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10倍近く差のある規格を持つ薬
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約1分7秒で読めます.
2,447 ビュー. カテゴリ:複数規格有する医薬品
精神系の薬って患者によってだいぶ用量に差があるよね?
例えば、アムロジン錠2.5㎎と5㎎など、複数規格を有する医薬品は多い。
しかし、通常その範囲は2~3倍程度に収まる。
この差が、10倍近くある医薬品もある。
そういう薬を調剤する際に、気になるのが、取り違えによる調剤事故である。
同じ医薬品名で、1㎎と10㎎などがあった場合、1㎎と間違えて10㎎を調剤した場合、どうなるだろうか?
1㎎と2㎎なら問題ないということではないが、健康被害のリスクはより高まると言える。
そもそも処方間違いである、という可能性も考える必要がある。
そのため、複数規格を有する医薬品で、規格ごとに適応が違ったり、徐々に増やしていく漸増療法の薬の場合などは覚えておく必要があるだろう。
医薬品名 | 規格 | 用法用量 |
---|---|---|
アルファロール | アルファロールカプセル0.25μg/アルファロールカプセル0.5μg/アルファロールカプセル1μg/アルファロールカプセル3μg | 慢性腎不全の場合 通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する。 ただし、年齢、症状により適宜増減する。 副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合 通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する。 ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。 (小児用量) 通常、小児には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する。 ただし、疾患、症状により適宜増減する。 |
エフィエント | エフィエント錠2.5mg/エフィエント錠3.75mg/エフィエント錠5mg/エフィエントOD錠20mg | 〈経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患〉 通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。 〈虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制〉 通常、成人には、プラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する。 |
コントール散 | コントール散1%/コントール散10% | 成人 1日クロルジアゼポキシドとして20〜60mg(散1%の場合は2〜6g、散10%の場合は0.2〜0.6g)を2〜3回に分割経口投与する。 小児 1日クロルジアゼポキシドとして10〜20mg(散1%の場合は1〜2g、散10%の場合は0.1〜0.2g)を2〜4回に分割経口投与する。 |
セロクエル | セロクエル25mg錠/セロクエル100mg錠/セロクエル200mg錠/セロクエル細粒50% | 通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。通常、1日投与量は150~600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。 なお、投与量は年齢・症状により適宜増減する。ただし、1日量として750mgを超えないこと。 |
タベジール | タベジール錠1mg/ タベジール散0.1%/ タベジール散1% | 通常成人1日量クレマスチンとして2mgを朝晩2回に分けて経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。 製剤別の通常成人1日量は次のとおりである。 錠1mg:1日2錠 散0.1%:1日2g 散1%:1日0.2g 朝晩2回に分けて経口投与 |
デカドロン | デカドロン錠0.5mg/デカドロン錠4mg | 〈抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)〉 通常、成人にはデキサメタゾンとして1日4~20mgを1~2回に分割経口投与する。 ただし、1日最大20mgまでとする1) 。 〈全身性ALアミロイドーシス〉 他の薬剤との併用において、通常、成人にはデキサメタゾンとして1日40mgを1、8、15、22日目に投与する。28日を1サイクルとして、最大6サイクルまで投与を繰り返す。 〈上記以外の効能共通〉 デキサメタゾンとして、通常成人1日0.5~8mgを1~4回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 |
ラミクタール | ラミクタール錠小児用2mg /ラミクタール錠小児用5mg /ラミクタール錠25mg /ラミクタール錠100mg | 成人てんかん:通常、ラモトリギンとして最初の2週間は1日25mgを1日1回経口投与し…省略 小児てんかん:通常、ラモトリギンとして最初の2週間は1日0.3mg/kgを1日1回又は2回に分割して経口投与し…省略 |
錠剤はまだ取り違えリスクは少ないかも知れない。散剤の複数規格は危険である。
どっちの規格も白い粉薬の場合、鑑査の時点での判別は困難である。
10倍近く差があれば、錠剤の大きさもそれなりに違ってくる。とは限らない。
錠剤の大きさが違えば、「アレ?」と気づくタイミングも増えるだろうけど。
セロクエル錠25㎎は直径が約6㎜、錠200㎎は直径が約11㎜とだいぶ違うのでわかりやすい。
アルファロールカプセルの0.25μgは直径5.6㎜で、3μgも同じ直径5.6㎜なのでわかりづらい。
おきをつけあそばせ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
いつも参考にさせていただいております。
規格によって差が大きい医薬品について、個人的にはラミクタールの50倍差が一番怖いと思っております。
他に意識しているのはアスベリン散とDS、ポララミン散とDSの5倍差ですね。
コメントありがとうございます。
参考にさせていただきます。