更新日:2016年3月28日.全記事数:3,079件

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膀胱がん治療にBCG?


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膀胱がん治療にBCG?

膀胱がんに、結核予防のための抗結核ワクチン、「BCG」が使われるらしい。
以前は膀胱を全て摘出する(全摘)必要がありましたが、現在はBCGを膀胱内に注入する治療が第一選択です。

膀胱がんの治療において、癌がまだ初期段階(膀胱筋層に浸潤していない状態)にある場合、「BCG膀胱内注入療法」が行われることが多い。
この治療法は、弱毒化結核菌(BCG)を含んだ液体を膀胱内に注入することで、腫瘍細胞にBCGを取り込ませ、免疫細胞に腫瘍細胞を攻撃させる治療法である。

膀胱内注入用の乾燥BCGは、日本株(イムノブラダー)とコンノート株(イムシスト)の2種類がある。
これを専用の溶解液で希釈し、尿道カテーテルを通じて膀胱内にゆっくり注入した後、2時間程度保持する。
これを通常、週1回実施し8週間繰り返す。
同治療法の機序としては、BCGを取り込んだ腫瘍細胞がBCG抗原または腫瘍特異抗原をT細胞に提示し、細胞傷害性T細胞やマクロファージによる腫瘍細胞の破壊・貧食を促すと考えられている。

また、T細胞が産生する種々のサイトカイン(腫傷壊死因子やインターフェロンなど)が直接的に腫瘍細胞を傷害するといった作用もあるとされる。
このBCG膀胱内注入療法の効果は高く、完全奏効(腫傷の完全消失)がイムノブラダーおよびイムシストのいずれでも、対象症例の7割前後で認められている。
また、膀胱癌の無再発生存期間が、抗癌剤の膀胱内注入療法よりも優れていることが比較試験によって明らかとなっている。

一方、副作用として、排尿痛、頻尿、血尿などの膀胱刺激症状や、発熱、感冒様症状などが高頻度に生じる。
排尿痛が75%、頻尿は63%に生じるなどの報告もあり、抗癌剤の膀胱内注入療法よりも頻度が高い。

このほか、BCG感染にも注意が必要となる。
膀胱内に注入されたBCGが血中移行することで生じる播種性BCG感染では、死亡例も報告されている。
このため、39℃以上の高熱が出る場合や、38℃以上の熱が2日以上続く場合は要注意である。
また、投与局所の膀胱や尿管、腎孟、腎、前立腺、精巣上体などで、局所性BCG感染も生じ得ることを知っておきたい。

BCG膀胱内注入療法の副作用として5%程度に関節炎も認められており、その中で頻度は低いものの重大な副作用として、ライター症候群と呼ばれる疾患が報告されている。
これは、無菌性・非化膿性関節炎を生じるもので、微生物感染を契機とした自己免疫性疾患の一種と考えられている。
症状としては、関節の痛みのほか、結膜炎、非感染性尿道炎、粘膜皮膚病変などを伴い、まれに心病変を示すこともある。

参考書籍:日経DI2015.8

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