記事
ユーロジンは緑内障に使える?
公開. 更新. 投稿者:睡眠障害.この記事は約1分50秒で読めます.
7,144 ビュー. カテゴリ:睡眠薬と緑内障
抗コリン作用を持つ薬は、房水の排出がスムーズにいかず緑内障を悪化させる可能性がある。
そのため、抗コリン作用をもつベンゾジアゼピン系の薬、睡眠薬、抗不安薬などは緑内障患者への使用に注意が必要である。
以下はベンゾジアゼピン以外も含めて、睡眠薬、抗不安薬の緑内障に対する禁忌の記載を調べたもの。
医薬品名 | 薬効分類 | 持続時間 | 禁忌(緑内障) |
---|---|---|---|
セディール | 抗不安薬(セロトニン1A部分作動薬) | なし | |
ラボナ | 睡眠薬(バルビツール酸系) | なし | |
イソミタール | 睡眠薬(バルビツール酸系) | なし | |
コレミナール | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者〔眼圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。〕 |
リーゼ | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者〔抗コリン作用により,症状を悪化させるおそれがある.〕 |
デパス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者〔抗コリン作用により,症状を悪化させるおそれがある.〕 |
セニラン/レキソタン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
ソラナックス/コンスタン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。] |
ワイパックス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。 |
コントール/バランス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[本剤の弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。] |
メイラックス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。] |
レスミット | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
メレックス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
エリスパン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者〔抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。〕 |
セレナール | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
セパゾン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
メンドン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者〔本剤の抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状が悪化するおそれがある.〕 |
セルシン/ホリゾン | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[本剤の弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。] |
レスタス | 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある] |
リボトリール/ランドセン | 抗てんかん薬(ベンゾジアゼピン系) | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] | |
エリミン | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性閉塞隅角緑内障のある患者〔抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。〕 |
ダルメート/ベノジール | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕 |
ドラール | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 長時間型 | 急性閉塞隅角緑内障のある患者〔眼圧を上昇させるおそれがある.〕 |
ハルシオン | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 超短時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者 |
ユーロジン | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | なし |
レンドルミン | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[眼内圧を上昇させるおそれがある。] |
ロヒプノール/サイレース | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
ロラメット/エバミール | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状が悪化するおそれがある.] |
ベンザリン/ネルボン | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 中間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
リスミー | 睡眠薬(ベンゾジアゼピン系) | 短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。] |
マイスリー | 睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系) | 超短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。] |
アモバン | 睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系) | 超短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。] |
ルネスタ | 睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系) | 超短時間型 | 急性狭隅角緑内障の患者〔眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。〕 |
ロゼレム | 睡眠薬(メラトニン受容体作動薬) | なし | |
ベルソムラ | 睡眠薬(オレキシン受容体拮抗薬) | なし |
ベンゾジアゼピン系の薬が緑内障に禁忌とは言っても、「急性狭隅角緑内障」なので、通常の緑内障ではなく、手術を要するような緑内障である。
そのため、緑内障の目薬を使っているからといって、すぐに使用禁止というわけではないが、眼圧に影響を及ぼす可能性もあるので、眼科医に併用薬を伝えることは必要だろう。
上記の薬のうち、ベンゾジアゼピン系以外の薬が急性狭隅角緑内障に禁忌となっていないのは理解できるが、唯一ユーロジンのみがベンゾジアゼピン系で緑内障に禁忌の記載が無いのを疑問に感じる。
ユーロジンは抗コリン作用が少ないため、緑内障に禁忌となっていないようだ。
緑内障患者にはユーロジンを処方するのが良いかも知れない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。