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患者が使い残した覚醒剤原料はどう処分する?
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約4分41秒で読めます.
7,123 ビュー. カテゴリ:覚せい剤取締法の改正
しばらく経過しましたが、 令和2年4月から 覚せい剤取締法が一部改正され、変更点がありました。
主な変更点は以下の通り。
①調剤済み覚醒剤原料の譲受・廃棄
患者が服用しなくなり不要となった 調剤済医薬品覚醒剤原料について、患者やその相続人などから譲受可能となりました。
また、 調剤済医薬品覚醒剤原料について、保健所職員の立会いをすることなく、廃棄可能となりました。
②帳簿を備え、必要事項の記入義務化
医薬品覚醒剤原料に関する帳簿を備え、必要事項を記入することが義務付けられました。今までも帳簿つけてたので、「義務じゃなかったの?」と意外でした。
③ 「覚せい剤」から「覚醒剤」に 変更
全ての条文において、「覚せい剤」から「覚醒剤」に改正されます。それに伴い、各種届出や譲渡証・譲受証の様式が改正されます。なお、当面の間は、旧様式を使用することができます。
④ 自己の疾病の治療目的の携帯輸出入
厚生労働大臣の許可を受けた場合、自己の疾病の治療の目的で携帯して医薬品覚醒剤原料を輸出入可能となりました。
調剤済み覚醒剤原料の譲受
変更点① 調剤済み覚醒剤原料の譲受 ・廃棄について。
「麻薬と同じように患者から不要になった覚醒剤原料も受け取れるようになった」とだけ認識していましたが、麻薬の譲受とは異なる点が色々あるので注意する。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等 の一部を改正する法律の一部の施行について(覚醒剤取締法関係)
ウ 患者及び相続人等は、病院等に調剤済医薬品覚醒剤原料を返却する場合、当該調剤済医薬品覚醒剤原料を患者に譲り渡した病院等以外の病院等への返却ができないこと(改正覚取法第 30 条の9第1項第6号。 病院・薬局等における医薬品覚醒剤原料の取扱いについては免許制を取っていないところ、薬局と異なり、覚醒剤原料を取り扱わない病院等には鍵のかかる保管庫を設置する義務がなく、適切に保管することが できない場合があるため。)。一方、薬局に返却を行う場合においては、 返却先の薬局に制限が設けられていないこと。
返却する薬局はどこでもOK。麻薬は麻薬小売業者の免許が必要なので、免許を持っている薬局以外には返却できないが、覚醒剤原料はどの薬局でも取り扱えるので、覚醒剤原料を取り扱っていない薬局でも返却OK。
エ 病院・薬局等の開設者は、調剤済医薬品覚醒剤原料を患者又は相続人等から譲り受けた場合、改正覚取法第 30 条の 14 第3項及び改正覚取 則第 19 条第3項の規定に基づき、病院・薬局等の所在地を管轄する都道府県知事に対し、速やかに「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書(改正覚取則別記第 18 号様式)」を提出する必要があること。
ポイントはココです。
譲受したときに、「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書」 を提出する必要がある。 速やかに 。
廃棄してからではない。譲受した段階で、提出する必要がある。
オ 病院・薬局等の開設者は、「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書」を提出した後は、改正覚取法第 30 条の9第2項の規 定に基づき、改正覚取則で定める方法で、速やかに調剤済医薬品覚醒剤原料を廃棄しなければならないこと。
譲受届出書提出後、速やかに廃棄する。
カ 病院・薬局等の開設者は、譲り受けた調剤済医薬品覚醒剤原料を廃棄 した後は、改正覚取法第 30 条の 14 第2項及び改正覚取則第 19 条第2 項の規定に基づき、廃棄した日から起算して 30 日以内に、病院・薬局 等の所在地を管轄する都道府県知事に対して「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料廃棄届出書(改正覚取則別記第 17 号様式)」を提出する必要があること。
譲受届提出後、廃棄し、その後廃棄届出書を提出する。
使い残しの覚醒剤原料を薬局で受け取った場合、「 交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書 」、「交付・調剤済みの医薬品である覚醒剤原料廃棄届出書」の2つの届出の提出が必要という面倒な作業が待っているのである。
キ 改正覚取法第 30 条の9第1項第6号の規定は、患者及び相続人等に対して、施用する必要がなくなった調剤済医薬品覚醒剤原料の譲渡を義務付けるものではないが、施用する必要がなくなった調剤済医薬品覚醒剤原料の適切かつ確実な廃棄を確保するためには、病院・薬局等が それらを譲り受けた上で適切に廃棄することが望ましいため、医薬品 覚醒剤原料を病院等が交付又は薬局が調剤する際に、その旨を病院・薬局等から患者に対して周知されたいこと。
薬局で廃棄しなければいけないという義務ではないが、薬局で廃棄するのが望ましい。
ですよねえ。
また、受け取った麻薬や覚醒剤原料を、ゴミ箱にポイ、なんてことはしないように。
万が一事件でもあった際、患者家族から「薬局に返しました」と言われて、「ゴミ箱に捨ててしまいました」と言っても「自分が使ったんじゃないのか?」とか警察から聴取されたり、とっても面倒なことになりそうです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。