記事
風邪にビタミンCが効く?
公開. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分24秒で読めます.
1,505 ビュー. カテゴリ:ビタミンCで風邪予防?
「ビタミンCがかぜに効く」という説があります。
これは1970年代にL.Paulingらによって出されたもので、それを根拠にかぜの予防目的にビタミンCを大量摂取する人がいます。
残念ながら、実際にその効果を調べた多くの研究結果は、かぜの発症率にビタミンCの大量摂取の有効性がほとんどないという評価となっています。
風邪とビタミンC
化学結合の分野でノーベル賞を受賞したライナス・ポーリング博士が、「風邪をひいたと思ったら、ビタミンCの錠剤(500mg)をすぐ飲む。さらに2時間おきに飲めば風邪は治る。また、毎日グラム単位で摂取すれば、風邪にはかからない」と発表したため、風邪にビタミンCが効くと信じられてきました。
しかし、その後様々な試験が行われていますが、風邪に対する有効性を証明するような結果は出ていません。
栄養失調でビタミンC欠乏をきたしているような人には効果があるでしょう。
しかし日本のような栄養状態の社会ではあまり効果は期待できないかもしれません。
しかし、ビタミンCは簡単に摂取でき、副作用も特に無いので、積極的に摂取することは疲労回復にも効果的だと思われます。
かぜとビタミンCについては多くの研究が行われています。
諸説ありますが、基本的な作用はビタミンCが免疫に関わるということです。
かぜをひいた時、体をウイルスから守る役割のある白血球が働きますが、そこにはビタミンCが豊富に含まれています。
白血球中のビタミンCは、かぜをひいたら急激に減少します。
また、ストレスや発熱などによりビタミンCが多く消費されます。
ですから、かぜをひいた時は白血球の働きを維持するため、消費されたビタミンCを補給するためにもビタミンCを多めに摂取することが必要です。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成に必要です。
かぜでのどが痛くなった時、ウイルスによって破壊された組織を修復するには、新たなコラーゲンの生成が必要で、ビタミンCがこの回復過程を助けます。
ストレスとビタミンC
日々のストレスによって体内のビタミンCは減っていきます。
ラットでストレス負荷実験を行うと、ストレスによりビタミンCが減っていきますが、なくなった分をすぐに体内で合成して補っていくのが確認されます。
ラットはストレスのない時に比べて、ひどいストレスを与えた時は約8倍ものビタミンCを作ります。
これはラットの話でヒトの場合、自分の体内で作ることができないので、ストレスを受けるとビタミンCが減ったままです。
次のストレスを受けたらまた減りますから、ヒトはしっかり補う必要がある。
これは大事なことです。
またビタミンCは加熱調理による損失が大きいのですが、野菜は加熱する場合が多いため意外に食事から摂れていません。
さらに、体内のビタミンCを減らす要因は、ストレスの他にも、加工食品の多食、激しい運動、喫煙、飲酒、医薬品の常用など現代の私たちの生活環境のなかに多くあります。
このようなことを考慮すると、実際は不足している人が多く、該当する人はもっと摂取量を増やさないといけないのです。
ビタミンCの特徴
・コラーゲン合成と抗酸化作用。
・欠乏は稀、古典的には壊血病。
・過剰で嘔気・嘔吐、下痢、尿路結石。
・調理で損失も食事からの摂取がよい。
・柑橘類、ベリー類、緑色野菜、芋。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。