更新日:2016年12月31日.全記事数:3,168件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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甘草は1日5gまで?


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甘草の1日最大量は?

甘草はほとんどの漢方薬に配合されている生薬です。
医療用漢方エキス製剤のおよそ7割に甘草が配合されています。

1日の最大許容量は5グラムが目安とされています。
ミオパシーや低カリウム血症の人は1日2.5gまで。

漢方薬に配合されている甘草の1日量は3g(グリチルリチンとして120mg)以下のことが多いです。
芍薬甘草湯にはすでに1日量で甘草6g配合されているので、連用してはいけません。

偽アルドステロン症とは?

甘草の大量摂取で問題となるのは、偽アルドステロン症です。
偽アルドステロン症とは体液バランスの異常です。

その名の通り、偽のアルドステロン症、アルドステロンが過剰分泌していないにもかかわらず、過剰分泌されているような状態を示す病気です。
発症機序は、グリチルレチン酸により11βHSD2という酵素の活性が抑制され、過剰となったコルチゾールがミネラルコルチコイド受容体、略してMRを介して、ミネラルコルチコイド作用を発揮することにより、偽アルドステロン症が生じるとのこと。

甘草1gにグリチルリチン約40mgが含まれています。
グリチルリチンは1日300mg(甘草7.5g)になると副作用上昇。

グリチルリチンとして、75~150mg以下の少量摂取での副作用発現の報告もあり、とくに高齢者や腎機能の低下が見られる患者さんでは注意が必要です。

甘草を多く含む漢方薬は?

甘草湯 8.0g
芍薬甘草湯 6.0g
甘麦大棗湯 5.0g
小青竜湯 3.0g
人参湯 3.0g
炙甘草湯 3.0g
排膿散及湯 3.0g
芎帰膠艾湯 3.0g

1日最大配合量がグリチルリチン酸として40mg以上又は甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)の一般用医薬品の使用上の注意に追加記載する事項

(1)次の人は服用前に医師、薬剤師に相談すること。
1)血圧の高い人又は高齢者
2)心臓又は腎臓に障害のある人
3)むくみのある人
4)医師の治療を受けている人医薬品情報21 » Blog Archive » 「甘草の1日最大許容量について」

グリチロン配合錠1錠中には、グリチルリチン酸が25mg入っています。1日量9錠とした場合、225㎎。
芍薬甘草湯1日量6g中には、グリチルリチン酸が240mg入っています。

甘草と偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、甘草を含む漢方薬を長期大量投与したときに現れることが報告されている。
本症は、投与開始から10日以内から数年以上の投与において発症しており、発症時期に一定の傾向は認められない。

ただし、3ヶ月以内に発症例が約40%を占めており、とくに注意を要する期間である。
症状としては、ナトリウム貯留、カリウム排泄促進が起こり、低カリウム血症となり尿量の減少、浮腫、高血圧、四肢麻痺などがみられる。

本症は、女性に発症が多く、個人の体質的要素も関与するとの見解もある。
しかし、60歳以上の高齢者に芍薬甘草湯を1ヶ月以上連用する場合は、発症のリスクが上がることも報告されている。

偽アルドステロン症の症状は?

したがって、甘草を含む漢方薬を長期大量投与している患者には、副作用としてむくみや四肢の麻痺・脱力感・けいれんおよび頭痛の発現について説明し、そのような自覚症状が現れた場合には、速やかに連絡するよう伝えておく必要がある。

四肢の麻痺・脱力感・けいれんの頻度が約60%ともっとも多く、本症の発見の契機となる。
また、家庭用血圧計の普及や医療施設での血圧計の設置により血圧測定も容易となった。

患者自身が、血圧を頻回にモニタリングすることも本症の発見に有用な方法である。
高血圧の発現頻度は、自覚症状に次いで多く35%を示す。

一方、自覚症状もなく本症の発見に至る場合もあり、血清カリウム値の測定は甘草を含む漢方薬を連用している患者では必須な検査である。
検査の実施時期として、投与開始時、あるいは投与量変更時には1ヶ月以内、その後の維持期では3~6ヶ月に1回の測定が推奨されている。

低カリウム血症は、血清カリウム値が3.5mg/dLまたは投与前の値より低下した場合を判断基準とする。
偽アルドステロン症の判別基準としては、血清カリウム値の低下や血圧上昇とともに低レニン低アルドステロン血症が生じ、原因薬剤の中止により正常化した場合に副作用と診断される。

偽アルドステロン症の発症機序は?

