更新日:2015年11月17日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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血液が固まるまでの時間は?


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血液が固まるまでの時間は10秒?

血液が固まるまでの時間をプロトロンビン時間といいます。

血液が凝固するまでの時間は、通常10~13秒です。

15秒以上かかると明らかに異常で、まず第Ⅴ因子欠乏異常症などの先天的な病気が考えられます。

ワーファリンを飲んでいるときも血液は固まりにくくなるので、プロトロンビン時間は16秒から20秒程度になります。

25秒以上になると出血傾向が出る可能性があります。

トロンボテストは時代遅れ?

血栓症予防におけるワーファリン投与中の凝固能のモニタリングとして、日本ではトロンボテストが古くから使われてきました。

しかし、現在ではPT-INRが主流になっています。

PT-INRだと、施設間で差が無く、国際比較が可能であるからです。

血液の固まりにくさが正常の2~3.5倍、INRが2~3.5が、ワーファリンの適正量とされ、4以上になると出血の危険が増すといいます。

トロンボテストでは正常を 100とし、その20%前後の固まり具合が適性とされています。

ワーファリンのモニタリング

ビタミンK依存性凝固因子のうち、Ⅱ、Ⅶ、Ⅹ因子は活性低下によりプロトロンビン時間が延長することが知られており、ワルファリンのモニタリングではプロトロンビン時間が測定される。

現在は、プロトロンビン時間を国際感度標準指標に変換したPT-INR(プロトロンビン時間 国際標準比)が使用され、ワルファリンによる抗凝固療法のコントロール推奨値は一般にPT-INR=2.0~3.0とされている。

ただし、70歳以上の高齢者などで出血の合併症のおそれがあるときにはPT-INR=1.6~2.6とすることとされる。

INR値が大きくなるほど出血傾向が高まることとなり、医療の現場では1.5前後を目標とすることもあるといわれるが、一方、脳卒中の専門医では1.6以下にすべきではないとの指摘もある。

薬剤師は患者に対し、積極的にINRを確認すべきである。

ワルファリンコントロールにPTが使われる理由は

ワルファリンコントロールにAPTTではなく、PT(PT-INR)が使われる理由は、外因系凝固因子である第Ⅶ因子のワルファリン感受性が最も高いためです。

わが国では、PTのほかトロンボテストという検査法も用いられています。

ワルファリンはビタミンK拮抗薬ですが、この薬剤によって活性低下する凝固因子は、外因系の第Ⅶ因子、内因系の第Ⅸ因子、共通系の第Ⅹ因子とプロトロンビン(第Ⅱ因子)です。

なかでも、2~5時間の半減期をもつ第Ⅶ因子の活性がまず最初に低下します(第Ⅸ因子の半減期は約1日、第Ⅹ因子は1~2日、プロトロンビンは3~5日)。

PTは外因系・共通系凝固因子の検査ですから、ワルファリン服用による第Ⅶ因子の活性低下に敏感に反応します。

なお、PTは試薬や測定機器による数値の変動がありますので、PT-INRという標準化された数値で表すこともあります。

基準範囲は1.0±0.1でPTが延長するほど数値は高くなりますが、ワルファリンコントロールをする際は、おおむね2.0~3.0の範囲で行うことが多いようです。

また、ワルファリンコントロールを目的として開発された検査法に、トロンボテスト(TT)というものがあります。

測定原理はPTとほぼ同じですが、試薬中にウシ組織因子、第Ⅴ因子、フィブリノーゲンなどが含まれており、ビタミンK依存的凝固因子の感受性が高められているのが特徴です。

わが国では広く用いられていますが、高価なことから日本以外ではほとんど流通していません。

TTによる測定値も、世界で(論文発表などに)使用する場合やTTを行っていない医療施設で使う場合には、PT-INRに換算する必要があります。

参考書籍:調剤と情報2012.2

欧米人と日本人では至適PT-INRが異なる?

欧米人と日本人では至適PT-INRが少し異なるという報告があります。

欧米では、機械弁置換術後や心房細動患者はPT-INR2.0~3.0を目標とし、心房細動を合併した機械弁置換術後例ではPT-INRを2.5以上に強化するといわれています。

しかし、日本人の機械弁置換術後例では欧米より低いPT-INR(1.5~2.5)であっても血栓塞栓の発生率が低く(0.8%/年5))、PT-INR2.5~3.5では出血性合併症の頻度が高いという報告があります。

心房細動についても日本人ではPT-INR2.6以上だと出血性合併症の頻度が高くなるという報告があります。

INR

INR=(被験者の血漿のPT(秒)/正常対照血漿のPT(秒)×ISI)

出血などにより外因系凝固経路が活性化されると、組織トロンボプラスチンが産生される。

一方、肝臓ではプロトロンビンが産生され、循環血中に放出された後、トロンビンとなり、トロンビンによってフィブリノゲンがフィブリンとなって凝固が完成する。

プロトロンビン時間(PT)は外因系凝固経路の活性化から凝固が完成するまでの時間をいい、外因系凝固異常の検出に用いる。

具体的検査法としては、被験者の静脈血漿にカルシウムと組織トロンボプラスチンを加え、凝固時間を測定する。

また、INRは、被験者血漿のPT/正常対照血漿のPT(PT比)を国際感度インデックス(ISI)で補正した国際標準単位をいう。

ISI値で補正する理由は、検査に用いる組織トロンボプラスチンは、生物由来製剤であり、試薬間や施設間でばらつきがあるため補正する必要があるからだ。

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