チャンピックスとニコチン製剤の違いは？

禁煙補助薬

禁煙に使う薬にはチャンピックス錠という飲み薬と、ニコチネルＴＴＳという貼り薬やニコレットのようなガムなどのニコチン製剤があります。
どっちがいいのか。

チャンピックス（バレニクリン）：ヒト大脳皮質α４β２ニコチン受容体に高親和性に結合し、部分作動薬作用（刺激作用と拮抗作用）によって発現すると考えられている。

ニコチン製剤は本物のニコチン、チャンピックスは偽物のニコチンという感じ。

ニコチン製剤は、ニコチンによる血管拡張作用のため、副作用として頭痛やめまいなどを生じることがあり、不整脈や虚血性心疾患などの患者には使用できません。
チャンピックスはうつ傾向のある人には注意です。
チャンピックスの副作用というより、ニコチン欠乏状態が引き起こしているものですが。

ニコチン製剤を使用中にタバコを吸ってもおいしいですが、チャンピックス使用中にタバコを吸ってもニコチン受容体が阻害されているのでおいしくない。
なので、チャンピックスのほうが禁煙に成功する確率は高いと思われ。

チャンピックスとニコチネルTTS

医療用のニコチンパッチにニコチネルTTSがある。
チャンピックスが発売された今、もはや処方をみることは無くなりました。

効能効果をみると、
チャンピックスは、

ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助

ニコチネルＴＴＳは、

循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患等の基礎疾患を持ち、医師により禁煙が必要と診断された禁煙意志の強い喫煙者が、医師の指導の下に行う禁煙の補助

禁煙意志の強い喫煙者。

強い意志が必要。

チャンピックスは吸いたくなくなるけど、ニコチンパッチは使っても吸いたい。
吸わなくなったときのイライラを少なくするだけ。

本剤の使用は禁煙意志の強い喫煙者の禁煙補助を目的としている。このことを患者に十分説明し、禁煙宣誓書等により禁煙意志の強いことを確認してから使用すること。

薬局で販売するときも、強い意志を確認する必要がある。

ニコチンガム

１．タバコを吸いたいと思った時にかむ。３０～６０分かけてゆっくりかむ。
２．短時間で効果が発現し、ニコチン摂取量を自己調節できる。口寂しさを捕える。
３．食欲抑制効果により体重増加の軽減が期待できる。
４．使用期限は3か月を目途とする。
５．血中ニコチン濃度が急激に上昇すると吐き気や動悸を引き起こす。
６．歯の状態や職業によっては使用しにくい場合がある。

・１個中2mg の二コチンを含有したガムを、タバコを吸いたくなった時に噛み(1日最大24 個) 、個数を徐々に減らす。
囗の中に貼る貼付剤ともいえる
・３ヶ月を目処とし､６ヶ月を超えて使用しない

メリット
・二コチン摂取量を、自分で調整することができる
・急にタバコを吸いたくなった時などにも、ある程度対応できる
・口寂しさを一時的に紛らわすことができる
デメリット
・誤った噛み方をすると、のどの痛みや胸焼け、胃部不快感などがみられる。正しい噛み方の指導が不可欠
・歯や顎に障害がある人、仕事などの都合でガムを噛むことができない人は、使用が難しい

ニコチンパッチ

１．禁煙時のイライラ、集中困難、落ち着かないなどの離脱症状の緩和を目的。
２．安定し血中濃度の維持が可能。
３．食欲抑制効果により体重増加の軽減が期待できる。
４．副作用は皮膚炎と不眠（朝あるいは起床時に貼る）。はがした部分を石鹸で洗わない（吸収が増大）。
５．汗をかく、スポーツをする人は使いにくい。
６．医療用のパッチは健康保険が適用される。

・二コチンを含有したパッチを1日1 回､1 枚貼付。パッチの二コチン含有量、貼付期間などは商品によって異なる
・8週間を超えて使用しない

メリット
・朝1 回貼るだけ､使用方法が簡単
・二コチンが安定して放出されるため、血中濃度の変動の波がなく、一定の血中濃度が持続する
・歯や顎の障害､仕事などで、ガムを噛むことができない人でも使用できる

デメリット
・急にタバコを吸いたくなった時､口寂しさなどに対応ができない
・血中濃度の変動の波がないことから、喫煙欲求にかられることがある
・皮膚にかぶれ、かゆみなどを生じることがある。貼る場所･貼り方の指導が不可欠
・就眠中も貼付したままにすると、睡眠障害(不眠) がみられることがある

