アルサルミンは食前に飲んだ方が良い？

アルサルミンの用法

スクラルファート（アルサルミン）などの胃粘膜修復剤は、消化管粘膜を直接保護し修復させることを目的としている。

したがって、胃内容物がない食前・食間投与のほうが患部に到達しやすく薬効を発現しやすい。

さらに、食後服用では食物中の蛋白と結合して効果が減弱するとされる。

しかし、添付文書には１日３回としか書かれていないので、１日３回食後という処方のほうが多いです。

アルサルミンをジュースで飲んじゃダメ？

アルサルミンの相互作用には以下のように書かれている。

1. 薬剤名等クエン酸製剤
クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム水和物　等
臨床症状・措置方法
血中アルミニウム濃度が上昇することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
機序・危険因子
キレートを形成し、アルミニウムの吸収が促進されると考えられる。

クエン酸製剤って書かれているとピンと来ないけど、柑橘系のジュースもダメということだ。
同時じゃなければ、気にしなくても良い。
クエン酸第一鉄ナトリウム（フェロミア）とかはどうなんだろう？量的に気にするものでも無いかな。

ウラリットと胃腸薬でアルミニウム脳症？

ウラリットとアルミニウム含有製剤は併用注意となっている。

水酸化アルミニウムゲル

他のクエン酸製剤との併用でアルミニウムの吸収が促進されたとの報告があるので、併用する場合には２時間以上投与間隔を置くこと。
クエン酸がアルミニウムとキレート化合物を形成し、アルミニウムの吸収を促進させるとの報告がある。

水酸化アルミニウムゲルとしか書いてないけど。
アルミゲルとか、マーロックスとか。

アルサルミンや市販の胃腸薬でも、アルミニウム含有製剤には注意。
アルミニウム脳症、骨症を誘発する恐れがある。

2時間以上間隔を空ければOK。

アルサルミン

ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩。

基質蛋白保護（胃粘膜保護）・抗ペプシン・制酸作用。

胃痛、胸焼けなどへの頓服薬として有用（アルサルミン液）。

アルサルミンで胃に石ができる？

アルサルミンの添付文書にこのような文言があった。
「経管栄養処置を受けている成人患者、低出生体重児及び新生児発育不全において、胃石・食道結石がみられたとの報告があるので、観察を十分に行い、これらが疑われた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
胃石っていうと柿胃石を思い浮かべます。

アルサルミンはほかの薬剤とも難溶性のキレートを生じやすいので、胃の中で固まって石になりやすそう。
柿胃石みたいな植物性胃石はコーラで溶けるようですが、スクラルファートの胃石はどうなんだろ。

薬剤性胃石の危険因子として、多剤併用、脱水、消化管運動能の低下、過量投与、経管栄養などなど。

アルサルミンを使ってても胃が痛いって場合は、胃石ができてるかも。
でも、アルサルミンの副作用の項目に胃石があるわけじゃないから、稀な副作用なんでしょうけど。

経管栄養患者にアルサルミンは使わないほうが良いかな。

胃石をコーラで溶かす？

柿を食べすぎると胃の中に石ができるという。

さらにその石がコーラで溶けるという。

柿を好んで食べていると、『柿胃石』が出来ることがあります（軽石を想像して下さい）。柿に含まれている「タンニン」（渋みの元）が胃酸と混ざると石になるからです。この柿胃石はかなり固いために、破砕するのに苦労します。ところが、胃カメラの時にコーラを注入し、胃内にコーラを貯めて、その中に胃石を沈めておくと、胃石はもろくなります。そうすると、スネア（金属の輪を広げたり締めたりする）を使って簡単に小さく砕くことが出来ます。

中野胃腸クリニックBLOG» Blog Archive » 食べ物の耳寄りな話（10）　「柿とコカコーラ」

テレビドラマの「海の家の診療所」で、こういうくだりの話をしていた。

柿を食べながらコーラを飲めば、胃石はできない。
柿とコーラって組み合わせ的には合わないですが。お茶がいい。