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ネリプロクト軟膏は1週間分しか処方しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:便秘/痔.この記事は約2分13秒で読めます.
9,392 ビュー. カテゴリ:ネリプロクト軟膏は1週間まで?
痔の薬にも処方日数制限ってあるの?
個別指導の指摘事項を見ていたら、「投与期間の上限が設けられているが、その上限を超えて投薬されているもの」として、
「ネリプロクト軟膏の1週を超える投与」という記載がみられた。
なんか、ざらにありそうな処方ですが。
ネリプロクト軟膏の添付文書には、
「本剤での治療は対症療法であるため,概ね1週間を目処として使用し,その後の継続投与については,臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に行うこと.」
と記載されており、やはり1週間を目途として使用しなければならない。
1日2回なので、1回あたり14本が限度となる。
ネリプロクト坐剤にも同様の記載がみられる。
しかし同様の痔治療薬である強力ポステリザンにはそのような記載はみられない。
強力ポステリザンなら出し放題なわけだ。
プロクトセディル軟膏にも書いていない。
この違いは何か。
ネリプロクトに含まれるステロイドはジフルコルトロン吉草酸エステル。
ネリゾナである。ベリーストロング。
強力ポステリザン、プロクトセディルに含まれるステロイドはヒドロコルチゾン。
エキザルベである。ウィーク。弱。強力じゃねーじゃん。非強力ポステリザン。無力ポステリザン。
ネリプロクト軟膏に含まれるステロイドは強力なので、連用に注意すべきというわけであります。
ポステリザン軟膏と強力ポステリザン軟膏の違いは
ポステリザン軟膏は、大腸菌死菌浮遊液を主成分とした油脂性の軟膏である。
適応は痔核・裂肛の症状緩解、肛門部手術創である。
大腸菌死菌には、白血球の遊走能を高めて、局所の感染防御や肉芽形成を促進する作用があり、その作用により創傷治癒が促進されると考えられている。
一方、強力ポステリザン軟膏には、大腸菌死菌に加え、ヒドロコルチゾンが追加されており、適応にはポリテリザン軟膏と同じ内容に加え、肛門周囲の湿疹・皮膚炎、軽度な直腸炎の症状緩解もある。
強力ポステリザン軟膏の規格には、 2g入りの1回使い切りタイプと、30g/本の2種類がある。
一方、ポステリザン軟膏は25g入りチューブのみが販売されている。
このほか、ポステリザンF坐薬という剤形もある。
大腸肛門科などを標傍し、痔の治療に慣れている診療科であれば、これらの薬剤を選び間違える可能性は少ないと考えられるが、処方頻度の低い医師の場合は、選択を間違えることがある。
強力ポステリザン軟膏の使用方法としては、肛門内に挿入する場合はノズル部分のみを入れて使用するよう指導する。
あらかじめ軟膏を少量押し出し、ノズル周囲に塗布しておくと肛門内に挿入しやすくなる。
チューブ内の軟膏が出過ぎることがあるため、1度に強く押さないようにし、2~3回に分けて圧を掛けるとよい。
軟膏は常温保存であり、冷蔵庫で保管する必要はないが、高温になる場所に置くことは避ける。
逆に、気温が下がった冬場などで軟膏が固くなっている場合は、使用する前に手で温めたり、飛び出ない程度に揉むと使用しやすくなる。
参考書籍:日経DI2015.5
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