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甲状腺疾患治療薬の一覧
公開. 更新. 投稿者:甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症.この記事は約2分27秒で読めます.
189 ビュー. カテゴリ:甲状腺疾患治療薬の一覧
分類 | 商品名 | 一般名 | 適応 | 剤形・規格 |
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抗甲状腺薬 | メルカゾール | チアマゾール | 甲状腺機能亢進症 | 錠(2.5㎎、5㎎) |
チウラジール/プロパジール | プロピルチオウラシル | 甲状腺機能亢進症 | 錠(50㎎) | |
無機ヨード製剤 | ヨウ化カリウム「各社」 | ヨウ化カリウム | 甲状腺腫(ヨード欠乏によるもの及び甲状腺機能亢進症を伴うもの)、次の疾患に伴う喀痰喀出困難:慢性気管支炎、喘息、第三期梅毒、放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減 | 末、丸(50㎎)、内服ゼリー(16.3㎎、32.5㎎) |
ヨウレチン | ヨウ素レシチン | ヨード不足による甲状腺腫、ヨード不足による甲状腺機能低下症、中心性網膜炎、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症、小児気管支喘息、喘息様気管支炎 | 散(0.02%)、錠(100μg) | |
甲状腺ホルモン薬 | チラーヂンS | レボチロキシンナトリウム(T₄)水和物 | S散:乳幼児甲状腺機能低下症 S錠:粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)、甲状腺腫 | 散(0.01%)、錠(12.5μg、25μg、50μg、75μg、100μg) |
チロナミン | リオチロニンナトリウム(T₃) | 粘液水腫、クレチン症、甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)、慢性甲状腺炎、甲状腺腫 | 錠(5μg、25μg) |
甲状腺疾患治療薬の分類
甲状腺疾患治療薬は、甲状腺機能亢進症に用いられる抗甲状腺薬と、甲状腺機能低下症に用いられる甲状腺ホルモン製剤に分けられる。
甲状腺ホルモン製剤
甲状腺ホルモンは、基礎代謝、身体の成長や発育、循環器機能の調節に関わるホルモンです。
甲状腺ホルモン製剤には、T₄:レボチロキシン(チラーヂンS)とT₃:リオチロニン(チロナミン)がある。
甲状腺からはT₄が主に分泌され、末梢で脱ヨウ素化されて活性型のT₃となる。
T₄製剤はTmaxが6~7時間、半減期が1週間と長く甲状腺ホルモン濃度の血中濃度も維持しやすい。T₄はプロホルモンで体内で脱ヨウ素化されてT₃となる。
T₃製剤は効果の発現が早いが、半減期が1日と短いので通常の甲状腺機能低下症の治療ではT₄製剤が使用される。
また、バセドウ病の治療で抗甲状腺薬をやや多めに投与し、甲状腺ホルモンが不足したら薬剤で補充する併用療法Block and Replace Therapy(ブロック補充療法)の際に甲状腺ホルモン製剤が処方される。
抗甲状腺薬
抗甲状腺薬には、チアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(プロパジール/チウラジール)の2種類がある。
プロピルチオウラシル(Propylthiouracil)は略してPTU、チアマゾール(Thiamazole)は略してMMI、なぜ?チアマゾールはアメリカではメチマゾール(Methimazole)と呼ばれており、ここからMMIと略されているそうだ。Methimazole=略してMM…Iはどこから?チアマゾールの化学名は1-Methyl-1H-imidazole-2-thiolで、イミダゾール環を含んでおり、Methimazole-ImidazoleからMMIなのだそうだ。
効果が確実で副作用が少ないなどの理由から、妊娠初期などを除いてチアマゾールが第一選択薬である。
チアマゾールで軽度な副作用(皮疹・蕁麻疹、軽度の肝障害、筋肉痛など)が出現した場合、プロピオチルウラシルに変更して経過をみるか抗ヒスタミン薬などで対処する。無顆粒球症や重篤な肝障害ではいずれの薬も交差反応の可能性があり原則他の治療に変更する。
抗甲状腺薬は甲状腺ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの合成を阻害します。
甲状腺内には甲状腺ホルモンを蓄積しているために、抗甲状腺薬がホルモン合成を抑制しても、蓄積していたホルモンの分泌は継続します。そのため、甲状腺内のホルモンが減少し、抗甲状腺薬の効果が出るまでには、2~4週間かかります。
ヨウ素製剤
ヨウ素はヨード有機化の阻害と甲状腺ホルモンの放出を抑える作用がある(ウォルフ-チャイコフ効果)。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料なので、ヨウ化カリウムなどを摂取すると、甲状腺ホルモンが増えてしまうのではないかと思うだろう。しかし、ヨウ素が体内に大量に存在すると、逆に甲状腺ホルモンの合成を抑制する(ネガティブフィードバック)。そのため、ヨウ化カリウムが甲状腺機能亢進症に処方されることがある。「バセドウ病治療ガイドライン2019」ではチアマゾールを30㎎に増量するよりチアマゾール15㎎にヨウ化カリウム50㎎の併用が推奨されている。ただし、急にヨウ素を中止すると悪化する場合があり、注意深い経過観察と漸減が必要である。
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