抗菌薬の服用で低カルニチン血症になることがある。
ピボキシル基をもつ抗菌薬は投与後、体内での代謝によって活性成分とピバリン酸に加水分解され、ピバリン酸はカルニチン抱合を受けてピバロイルカルニチンとして尿中へ排泄される。
そのため、ピボキシル基を持つ薬剤の服用中はカルニチンの排泄が亢進し、血清中のカルニチンが減少することが分かっている。
体内のカルニチンが過度に消費されると、低カルニチン血症を起こす。
低カルニチン血症で低血糖になる?
カルニチンは長鎖脂肪酸をβ酸化(脂肪酸の分解)する上で、ミトコンドリア内に輸送するために必要な物質である。
空腹時(飢餓状態)では脂肪酸のβ酸化によって必要なエネルギーを確保し、糖新生(糖以外の物質からグルコースを合成すること)を行う。
よって、カルニチンが欠乏した状態では脂肪酸のβ酸化が行われなくなり、糖新生が阻害され低血糖を来す。
カルニチン
カルニチンは、脂肪酸の分解(β酸化)を促進させる働きがある。
血清中のカルニチンが欠乏すると、脂肪酸のミトコンドリア内への輸送が低下し、β酸化によるニコチン酸酵素(NADH2-)やATPなどの生成が滞ってしまう。
これらの酵素が不足することで糖新生が妨げられ、低血糖が起こる。
妊娠中の抗生物質は危険?
ピボキシル基を有する抗菌薬投与による小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖について
ピボキシル基。
セフカペン ピボキシル = フロモックス
セフテラム ピボキシル = トミロン
セフジトレン ピボキシル = メイアクト
テビペネム ピボキシル = オラペネム
あたりが、ピボキシル基を有します。
ピボキシル基を有する抗菌薬服用時には、カルニチン排泄が亢進し、低カルニチン血症に至ることがあり、小児(特に乳幼児)では血中カルニチンが少ないため、低カルニチン血症になりやすい。
妊娠中に上記の薬を飲むと、出生児に低カルニチン血症が出る恐れも。
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