2018年7月7日土曜更新.3,290記事.5,379,679文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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血圧の薬は夜飲んだ方が良い?

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血圧は朝上がる?

近年、高血圧治療において問題になっているのが仮面高血圧の存在です。
外来血圧が正常でも、家庭血圧、主に朝の血圧が高い(135/85mmHg以上)患者さんのことを仮面高血圧と呼び、脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクは、持続性高血圧よりも高いことが分かってきました。

朝の血圧が高くなる患者さんには、いくつかのパターンがあることが分かっています。
1つは覚醒前後に急激に血圧が上昇して高血圧に至るモーニングサージ
もう1つは夜間に血圧が下がらないnon-dipper、あるいは夜間に血圧が上昇するriserで、ともに心血管イベントの危険因子になるといわれています。
また、服用している降圧剤の薬効が朝まで持続しない場合にも早朝高血圧は起こります。
そこで、外来で血圧が正常といわれている患者さんに対しても、家庭血圧をきちんと記録し、朝の血圧が高い場合には、主治医に相談するよう、アドバイスすることも大切です。

交感神経と血圧の関係は?

交感神経活性の亢進は、朝の急峻な血圧上昇を誘発します。

この交感神経活性の亢進は、慢性腎臓病、肥満、喫煙・飲酒者、高齢者など、ある特的のタイプの患者さんで生じやすいことが明らかとなっています。

このような高血圧患者さんの治療では、交感神経活性の亢進に伴う早朝高血圧の存在に注意することが必要です。

α1遮断薬によって優れた早朝高血圧の管理に加え、尿中アルブミン排泄量の優位な減少が認められます。

交感神経活性の亢進が危惧される高血圧患者さんに対するα1遮断薬の追加投与は、優れた血圧管理とイベント発生の抑制が期待できると考えられています。

モーニングサージとは?

血圧は日内変動があり、睡眠中は下がり、起床前には当日の活動に備え、交感神経活性が亢進して血圧上昇が起こる。

モーニングサージとは早朝、起床前後に生じる一過性の血圧上昇をいう。
脳血管系事故の発生は、脳出血であれ脳梗塞であれ、朝に最も多く発生し、同様に、心筋梗塞や狭心症などの心血管系事故も午前中に多く、モーニングサージが悪影響を及ぼしていると考えられている。
朝の血圧が高めの早朝高血圧モーニングサージは異なった意味を持つ。

モーニングサージの治療

早朝高血圧とは、早朝の血圧が特異的に高い状態で、夜間高血圧から移行するタイプと朝方に血圧が上昇する(モーニングサージ)タイプがある。

早朝高血圧には24時間持続する長時間作用型降圧薬を使用する。

また、早朝に活性が亢進する神経に対するα遮断薬や、ACE阻害薬、ARBの就寝前投与を行う。

血圧の薬は夜飲んだほうがいい?

降圧剤の用法は「1日1回朝食後」という用法が多い。

通常、血圧は夜間に下降し、早朝覚醒とともに上昇するという日内変動パターンを示します。多くの高血圧患者でも同様の日内変動が認められます。血圧上昇の主要なきっかけは、睡眠-覚醒リズムに基づく「目覚め」です。時間薬理学(血圧降下剤)

基本的に夜間に血圧は下がっているので、日中の血圧上昇を抑えるために朝服用するというのは理に適っている。

一般に、血圧は昼間活動しているときは高く、夜間の睡眠中は低下します。(血圧の日内変動)
特に起床直後は血圧が急上昇し、これをモーニングサージといいます。

モーニングサージは脳卒中、心筋梗塞などの発症に深く関係していて、降圧治療ではモーニングサージを正常な範囲にとどめることが重要です。

怖いのはモーニングサージ。
日中の血圧よりも早朝高血圧を抑えるためには、夜1回の服用のほうが効果的。

それに、最近は通常の血圧リズムを刻まない人も多く、

ジッパー型高血圧

ジッパー:dipper~夜間の降圧が認められる。
ノンジッパー:夜間の血圧下降が少ない。

inverted-dipper(逆ジッパー):昼間の血圧よりも、夜間の血圧が高い。

 ただしジッパー、ノンジッパーの定義はまだ定まっていません。現状では便宜的に、夜間の収縮期血圧が昼間に比べて10%以上下がればジッパー、10%未満の場合をノンジッパーとしています。

 ノンジッパー型高血圧患者では心肥大や腎障害といった臓器障害が進んでいることが多い。また、心血管系の合併症の出現頻度が高いという疫学調査から、ノンジッパーの夜間血圧をどの程度下げるかが議論の的となっています。しかし夜間降圧の消失が臓器障害の原因か、あるいは結果なのかはまだ不明です。

 ノンジッパーはジッパーに比し臓器障害、特に小梗塞病変が有意に多いとされています。また、夜間睡眠時に過度に血圧が低下するextreme-dipperはノンジッパーに比し臓器障害が進んでいることが明らかになっています。

ノンジッパー型にとっては夜間の血圧上昇を抑えて、通常の血圧変動リズムに戻したほうが臓器障害は少なくなる。
降圧剤が夜処方されている患者がいたら、思い出そう。

降圧剤は夜飲んだ方が良いといっても、添付文書上「1日1回朝食後」と服用時点が定められている薬も存在する。
ヒポカ、コニール、カルスロット、カルブロック、アテレック。
これらの薬が1日1回夕食後などの処方で出されたら疑義照会が必要。

