2018年6月24日日曜更新.3,289記事.5,378,270文字.

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SSRIと三環系抗うつ薬の違いは?

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SSRIの登場以前、うつ病に頻用されていた三環系抗うつ剤は、口渇、便秘、尿閉などの抗コリン系副作用や、不整脈などの循環器系副作用が問題になるほか、大量服用で死に至る危険性があり、専門医でなければ扱いにくい薬剤だった。

SSRIは、それに比べて「抗コリン系や循環器系の副作用が少なく使いやすい」との評判が広がり、処方頻度が急速に高まっていった。

従来薬と新世代薬の違い

約50年前に登場した三環系抗うつ薬も、主たる作用はノルアドレナリン再取り込み阻害作用なのです。

また、セロトニンに関連して作用することも同じなのですが、従来薬ではうつの原因としては直接関係ない他の神経伝達物質にも影響してしまいます。

これが副作用の発現にも大きくかかわっているのです。

つまり、従来薬と新世代薬との違いは、「その他の神経伝達物質への影響の大きさ」の違いなのです。

セロトニンやノルアドレナリン量の調節に関連した部分に、より親和性(結合しやすさ、くっつきやすさ)が高く、その他の神経伝達物質に関連した場所には親和性が低いという特性を「選択性」といいます。

新世代の抗うつ薬はこの「選択性」により、副作用や毒性が大きく軽減されたという点が特徴なのです。

今、世界的には新世代の抗うつ薬を第一選択にする治療が主流です。

では古くからある三環系、四環系抗うつ薬は、もう出番がないのでしょうか。

そんなことはありません。

三環系、四環系の抗うつ薬はどちらかといえば副作用が目立つという意味で二番手になりがちですが、効果が低いという意味ではありません。

抗うつ効果は早くに発現されるといった研究結果や、難治例、重症例には従来薬のほうが効果が高いと評価をする研究報告もあります。

ですから、抗うつ薬はどれが一番よいというのではなく、個々の症例に合わせて選択していくようにします。

SSRIは副作用が少ない

長い歴史をもつ三環系抗うつ薬は第一世代に分類されますが、神経細胞間のシグナル伝達が行われるシナプスにおいてモノアミンの再取り込みの阻害に加えて、いくつかのモノアミン受容体への親和性も有するために、抗うつ作用に加えて多様な生理作用を発現します。

また、アセチルコリン受容体の阻害作用を示すことから、いわゆる「抗コリン作用」を示し、副作用として問題視されてきました。

抗コリン作用とは、口渇、眠気、めまい、吐き気、胃腸の運動抑制による食欲不振、便秘、排尿困難、動悸等の症状を指します。

三環系抗うつ薬はいくつものモノアミン受容体に作用するために抗うつ作用は強力で、1.意欲亢進、2.気分明朗化、3.不安解決・鎮静等の生理作用を示します。

四環系抗うつ薬は三環系の抗コリン作用等を抑える目的でつくられましたが、若干作用が弱い傾向にあり、選択性もあまり高くなってはいません。

SSRIは、シナプス前膜から放出された神経伝達物質であるセロトニンのシナプス前膜への再取り込みを行うセロトニントランスポーターを阻害することによって、シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させ、後膜に存在するセロトニン受容体へのセロトニン結合を促進して、セロトニンの作用を増強します。

結果的に、抗うつ作用を示すわけです。

参考書籍:ファーマトリビューン2011.12

三環系抗うつ薬よりSSRIのほうが使いやすい

三環系抗うつ薬は、ムスカリン性アセチルコリン受容体、α1及びH1受容体の阻害作用が強いです。

このため、ムスカリン性アセチルコリン受容体阻害作用に起因する口渇、便秘、排尿困難及び眼圧上昇、α1受容体阻害作用に起因する起立性低血圧、H1受容体阻害作用に起因する鎮静作用などの副作用発現率が高いです。

そこで、三環系抗うつ薬とは異なり、これら受容体の阻害作用が非常に弱く、副作用が少ないSSRIが多くの指示を受けています。

SSRIと三環系抗うつ薬の違い

SSRIは三環系抗うつ薬と同程度の効果を有し、かつ副作用が少なく、安全性の高い薬剤であると評価されています。

SSRIは強いセロトニン再取り込み阻害作用を示すにも関わらず、抗コリン作用やα1受容体阻害作用をほとんど示しません。

これに対して、三環系抗うつ薬ではセロトニン再取り込み阻害作用とほぼ同じ強さで抗コリン作用が発現します。

三環系抗うつ薬では、鎮静作用が強いため、服用後に眠気の副作用が高頻度で認められます。

患者が抗うつ薬による副作用のために服用を中断するケースや十分な服用量が維持できず治療効果が得られないケースも少なくないという現状があります。

SSRIと三環系抗うつ薬の併用?

ルボックスと三環系抗うつ薬

イミプラミンなどの三環系抗うつ薬の代謝にはCYP2D6をはじめ、CYP1A2、CYP3A4、CYP2C19も関与していると考えられているため、ルボックスとの併用によりこれらの薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられます。

イミプラミンを服用中のうつ病患者を対象とした海外臨床試験において、ルボックス併用中のうつ病患者を対象とした海外臨床試験において、ルボックス併用中のイミプラミンの血中濃度は、併用前および併用後に比べ、有意な上昇が認められています。

アミトリプチリン、クロミプラミンも同様です。

従ってルボックスとイミプラミンなどを併用する場合は、イミプラミンの用量を減量するなどの注意が必要です。

参考書籍:クレデンシャル2009.6

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