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大建中湯は下剤?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分38秒で読めます.
1,855 ビュー. カテゴリ:大建中湯と便秘
大建中湯って下剤になるの?
便秘に使われる薬といえば、センノシドなどの下剤です。
プルゼニド、アローゼン、カマ、テレミンソフト、グリセリン浣腸、アミティーザ。
下剤のオンパレードという患者さんは結構います。
漢方薬も色々と試されます。
大黄にはセンノシドが入っており、西洋薬と同じように効く。
桂枝加芍薬大黄湯、大黄牡丹皮湯、大黄甘草湯、乙字湯、三黄瀉心湯、治打撲一方、治頭瘡一方、潤腸湯、大柴胡湯、大承気湯、調胃承気湯、通導散、桃核承気湯、麻子仁丸、防風通聖散、茵ちん蒿湯など大黄の入った漢方薬は多いですが、便秘に適応のないものもある。
悪いものを体外に排出するという意味で、幅広い疾患に使える。
便秘に対してもう一つ効果的なアプローチが、温めるということ。
大建中湯も便秘によく使われる漢方薬です。
大建中湯が便秘に処方されているという話を患者に聞いても「大黄が入っていないのに効くのかな」と疑問に思っていました。
大建中湯の構成生薬は人参、乾姜、山椒というシンプルな3種類です。普通は構成成分が多い方が効くのかと思いきや、構成成分が多いと効果を打ち消し合って、構成成分が少ない方が切れ味よく効果が高いという。芍薬甘草湯もそうですね。
ニンジン、ショウガ、サンショウというと食品でもあり、体を温めるというイメージのしやすい漢方薬です。
胃腸系の疾患に使われる漢方薬は人参系の温める系の漢方薬がよく使われます。
婦人科系も温める系。
というか漢方薬全般温める系かもしれない。
温めるのは体に良い。
薬を飲むときにも、便秘にも、温かいお湯を飲んでもらったほうが良いですね。
腸閉塞と大建中湯
腸の手術後の患者に、大建中湯が処方されていることがよくある。
腸閉塞に効く内服薬は西洋薬にはほとんどなく、外科領域では大建中湯が第一選択薬となっています。
術後腸閉塞に対する有用性はランダム化比較試験でも確かめられています。
その機序として、
・平滑筋の5HT4受容体刺激によるアセチルコリン遊離促進
・粘膜知覚神経末端のバニロイド受容体を介したサブスタンスPの遊離促進
・粘膜上皮細胞からのモチリンの分泌促進
により腸管運動を促進することが基礎研究で明らかになっています。
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