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骨粗鬆症治療薬で低カルシウム血症になる?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約2分50秒で読めます.
4,870 ビュー. カテゴリ:骨粗鬆症治療薬と血中カルシウム濃度
骨粗鬆症の薬はカルシウムを増やす薬じゃないの?
骨粗鬆症に使われる薬と聞くと、血液中のカルシウムを増やすような薬が多いんじゃないかと想像してしまうが、必ずしもそうではない。
ビスホスホネート系薬であるフォサマックの副作用には「低カルシウム血症」とある。SERMであるエビスタの副作用には「血中カルシウム減少」
逆に血液中のカルシウムが減ってしまうという薬もある。骨粗鬆症治療薬を飲んで低カルシウム血症になるということが理解できない患者もいる。
まず、骨は日々、破壊と創造を繰り返していることを理解しなければならない。
健常人の骨は日々、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨を作る働き)が行われ、2つの働き(骨代謝)が釣り合うことで一定の骨量を維持している。
骨は、古い骨を溶かす破骨細胞と、新しい骨をつくる骨芽細胞の働きにより、常に修復を繰り返しています。これをリモデリングといいます。
骨を作るために、血液中のカルシウムを使い、骨を壊すと血液中にカルシウムが放出される。
骨形成を促進すれば血中からカルシウムが奪われ、骨吸収を抑制すれば血中へのカルシウム放出が抑えられる。骨にカルシウムを留めるということは血中のカルシウムは減ることになる。
骨粗鬆症の薬には、「骨形成を促進させる薬」と「骨吸収を抑制する薬」がある。
骨形成を促進する薬には、カルシウム製剤や活性型ビタミンD₃製剤がある。
骨吸収を抑制する薬には、ビスホスホネート系薬やSERMがある。
血中カルシウムが減少する骨粗鬆症治療薬
ビスホスホネート系薬
SERM
抗RANKLモノクローナル抗体
血中カルシウムが上昇する骨粗鬆症治療薬
カルシウム製剤
活性型ビタミンD₃製剤
副甲状腺ホルモン製剤
ビタミンK製剤(グラケー)は骨のタンパク質に作用するので、血中カルシウム濃度は特に変動しない。
エストロゲンやイプリフラボンはSERMと同じようにエストロゲン受容体に作用し、骨吸収を抑制するので、血中カルシウムは減少しそうだが、そこまで強い働きは無いからか、添付文書上はカルシウム変動に関する記載はない。
ビスホスホネートとカルシウムやビタミンD₃製剤など、骨粗鬆症治療薬を組み合わせて飲んでいる人も多いので、血中カルシウムにどのような影響が出ているのか図りづらい。
低カルシウム血症で神経・筋肉症状(テタニー、痙攣など)が出ていないか、高カルシウム血症で消化器症状(便秘、嘔吐など)が出ていないか、気にしてみましょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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