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SU剤は長く飲んでると効かなくなる?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分7秒で読めます.
6,861 ビュー. カテゴリ:SU剤の二次無効
SU剤の二次無効って何?
SU剤の効果が、飲み始めた頃に比べ、長期に飲み続けていると、効果が薄れてきたり効かなくなってくることがあります。この現象を、SU剤の二次無効といいます。
初めから効かないのが、一次無効。だんだん効かなくなってくるのが、二次無効。
経口血糖降下薬であるスルホニルウレア剤(SU剤)の効果がはじめから得られない場合を一次無効、開始当初は効果があったにもかかわらず、継続使用により血糖コントロールが不良となり、効果が得られなくなる場合を二次無効という。
この場合、他の薬に切り替えたり、他の薬を併用したり、インスリン注射に移行するという方法が取られる。
しかし、この現象はSU剤に限ったものではない。
長期にわたって高血糖状態が継続すると、β細胞の働きが弱ってしまい、インスリンを分泌する働きが低下すると考えられている。
しかし、見かけ上SU剤が効かなくなっているような場合でも、食事療法や運動療法が乱れてきたり、コンプライアンスが低下しているということもあり得る。
SU剤は最終兵器
SU剤は膵β細胞に作用し、インスリン分泌を促進して血糖を低下させます。
SU類は膵β細胞にあるSU受容体と結合し、ATP感受性Kチャネルを閉鎖して、β細胞膜の脱分極を来たし、電位依存性Caチャネルより細胞外カルシウムが流入してインスリンの分泌を起こす。
したがって、SU剤が適応となるのは内因性インスリン分泌能が残っている症例であり、対象となる症例は食事療法と運動療法を十分に行ってもコントロールが得られない2型糖尿病である。1型糖尿病や膵疾患に伴う糖尿病などではSU類は無効である。
SU剤は安価で繁用されている薬剤であるが、早い段階から使用すると、SU剤を中心とした治療を継続するしかなくなり、やがて投与量が増え、膵β細胞が疲弊し、インスリンが枯渇してしまう。
最初からSU剤を使うのは問題であり、まずはSU剤以外の薬剤を使用し、効果が得られない場合にSU剤を使用するのが適正な使い方である。
世代別SU剤
現在SU剤には第一世代から第三世代までの薬剤があり、効力、作用時間、血糖低下作用以外の作用などに違いがある。現在用いられているSU類は第二世代と第三世代の薬物で、第一世代の薬物はほとんど用いられていない。
グリベンクラミドはSU剤の中でもっとも強力で、長時間作用するので1日に1~2回の投与でよく、広く使用されている。
グリクラジドは血糖低下作用以外に抗酸化作用や血小板機能亢進を抑える作用があり、糖尿病の血管病変への効果が期待される。
第三世代のSU剤であるグリメピリドはSU受容体との結合解離速度、結合親和性が今までのSU剤と異なり、インスリン分泌促進作用は弱い。しかし血糖低下作用はグリベンクラミドとほぼ同等で、膵外作用としてインスリン抵抗性改善作用を合わせもつと考えられている。
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