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塩化リゾチームは効かない?
公開. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約2分25秒で読めます.
1,496 ビュー. カテゴリ:リゾチーム塩酸塩製剤(商品名ノイチーム、レフトーゼ、アクディーム)、エンピナースP、イソパールPを取り扱う製薬会社各社は2016年3月17日、同薬の販売中止と自主回収を行うと発表しました。
ノイチームは効かない?
ノイチームの用法用量の部分には、
「本剤の体内での作用機序はなお解明されない点も多く、また、用量・効果の関係も必ずしも明らかにされていない。したがって漫然と投与すべきではない。」
と書かれている。
ただの漫然長期投与不可の文言よりもさらに強めの言い回し。
この文言が書かれている薬は、塩化リゾチーム製剤(ノイチーム、アクディーム、レフトーゼ)とエンピナース・Pだけである。
これらの薬も、ダーゼンと同じ末路を辿るのだろうか。(辿ってしまいました)
塩化リゾチームと慢性副鼻腔炎
レフトーゼ、アクディーム、ノイチームといった塩化リゾチーム製剤の適応症は、
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
以前は慢性副鼻腔炎という適応症がありました。
しかし、再評価でその適応症は外れました。
「慢性副鼻腔炎」に係る適応を対象とする試験(LYS-001 試験)では、現在の標準治療であるクラリスロマイシン療法に対するリゾチーム塩酸塩の上乗せ効果について検討しましたが、その有効性を検証することができず、本効能・効果削除の一変申請を行いました。本一変申請の承認後は、本剤を「慢性副鼻腔炎」の適応では使用することができなくなります。
卵白リゾチーム製剤「ノイチーム®」の有効性再評価の臨床試験結果に基づく再評価申請および承認事項の一部変更申請について
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症といった痰がからむ疾患に対してのみ適応が残る。
粘稠性の高い粘液を切りやすくする酵素製剤というイメージから、鼻炎も改善しそうですが、臨床試験で結果を出すことはできなかった。
ダーゼンみたいに販売中止にならずに良かった、のかな。
卵アレルギーの問題もあるし、現在あまり処方を見ない塩化リゾチーム製剤。
しかも、同成分の薬が多いし。
適応が狭まって、どれか撤退することになるのだろうか。
エンピナースが整形外科から処方?
ダーゼン亡き今、そのエビデンスに疑いをかけられ、あまり処方をみかけることが無くなった消炎酵素薬たちですが。
ほぼトランサミンにシェアを奪われ、レフトーゼ、アクディーム、ノイチームの塩化リゾチーム3兄弟をたまに見かける程度。
さらに稀に、エンピナースPカプセル、P錠というのがデッドストックと期限切れを繰り返しながら、気まぐれに処方される感じ。
先日また久々にエンピナースの処方を見ました。
ロキソニンといっしょに整形外科からの処方。
どうせ効かない薬だろ、と軽視していたので添付文書もろくに見ていませんでした。
エンピナースの効能効果をみると、
次の疾患、症状の腫脹の緩解
手術後及び外傷後
慢性副鼻腔炎
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、肺結核
手術後及び外傷後の腫脹の緩解。
整形外科領域の適応症があるのですね。
ダーゼンにもあったような。
ノイチームの効能効果をみると、
「痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難 気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症」
こちらは整形外科では使われ無さそう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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