偽アルドステロン症は、甘草に含まれる主成分のグリチルレチンのアグリコンであるグリチルレチン酸の副作用である。
グリチルリチンは2分子のグルクロン酸配糖体であり、そのままでは消化管から吸収されず、消化管内の腸内細菌により加水分解されグリチルレチン酸となり吸収される。

グリチルレチン製剤を経口投与した場合には、グリチルリチンは検出されていない。
慢性肝炎治療のためグリチルリチンは、静注または経口で連日長期投与されるが、本症の発症は、静注より経口投与に多くみられることから、甘草を多く含む漢方薬の長期投与では発症のリスクが高まると考えられる。

グリチルレチン酸は、コルチゾールからコルチゾンへの転換に作用する11β水酸化ステロイド脱水素酵素を阻害する作用をもっている。
この酵素がグリチルリチン酸の大量摂取時に障害されることでコルチゾールの代謝が抑制され、尿細管の鉱質コルチコイド受容体に作用してナトリウムの再吸収を促進させカリウム排泄を増加させるため、低カリウム血症を生じやすくなる。

参考書籍:薬局2007Vol58

甘草は1日2.5gまで?

甘草は漢方製剤の約70%に含まれ、もっとも使用頻度の高い生薬の一つである。

甘草による偽アルドステロン症は有名で、血圧上昇、低カリウム血症、末梢性浮腫、ミオパチーをともなうとされる。
近年複数の漢方製剤の併用投与が行われるようになり、それぞれに含有される甘草の合計が過量となる場合も少なくない。

ガイドラインでは1日摂取量が2.5gを超えないことを基準としているが、漢方製剤一種ですでに一日量3gに達するものもあるので、臨床家は十分に留意すべきである。
ただ甘草に対する反応は個人差が大であり、なかなか一律に考えるわけにいかないのが現状である。

同様にカリウムを低下させる利尿剤との併用時は、とくに副作用出現に留意する必要がある。
わが国で消費される甘草の95%が食品の矯味料としてであることを考えると、低カリウム血症と診断した場合には、漢方以外の甘草の摂取の可能性を検討しなければならない。

芍薬甘草湯を長期服用しちゃダメ?

芍薬甘草湯は、その名の通り、芍薬と甘草の2つの生薬構成で成り立っています。
どちらも鎮痛、鎮痙、鎮静作用などがあり、併用することで作用が増強することから、漢方薬の鎮痛剤として知られています。

芍薬甘草湯は甘草の含有量が多い製剤であり、甘草の副作用として、偽アルドステロン症、低カリウム血症、ミオパシーなどがみられることがあります。
したがって、芍薬甘草湯は、一般的には頓服で用いるか、あるいは他の方剤と併用するほうが望ましいでしょう。

しかし、臨床的には長期服用に際しても、実際には、上記のような副作用が認められることはほとんどまれですが、やはり長期服用のケースにおいては十分な経過観察が望ましいと思われます。

場合によっては、方剤のバランスをとるため白朮、茯苓などの利水薬の配合も必要であるかと考えます。
なお、芍薬の性質は寒であり、本剤は芍薬の含有量も多いことから寒証の患者に対する長期連用には注意が必要です。

そのため、寒証の人で、手足などが冷え同様な痛みを呈する人には附子を加味した芍薬甘草附子湯を用いるほうがよいでしょう。

仁丹で低カリウム血症?

