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セタネオとエイベリスの違いは?
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121 ビュー. カテゴリ:FP受容体及びEP3受容体に作用する二環式プロスタグランジン誘導体

新規緑内障治療薬セタネオ点眼液(セペタプロスト)が2025年8月25日に承認された。
既存のプロスタグランジン系点眼薬とは少し違った作用機序を有するらしい。
セペタプロストはプロドラッグであり、点眼後は主に角膜中で速やかに加水分解され、FP受容体及びEP3受容体に対して結合、刺激することで房水流出を促進し、眼圧下降作用を示すと考えられています。
多くのプロスタグランジン系緑内障治療薬はFP受容体にのみ働きますが、セペタプロストはEP3受容体にも働くということで、既存の緑内障治療薬で効果があまり見られない患者に対し、異なるアプローチができる。
ちなみにエイベリス(オミデネパグイソプロピル)はEP2受容体に働く。
エイベリスはまつ毛が濃くなる太くなる、目の周りの色素沈着などの副作用が少ないと言われており、実際添付文書上の記載も無いが、セタネオはFP受容体にも働くので、添付文書にも「睫毛の異常(睫毛が長く、太く、多くなる等)(18.2%)」「眼瞼色素沈着(1~5%未満)」の記載がある。
分類 | 商品名 | 一般名 | ||
房水流出促進薬 | 交感神経刺激薬(αβ受容体刺激薬、アドレナリン作動薬) | ピバレフリン | ジピベフリン塩酸塩 | |
ROCK阻害薬 | グラナテック | リパスジル塩酸塩水和物 | ||
交感神経遮断薬 | α1遮断薬 | デタントール | ブナゾシン塩酸塩 | |
副交感神経作動薬 | コリン作動薬 | サンピロ | ピロカルピン | |
コリンエステラーゼ阻害薬 | ウブレチド | ジスチグミン | ||
プロスタグランジン関連薬 | レスキュラ | イソプロピルウノプロストン | ||
キサラタン | ラタノプロスト | |||
トラバタンズ | トラボプロスト | |||
タプロス | タフルプロスト | |||
ルミガン | ビマトプロスト | |||
選択的EP₂受容体作動薬 | エイベリス | オミデネパグイソプロピル | ||
二環式プロスタグランジン誘導体 | セタネオ | セペタプロスト | ||
房水産生抑制薬 | 交感神経遮断薬 | α2刺激薬 | アイオピジンUD | アプラクロニジン塩酸塩 |
アイファガン | ブリモニジン酒石酸塩 | |||
β遮断薬(非選択的β受容体遮断薬) | チモプトール/リズモン | チモロールマレイン酸塩 | ||
チモプトールXE/リズモンTG | チモロールマレイン酸塩持続性製剤 | |||
ミケラン/ミケランLA | カルテオロール塩酸塩 | |||
ミロル | レボブノロール塩酸塩 | |||
β遮断薬(選択的β1受容体遮断薬) | ベトプティック/ベトプティックエス | ベタキソロール塩酸塩 | ||
β遮断薬(αβ受容体遮断薬) | ハイパジール/ニプラノール | ニプラジロール | ||
炭酸脱水酵素阻害薬 | トルソプト | ドルゾラミド塩酸塩 | ||
エイゾプト | ブリンゾラミド | |||
配合剤 | PG関連薬+β遮断薬 | ザラカム(GE:ラタチモ) | ラタノプロスト+チモロールマレイン酸塩 | |
ミケルナ | カルテオロール塩酸塩+ラタノプロスト | |||
デュオトラバ(GE:トラチモ) | トラボプロスト+チモロールマレイン酸塩 | |||
タプコム | タフルプロスト+チモロールマレイン酸塩 | |||
β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬 | コソプト(GE:ドルモロール) | ドルゾラミド塩酸塩+チモロールマレイン酸塩 | ||
アゾルガ | ブリンゾラミド+チモロールマレイン酸塩 | |||
β遮断薬+α₂作動薬 | アイベータ | ブリモニジン酒石酸塩+チモロールマレイン酸塩 |
ちなみに、FP受容体やEP3受容体はプロスタノイド受容体といいますが、プロスタグランジン受容体じゃだめなのかな、と思っていたら、プロスタノイドはプロスタグランジン類(PG)とトロンボキサン類(TX)を総称する生理活性脂質のグループとのこと。
そのため、プロスタノイド受容体にはトロンボキサン受容体も含まれます。