危険なriser型

通常、夜間血圧は昼間の血圧に比べて10~20%低下する。

この正常な変動パターンをdipper型と言い、夜間の血圧下降が0~10%しかないパターンをnon-dipper型、逆に夜間血圧が昼間の血圧よりも上昇するパターンをriser型と言う。

riser型は脳、心臓、腎臓などの臓器障害や心血管死のリスクがとりわけ高い。

riser型における脳卒中の危険性は、dipper型やnon-dipper型お2倍あるといわれ、脳卒中の独立したリスク因子とされる。

さらにriser型は、認知症や脳萎縮とも関連している。

riser型の原因には、①心不全や慢性腎不全、食塩過剰摂取などによる循環血液量の増加、②睡眠時無呼吸症候群、不眠、抑うつ状態などによる睡眠障害、③糖尿病などによる自律神経障害、④服薬中の降圧薬の効果減弱、などがある。

早朝高血圧に寝る前のアダラートCRが効く?

血圧には日内変動があり、起床時は交感神経の作用が亢進して血圧が上昇する。
脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントは、早朝に発症するケースが多いことが知られており、早朝高血圧の中でも一過性に急激に血圧が上昇する現象である「モーニングサージ」が、そのトリガーの一つとして注目されている。
早朝高血圧の中には、夜間も血圧が低下しないケースもあるため、早朝高血圧とモーニングサージは、厳密には異なる意味を持つ。
ただ、早朝血圧は家庭血圧で測定されることが多く、24時間血圧測定が一般的ではない現状では、早朝高血圧全般に対応していく必要がある。

早朝高血圧にはアムロジピンよりもアダラートCRがいい?

ニフェジピンCR錠はアムロジピンに比べ、早朝の収縮期血圧を有意に低下させたという研究がある。
ニフェジピンCR錠は、有核2層構造となっており、上部消化管では有効成分がゆっくりと放出され、下部消化管では内核錠から速やかに溶出する。
その結果、ニフェジピンの血中薬物濃度は二峰性を示し、投与約3時間後に最高血中濃度を示した後、12時間後にもなだらかなピークを示す。
ニフェジピンCR錠が早朝血圧を低下させるのは、就寝前(22時前後)に服用すると、降圧効果の2回目のピークが早朝血圧の上昇時に一致するためと推察されている。

ACE阻害薬は夜飲んだほうがいい?

ACE阻害薬の服用時刻を夕方以降にすると空咳は減少し、患者さんのQOLが向上する。
空咳の原因物質であるブラジキニンの概日リズムを見ると、その濃度は朝に比して夕方の方が低いため、ACE阻害薬による空咳の発現が減少すると思われます。

Ca拮抗薬の副作用である下肢浮腫などの発現頻度は、夕方から就寝前に服用した方が少ないというデータがありますので、朝服用している患者さんに副作用が認められた場合には、夕方の服用に変更することで、より安全な治療が行えると思われます。

アジルバは夜間高血圧に効く?

アジルバは、武田薬品工業で開発されたアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤である。
本剤は、外来血圧に加えて、夜間から早朝にかけても優れた降圧効果が認められている。

また、本剤の朝1 回投与で、夜間血圧のタイプが正常型でない患者さんにおいて、血圧変動を正常型へと近づけることが確認されており、血圧の質の改善も期待されている。

本邦以外では、2012年1月現在、承認を取得していない。

武田薬品はアジルバをARBブロプレスの後継品との位置づけ、対照薬のブロプレス(カンデサルタンシレキセチル)より統計学的に有意な降圧効果を示したという。同社では、効果が「強い」や「凄い」との意味合いを込めて、アジルサルタンを「スーパーARB」と呼称している。

Dipper型高血圧よりもNon-dipper型高血圧は危険?

一般に夜間血圧は昼間に比べて10~20%低下する。

この生理的な夜間降圧を示すものをdipperと呼ぶ。
これに対して夜間降圧が10%未満のものをnon-dipper、この中で夜間血圧が昼間血圧を上回るものはriserと呼ばれる。

また10~20%程度の生理的な夜間降圧を超えて、昼間に比べて夜間に20%以上の降圧を示すものはextreme dipperとしてdipperとは区別される。

これらの血圧の日内リズムが破たんした、夜間血圧が低下しないnon-dipperや、逆に夜間血圧が上昇するriserでは、正常リズムのdipperに比べて心血管イベントや高血圧性臓器障害のリスクが上昇すること、また、生理的範囲を超えて増強した血圧モーニングサージも心血管や脳血管障害のリスクとなることが明らかにされている。

Dipper型高血圧

通常の血圧日内変動があり、夜間血圧が昼間の覚醒時に比較して、10%以上夜間に下降する高血圧のこと。

減塩や利尿薬から開始する。

Nonーdipper型高血圧

夜間血圧が低下せず(10%未満)、血圧日内変動が消失している高血圧である。

nonーdipper型は、dipperよりも脳、心、腎の高血圧性臓器障害が進行しており、心血管事故のリスクが大きい。

減塩や利尿薬、また、複数の降圧薬を投与しているときは、1剤のみを就寝前投与に変更する。

参考書籍:日経DI2014.11、クレデンシャル2011.11、日経DI2012.8

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