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不育症とアスピリンの関係
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約1分16秒で読めます.
3,472 ビュー. カテゴリ:不育症とアスピリン

妊娠しても、赤ちゃんが妊娠22週未満で育たずに亡くなることを「流産」、22週以降で亡くなる場合は「死産」と呼びます。
これらを2回以上繰り返す状態は「不育症」とされ、妊娠を継続し出産に至ることが難しいケースです。
厚生労働省の調査によると、女性の約6〜7%、16人に1人が不育症に該当するといわれています。
不育症の背景には以下のような要因があります。
分類 | 主な原因 |
---|---|
胎児側 | 染色体異常(もっとも多い) |
母体側 | 子宮形態異常、内分泌異常、血液凝固異常、免疫異常(抗リン脂質抗体症候群)など |
その他 | 不明なケースも多い |
このうち、抗リン脂質抗体症候群や凝固因子異常といった「血液が固まりやすくなる体質」がある方には、低用量アスピリン療法が用いられることがあります。
アスピリンが使われる理由
妊娠中に血栓ができやすい体質では、胎盤への血流が滞り、赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなることがあります。
この血流障害を防ぐ目的で、血液を固まりにくくするアスピリンが処方されることがあります。
一般的な使い方は以下の通り。
使用されるのは低用量のアスピリン(1日60~100mg)
妊娠を希望する周期の排卵後(高温期)から服用を開始
妊娠が成立したらそのまま継続
しかし、アスピリンは「出産予定日12週以内の妊婦」に禁忌の薬剤でもあり、慎重に投与すべき薬です。
妊娠後期にアスピリンを続けることで、まれに「胎児動脈管の早期閉鎖」などのリスクが報告されているため、医師の判断に従って中止時期を決定します。
アスピリン療法は、すべての流産に効くわけではなく、特定の病態(抗リン脂質抗体症候群や凝固異常)に限り有効です。
染色体異常による自然流産などには効果がありません。
そのため、検査で体質や原因を明らかにし、専門医の指示のもとで治療を行うことが大切です。
1 件のコメント
通院しているHPの返答で良いか確認したかったので、助かりました。ザックリ同じでしたので安心感できました。
教えて頂きまして、ありがとうございました!