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全て粉砕しなければ嚥下困難者用製剤加算を算定できない?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約3分55秒で読めます.
5,070 ビュー. カテゴリ:嚥下困難者用製剤加算
Q.嚥下困難者用製剤加算は、嚥下障害などがあって、市販の剤形では服用が困難な患者について、錠剤を粉砕するなど飲みやすいように工夫すれば算定できることになっていますが、1種類でも加工しないものがある場合には算定できないと聞きました。
例えば口腔内崩壊錠の場合には、それを粉砕せずに調剤しても嚥下困難者用製剤加算は算定できると考えてもよいのでしょうか。
A.嚥下障害などのために医薬品の剤形を加工した場合、例えば一部の錠剤についてはそのまま服用できるという理由から粉砕しなかったとしても、嚥下困難者用製剤加算の算定要件は満たしていると考えます(ただし、ほかの錠剤についてはきちんと服用できるよう粉砕している場合に限ります)。
剤形の加工にあたっては、医師の了解を得たうえで実施しますが、解釈通知(厚生労働省保険局医療課長通知)では「薬剤の性質、製剤の特徴等についての薬学的な知識に基づいて行わなければならない」と明記されており、また、薬事法の承認という観点から考えても、医薬品の剤形加工は必要最小限となるようにすべきでしょう。
したがって、処方された医薬品が服用可能であるかを1つずつ確認し、市販の剤形のままでは服用できないと判断したものだけを加工したのであれば、嚥下困難者用製剤加算の算定要件を満たしているものと解釈できます。
ただし、一部の医薬品を加工しなかった理由については、調剤録や薬歴で確認できるよう記録しておくことが大事でしょう。
Q.嚥下困難の患者に散剤と錠剤が処方され、医師からは「錠剤はすべて粉砕し、散剤と合わせて一包とする」よう指示されていました。
粉砕を指示された錠剤の中には、散剤が薬価収載されている医薬品もありましたが、錠剤しか薬価収載されていないものもありました。
これらを医師の指示通り、錠剤はすべて粉砕して調剤したので、嚥下困難者用製剤加算を算定して保険請求しましたが、「散剤のあるものは、すべて散剤に変更したうえでなければ算定はできない」との理由からレセプトが返戻されてきました。
また、同じような処方せんで、錠剤と散剤が薬価収載されている医薬品はすべて散剤に変更したうえで、残りの錠剤を粉砕して調剤したのですが、それら内服薬とは別に、錠剤と散剤のどちらも薬価収載されているものが屯服薬として処方されていました。
もちろん、粉砕して調剤しましたが、後日、「散剤がある」という理由からレセプトが返戻されてきました。
嚥下困難者用製剤加算は、錠剤しか薬価収載されていない医薬品を1種類でも粉砕すれば算定できると解釈してはいけないのでしょうか。
A.ご質問のケースについては、嚥下困難者用製剤加算を算定して差し支えないものと考えます。
ご質問の前段のケースでは、嚥下障害の患者が容易に服用できるよう、錠剤しか薬価収載されていない医薬品を含めて、すべての医薬品について必要な加工(粉砕)を行っています。
また、ご質問の後段のケースでは、錠剤・散剤のどちらも薬価収載されている医薬品を可能な限り散剤に変更したうえで、残りの変更されなかった錠剤だけを加工(粉砕)しています。
これらのご質問ケースについては、いずれも嚥下困難者用製剤加算の趣旨・目的に沿った行為であり、算定は問題ないものと考えられます。
また、処方せんに錠剤を粉砕するよう指示があった場合、錠剤と散剤のどちらも薬価収載されている医薬品については、散剤を使用すれば錠剤を加工せずに済みますので、一般的には、できるだけ散剤を使用する方が望ましいかもしれませんが。嚥下困難者用製剤加算については、必ずしも、医師が医療上の必要性から錠剤を粉砕するよう指示したケースまで対象にならないというわけではありません。
また、嚥下障害がある患者に対し、内服薬と合わせて屯服薬が処方されていれば、内服薬と同様、屯服薬についても粉砕などの加工は当然ながら必要です。
しかし、嚥下困難者用製剤加算は、内服薬として調剤料を算定した場合に加算する点数ですので、算定要件上は、屯服薬の調剤内容には関係なく算定できることになります。
参考書籍:保険調剤Q&A平成22年版
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4 件のコメント
ぜひ、教えてください。
処方せんに医師の手書きで
プレドニン散 20mg 1日2回(10mg-10mg-0)
と処方されました。
プレドニンには散剤の発売がないため、
錠剤の服用困難な患者にて
疑義照会をして
プレドニン錠5mg 4錠で粉砕に変更されました。
薬局にはプレドニゾロン散の在庫はありませんでしたが、
この場合、同一成分品で散剤が販売されている場合でも、
嚥下困難者用製剤加算はとれるのでしょうか?
お願いします。
コメントありがとうございます。
薬局に在庫がなかった、は言い訳にならないと思うので、たぶんダメでしょう。
疑義照会時にプレドニゾロン散にしてもらうべき、と判断されるかと。
前段のケースについては、散剤もある錠剤を粉砕しているので、
これは自家製剤加算を取るべきではないのでしょうか
一種類でも散剤のある錠剤が処方箋にあるのなら、
嚥下困難加算は取れないと思っていたのですが・・・
ブログ主が書いた文章ではないとは思いますが、
ご教授願います
コメントありがとうございます。
自家製剤加算と嚥下困難者用製剤加算については、自分もよくわからないので、保険調剤Q&Aなどを参考にして頂きたいのですが。
しかし上記のQ&Aでも、「レセプトが返戻されてきた」とあるので、薬剤師会の解釈と支払い側の解釈にも相違があるのかも知れません。
レセプトが返戻されてきたら、それ以上抵抗する気にはならないし。
とにかくこんなわかりにくい点数は、統合してわかりやすくしてもらいたいものです。