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腎障害に禁忌の目薬?
公開. 投稿者:緑内障/白内障.この記事は約2分54秒で読めます.
6,826 ビュー. カテゴリ:炭酸脱水酵素阻害薬と腎障害
腎障害に禁忌、という薬はたくさんある。
ここらへんの薬。
注意すべきは外用薬。
内服薬に比べて、体内に入る量は少ないと思われ、安易に処方されがちですが、腎障害に禁忌の薬がある。
目薬だと、トルソプト、エイゾプト、コソプト点眼液。
塗り薬で、フランセチン・T・パウダー、プロトピック軟膏、ブレオS軟膏。
透析患者においては、眼科や皮膚科の処方でも注意しないといけない。
トルソプトの添付文書の禁忌をみると、
重篤な腎障害のある患者〔本剤は主に腎より排泄されるため、体内に蓄積が起こるおそれがある。〕
主に腎臓で排泄されるので禁忌。体内に蓄積される。理屈としてはそうなのだろう。
でも実際、副作用の症状として全身性の副作用は少なく、腎障害があったからといって特別有害事象が増えたという報告は見当たらない。
透析までいってたら、透析で取り除けるだろうし。
炭酸脱水酵素阻害点眼薬
眼圧降下の作用機序は眼房水の産生抑制となります。
毛様体の1番外側の組織(後房側)を無色素上皮と呼びます。
ここにNa+K+ATPaseがあり、後房にNa+を能動的に分泌することにより生じた浸透圧差から、後房にH2Oが輸送されて眼房水となります。
ここで分泌されるNa+はNa+H+交換輸送により細胞内に取り込まれますが、その時に必要となるH+は炭酸脱水酵素の存在の下に作られます。
よって、この酵素を阻害することで、眼房水の産生が抑制されます。
眼房水の産生を抑制する作用を持つため、あらゆる緑内障に使用することができますが、眼圧下降効果が比較的弱いために、他の緑内障治療薬が不十分な時に併用療法として用いられることが多く、適応も「他の緑内障治療薬が効果不十分または使用できない場合の緑内障、高眼圧症」とされています。
塩酸ドルゾラミドとブリンゾラミドが市販されています。
ブリンゾラミドは、点眼時の刺激感を軽減するため懸濁化されており、点眼時に一時的に眼の前が真っ白になるくらいの霧視を生じます。
炭酸脱水酵素阻害薬といえば内服薬のダイアモックス(アセタゾラミド)がありますが、ダイアモックスの禁忌は、
「無尿、急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]」
で、慎重投与に、
「重篤な腎障害のある患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]」
とあり、目薬のエイゾプト・コソプトに比べやや緩い印象を感じる。
使用期間の違いもあるかも知れないが、飲み薬よりも目薬のほうが内臓に悪いということはあまり考えられない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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