更新日:2016年3月20日.全記事数:3,169件.

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部分発作と全般発作の違いは?


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てんかんの分類

てんかんを大きく分けるとまず、部分発作と全般発作に分けられます。
部分発作=脳の過剰興奮が脳の一部分から起こる発作。
全般発作=脳全体が一気に過剰興奮状態となって起こる発作。
そして部分発作は、単純部分発作と複雑部分発作に分けられます。

部分発作と全般発作の違い

てんかんの発作には大きく分けて、全般発作と部分発作があります。
全般と聞くと、全身に起きるイメージ。
部分と聞くと、手や足など部分的に起きるイメージ。

<全般発作>
発作のはじめから、脳全体が「電気の嵐」に巻き込まれるもので、意識が最初からなくなるという特徴がある
<部分発作>
脳のある部分から始まる発作

体の全般、部分ということではなく、脳の全般、部分という意味です。

発作のもとになる電気的異常を起こす部位を「焦点」といいます。
その焦点が、脳のある一部分で発生してその周辺に限局する場合を①部分発作といい、電気的異常が一部にとどまらずに脳全体に波及する場合を②全般発作といいます。

なぜ部分限局でとどまる発作と広範囲に波及する発作になるのかは解明されていません。

①部分発作は、意識消失を伴わないものを「単純発作」、意識消失を伴うものを「複雑部分発作」といいます。

②全般発作は、脳全体が一時的に機能を失うため、多くの場合に意識消失を伴います(稀に意識消失がないケースも存在します)。全般発作は大きく分けて小発作(欠伸発作)と大発作(強直間代発作)に分けられます。

小発作の特徴は、非常に短い時間(数秒ほど)の意識消失です。

そのときは口を開けて一点を凝視するような、いわゆる「ぽかん」とした表情をしています。

本人は当然のこと、周りも発作とは気づかないことが多くあります。

この発作は幼少時によく起こるのですが、この発作をみて注意散漫な子どもということで片付けられている場合も少なくありません。

大発作は、脳全体に電気変化が波及し(全般性)、筋肉が硬直(強直)し、律動的(間代)にけいれんを起こす発作です。

一般的なてんかん発作のイメージはこの大発作ではないでしょうか。

急激に全身の筋肉が強直する際、腹筋と肋間筋が締まり、腹腔内圧が上がり空気が一気に押し出されるため、発作時にうめくような叫び声になることがあります。

その後転倒し、次いでけいれんがはじまります。

筋強直とけいれんにより呼吸が止まるためチアノーゼが起こりますが、発作は数分で治まります。

多くは脱力後に意識のない状態で、ため息のような声を伴った大きな呼吸をします。

また、尿・便失禁がみられる場合があります。

部分発作

発作が大脳の一部から始まるもの。

単純部分発作:意識障害がなく比較的単純な症状を呈するもので、身体の一部の運動発作、身体感覚発作、視覚や聴覚などの知覚発作、自律神経発作、精神発作などがある。

複雑部分発作:意識混濁があり、それに様々な部分発作が加わるもの。

二次性全般化発作:単純部分発作、複雑部分発作から始まり、全身発作痙攣発作に伸展するもの。

単純部分発作と複雑部分発作

部分発作のうち、発作時に意識のある(発作時のことを覚えている)ものを単純部分発作といい、意識のない(発作時のことを覚えていない)ものを複雑部分発作といいます。

単純部分発作

従来、「前兆(アウラ)」と呼ばれていたものです。
意識レベルが変容せず、発作症状の記憶が完全に残っていて、発作現象について本人が追想できます。
症状としては、例えば、何か変な感じ、背後から襲われるような恐ろしい感じなど、あるいは上腹部から何かが上の方へ込み上げて来るような感じなどです。

全般発作

発作が両側大脳全体に起こるもの、意識障害で始まる。

欠伸発作(小発作):短時間の意識消失だけが見られるもの。

ミオクロニー発作:四肢の痙攣を伴うもの。

強直性/間代性および強直間代発作(大発作):全身を硬直させ(強直発作)、ガクガクと全身が痙攣する(間代発作)もの。

脱力発作:筋緊張の低下が起こり倒れ込むもの。

てんかんの第一選択薬は?

部分発作に対しては、テグレトール(カルバマゼピン)が第一選択薬です。
カルバマゼピンで副作用がみられた場合には、デパケン(バルプロ酸)かフェニトイン(またはラモトリジン)で治療することが推奨されています。
全般発作に対しては、デパケンが第一選択薬です。
デパケンが副作用で使えない場合には、その発作型、てんかん症候群に応じて薬剤を選択します。
エトスクシミド(またはラモトリジン)は欠神発作に推奨されます。
クロナゼパム(またはラモトリジン)はミオクローヌス性発作、脱力発作に推奨されます。

抗てんかん薬の効き方は年齢によって違う?

カルバマゼピンを除く抗てんかん薬の吸収速度は、成人より乳児や幼少児の方が速いといわれ、また抗てんかん薬の半減期は生後1~3週間の新生児期は極めて長く、その後生後2~3ヶ月にかけて短縮するようです。
さらに思春期は代謝速度が低下するため、体重が増加するにもかかわらず過量投与が多く発現するといわれています。
一方、バルプロ酸では幼少期の方が成人よりもクリアランスが大きいため、投与量に対する血中濃度は低くなります。

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