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β2刺激薬を使いすぎると喘息死する?
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約5分38秒で読めます.
4,976 ビュー. カテゴリ:β2刺激薬は発作時のみ?
現在のように吸入ステロイドが普及する前は、発作止めのβ2刺激薬を定期的に使用させることもありました。
しかし、β2刺激薬は続けて使っていると効きにくくなってくるので、だんだんと使用回数が増えていって、最終的には効かなくなって喘息発作で死ぬ、ということがありました。
喘息発作で亡くなった方の手に、β2刺激薬の吸入剤が握り締められていたというショッキングなこともあったようです。
現在では、β2刺激吸入剤は発作止めとして、発作時にしか使われません。1日4回までと使用が制限されています。
喘息死の犯人
そのようなこともあり、発作止めの吸入剤が喘息死の犯人のように仕立て上げられたこともありましたが、結局は発作止めに頼ってしまって受診が遅れることが最大の原因であり、β2刺激吸入剤は患者さんにとっては無くてはならない薬です。
最近では逆に発作止めの吸入剤を使うのを我慢して、症状が悪化するというケースもあるようなので、1日4回という縛りをあまり強調しすぎるのもどうかと思います。
喘息発作で救急外来を受診する目安は
歩行や会話が困難になるようなひどい喘息症状が現れた場合などでは、あらかじめ処方されていた経口ステロイド薬(プレドニゾロン15~30mg)などを内服し、直ちに救急外来を受診することが必要です。
救急外来受診の目安
・苦しくて横になれない、歩行困難(かろうじて歩ける程度)などの中等度以上の喘息症状
・短時間作用性気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入を1~2時間おきに必要とする
・短時間作用性気管支拡張薬(β2刺激薬)を吸入しても、3時間以内に症状が改善しない
・短時間作用性気管支拡張薬(β2刺激薬)を吸入しても、症状が悪化していく
発作止めはためらわずに使ったほうがいい?
多くの患者は、吸入β2受容体刺激薬の副作用である動悸、手の震えなどを経験している。
これは、正しい吸入操作をしていないため、薬効としての息苦しさの改善が認められず、何度も使用し、心臓などへの負担が増加したためである。
吸入β2受容体刺激薬は「発作時」と用法指示されているが、気道が閉塞する前、すなわち発作のはじまり(発作の予感時)に吸入することが望ましい。
しかし、これを説明し、実行してもらうことは容易ではない。
吸入β2刺激薬は作用や副作用の強い怖い薬ではない。発作を抑える薬は吸入β2刺激薬しかありません。おかしいなと思ったら、ためらわず使用するように指導する。
発作止めを使うタイミング
喘息の発作止め吸入剤を使うタイミングは、「できるだけ早く」です。
軽症喘息でも、大発作や喘息死に至る危険があります。
発作の前ぶれを感じたり、ゼーゼーが出始めたら、早めに発作止めの薬を使いましょう。
主な喘息発作の前ぶれには
・のどがイガイガする
・咳が出る
・胸が圧迫される感じ
・痰が出る
・呼吸機能が低下(ピークフロー値の低下)
などがあります。
服薬指導で、「1日4回まで」と強調しすぎると、「あまり使わないほうが良い」と思い込み、ギリギリまで我慢するという患者もいます。
喘息の急性増悪時の治療は、多くの場合、医療機関外で患者さん自らが開始しなければならない。
そして、治療が遅れると命にかかわることもあるので、患者さんがしっかり理解できるようにしなければならない。
「大発作」を起こせば苦しくて歩行もできないため、一人暮らしの患者さんなどは特に危険である。
したがって、苦しくても動ける「中発作」の段階から発作治療薬であるSABAを開始することが重要である。
これには、患者自身が大発作への前兆をいち早く自分の力で見つけられるよう啓発していく必要がある。
胸が苦しいと思ったら、あるいはピークフロー値が予測値の80%を下回ったら、大発作の前触れかもしれない、ということを患者に伝え、具体的な行動計画を書面で示しておくことが重要である。
SABAを2吸入ずつ、20分ごとに行い、1時間を目安に判断する。1時間経過しても症状が悪くなるようであれば、直ちに医療機関を受診する。
こうした情報を、正確かつ理解できるように伝える。
喘息日誌
喘息日誌は、内服・吸入の確認、発作の状況やピークフロー値の記入などに使われ、患者自身の喘息の状態を確認でき、吸入薬の使用開始日や終了予定日の把握にも非常に有用である。
インターネットからダウンロードが可能となっており(マインズ)、吸入薬の種類やデバイスに関係なく誰でも活用できる。
セレベントの長期使用は安全か?
以前から喘息の発作止めの吸入剤「β2刺激薬」の使いすぎが喘息死を引き起こすと言われて、現在気管支喘息の主流はステロイドの吸入剤になっています。
発作止めとして使われているβ2刺激薬は「短時間作用型」で使ってすぐに効果が現れる薬です。そうでなければ発作止めとして使えません。
しかし、すぐに効果の出ないβ2刺激薬もあります。
それが「長時間作用型」の吸入剤として知られるセレベントです。
2005年11月アメリカ食品医薬品局(FDA)は、長時間作用性β2アドレナリン受容体刺激薬(LABA)の使用が、重篤喘息の悪化と喘息関連死のリスクの増大に関係していると発表しました。
β2刺激薬の長期連用によってβ2受容体の減少(ダウンレギュレーション)が起こり、発作止めとして使うβ2刺激薬の反応が鈍くなることが考えられます。
セレベントは漫然と使用しない
セレベントは12時間以上作用が持続することからLABAと称されるが、十分な効果の発現までに30分程度を要するため、発作時の使用には適していない。
LABAについてはICSと併用するのが基本であり、症状がコントロールされたら中止するのが原則だ。
最近、成人喘息のコントロール不良例については、ICSを増量するより低用量のICSにLABAを併用したほうがコントロール改善に寄与することが知られるようになり、ICSとLABAの合剤であるアドエア、シムビコートの有用性が期待されている。
しかし、LABAは、小児喘息については成人喘息に比べてエビデンスが乏しく、また米国食品医薬品局(FDA)は喘息死や致死的発作のリスクを上げる可能性を勧告していることから、漫然とICS/LABA合剤を使用せず、コントロールが得られたらICS単独に切り替えるべきでしょう。
長期管理は抗炎症薬を主体に使用すべきで、LABA単独によるコントロールや漫然とした使用は避けるべきです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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