バレニクリン製剤

１．α４β２ニコチン受容体に結合し、ニコチンの結合を阻害する。少量のドパミンが放出され、禁煙に伴う禁断症状やタバコに対する切望感が軽減される（禁煙に伴う離脱症状を抑え、かつ喫煙による満足感を抑制し、喫煙願望を減弱させる）。
２．投与期間は12週間。
３．副作用は吐き気や便秘など消化器症状。眠気、意識障害などの症状が現れることがある。自動車の運転、危険を伴う機械の操作は避ける。抑うつ気分、不安、焦燥感などの精神症状が現れたら服用を中止し、主治医に相談する。
４．一定の条件を満たせば保険が適用される。

チャンピックス服用中タバコを吸ってもいい？

チャンピックスは、ニコチン依存症の形成に寄与しているα４β２ニコチン受容体の部分作動薬であり、本受容体に結合してニコチンが結合する場合よりも少量のドパミンを放出させるため、禁煙時にあらわれるイライラなどのニコチン離脱症状やタバコへの切望感を減少します。

また、本受容体にニコチンが結合するのを阻害するため、禁煙中にタバコを吸ってしまっても、「タバコがおいしい」などの喫煙から得られる満足感を抑制します。
チャンピックスは脳内のニコチン受容体に選択的に働き、離脱症状やタバコに対する切望感を軽減するとともに、喫煙による満足感を抑制するという作用機序です。
チャンピックス服用中タバコを吸ってもいいです。タバコを吸ってもおいしくなくなるだけだから。

一方、ニコチンパッチやニコチンガムなどは、タバコの代わりにニコチンを補充することによって禁煙に伴うイライラや集中できないといった離脱症状を軽減する「ニコチン代替療法」です。
タバコを吸ってしまうと、ニコチンの過剰摂取による中毒を引き起こすことがあります。

注意しましょう。

禁煙開始日の１週間前から服用開始

チャンピックスの添付文書には、
「患者が禁煙を開始する日を設定すること。その日から1週間前に本剤の投与を始めること。」
と書かれている。

どういうことだろう。

チャンピックスの服用のしかた｜禁煙を続けるために｜すぐ禁煙.jp

1日２ｍｇの用量に増やすまでは、タバコ吸っててもいいよ、と公に言っているわけだ。
じゃあ、８日目に禁煙を開始できなかった場合はどうすりゃいいのさ。
失敗ってことか。
とにかく、だらだらと吸い続けていては禁煙なんか一生できないのだろう。

ニコチンパッチ使用中タバコを吸っちゃダメ？

ＯＴＣの禁煙補助剤は、喫煙を完全にやめた上で使用する。

禁煙補助剤の使用中または使用直後の喫煙は、血中のニコチン濃度が急激に高まる恐れがある。

用法・用量超えて使用も、ニコチン摂取が過剰になるので避ける。

パッチに関しては、皮膚が高温になるとニコチンの高まるため、激しい運動時やサウナ利用時、発熱時は外す。

チャンピックスの副作用

チャンピックスは禁煙に効果のある薬ですが、様々な副作用がある。

そもそも禁煙中は色んな精神症状になるようです。
抑うつ気分、不安になる、あせる、興奮しやすい、行動および思考の変化、精神障害、気分の変動、攻撃的になる、敵意を持つ、死んでしまいたいと感じるなど。

そのため、薬の副作用も注意すべきですが、禁煙自体による悪影響も考慮しなければなりません。

普通の人が車を運転するときにも注意しなければいけません。

【6月17日 AFP】米食品医薬品局（FDA）は16日、製薬大手ファイザー（Pfizer）の禁煙薬「チャンティックス（Chantix、一般名：バレニクリン varenicline）」について、循環器系の既往症がある人の心臓病リスクをわずかながら高める恐れがあるとして、添付の説明書に注意書きを加えるよう指示した。
　喫煙者700人を対象とした臨床試験で、プラセボ（偽薬）と比較して心臓発作、狭心症、動脈血栓症のリスクが増加する傾向が、一部対象者に見られたという。
　FDAは、チャンティックスの添付文書に心臓病リスクについて但し書きを追加するよう指示するとともに、ファイザーに大規模な臨床試験を実施し、終わり次第その結果を公表するよう命じた。ファイザーの禁煙薬で心臓病リスク高まる恐れ、米FDA　国際ニュース AFPBB News

アメリカではチャンティックスって商品名なんですね。
日本でもチャンティックスじゃダメだったのかな。

心臓病リスクをわずかながら高める恐れ。
しかし、喫煙し続けた場合のほうがよっぽど心臓病リスクを高めると思うので、この副作用がチャンピックスの使用を妨げるほどの理由にはならないと思います。