仁丹には甘草が入ってます。

仁丹の成分:甘草、甘草粗エキス末、阿仙薬、桂皮、和桂皮、茴香、生姜、丁字、縮砂、益智、木香、薄荷脳、桂皮油、丁字油、甘茶、香料

低カリウム血症に注意です。

仁丹の習慣的使用による偽アルドステロン症および低カリウム血症の発症例も報告されています。
フリスクをバリボリ食べてる人もいますが、仁丹を同じように食べるのは危険かも。

仁丹は口中清涼剤?

仁丹ってよく聞きますが、何の薬なのか知りませんでした。
「仁丹は、森下仁丹から発売されている口中清涼剤である。」byウィキペディア

口中清涼剤。口臭予防薬。ブレスケア。

フリスクみたいなものか。
懐中薬。ポケットの中に入れる薬ってこと?

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コメント

  1. 時々、10分ほどの胸痛の発作に悩まされていました。
    とうとうある日、30分経っても治らず、ハンドルに突っ伏して自分で運転して夜間救急へ着くと、待合での血圧が上が180代を看護師さんが言ったので、いよいよ死ぬんじゃないかという程具合が悪く、胸も痛み、呼吸が乱れて、手足が痺れ、だんだん全身や顔面さえも痺れ始めましま。診察台に乗る頃には、先生、全身が痺れます!とパニックを起こしていました。先生が過呼吸なってるから息を止めて。とおっしゃり、息を止めたものの、いよいよ全身の痺れも違和感も酷いので、息を止めたら本当に死にそうです!と叫んでいたところ、気絶しました。気がつくと点滴を受けていて、落ち着き、胸痛もなく、血液検査で心筋梗塞は否定的と帰されました。翌週、外来で循環器内科を受けたものの精神的なもので心疾患はないと、帰されました。体調不良にも関わらず、異常がみつからない。なにか手がかりが欲しくてカルテ開示をし、一時的に異常な心電図になったことが残されていました。心電図のサイトをあちこち見て、U波というのがあることを見つけ、そこから低カリウム血症だったのかもしれないと分かりました。また、心筋梗塞ではなかった血液検査でカリウムは下限ギリギリの数値と、尿素窒素にLがグルコースにHマークがあり、腎臓機能が悪くなっていたのではと調べて行きあたりました。当時私は心療内科で処方された抑肝散、柴胡加竜骨牡蛎湯、甘麦大そうとう、しゃく甘草湯、を朝、寝る前二回パロキセチン寝る前一回飲んでいました。具合が悪く、病院に行きたいが運転もできず寝ていると心療内科に電話したところ、同情してくださり、封書で処方箋を送ってくださりました。当帰芍薬散と黄蓮解毒湯を頓服で28ずつでした。電話で聞いた次回予約日に、体調が悪くキャンセルの電話をしたところ、予約は入ってないとのことで、前回予約を最後に予約はないと受付さんに言われて、無理して通院することなく、寝たり起きたりの不調な生活を続けてきたところ、気づけば胸痛が起きなくなっていました。コーヒーを2杯飲むと胸がゾワゾワしますが、胸痛は起きません。ストレスによる体調不良で通院し、体調悪化で処方箋が増え、せっせと飲んでいました。飲んでも飲んでも体調悪化で、また処方箋が増えた結果、通院をやめて治る不思議に、擬性アルドステロンとの情報に行き着きました。私の受けていた処方箋は多すぎたのでしょうか?処方をしてくれていた薬局に問い合わせをした所、範囲内とのことと、医者にちゃんと疑問も話すべきと通院を勧められました。翌日から3日間は心療内科から着信が入り、体調不良で診察合間の医師と電話で同情され処方箋まで送ってくださったのに、通院しない間は一度も問い合わせの電話もありませんでした。電話に出てしまえばまた、通院するのかもしれません。五年程抑肝散を処方されて来た発達障害ぎみの性格です。昨年夏から精神通院支援の手帳交付を受けて、処方箋が増え、支払いは1000円を切るようになりました。考えすぎだと保健所の相談窓口には言われています。夜間救急で駆け込んだ病院の循環器内科、泌尿器科も異常なしと言われ、漢方で異常が起きるとは否定的です。本当に困っています。

    田端 美登利:2017/6/23

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名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
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