ルナベルは生理中に飲み始める？

低用量ピルの服用開始はいつから？

男性の私にとって苦手な婦人科領域のクスリ。

ルナベルとかヤーズとか低用量ピル。

ルナベルの添付文書には、
「初めて服用させる場合、原則として月経第1～5日目に服用を開始させること。」
と書かれている。

生理中に飲み始めるというわけだ。
その理由は？

医療と健康［日本医師会ホームページ］
月経が終わると、子宮内膜がしだいに厚くなる増殖期に入ります。
月経初日から子宮内膜は徐々に厚くなっていますが、生理中に低用量ピルを飲み始めることで、子宮内膜の増殖を抑えることができる。

ヤーズの服用開始日は、

本剤を初めて服用させる場合，月経第1日目から服用を開始させる．服用開始日が月経第1日目から遅れた場合，妊娠のリスクを考慮し，飲みはじめの最初の1週間はホルモン剤以外の避妊法を用いること．

なぜ月経困難症の適応しか持たないヤーズに、避妊に関する注意が書かれているのかはわかりませんが、中にはそういう目的も兼ねて使用している患者がいるかも知れない。
ルナベルでも避妊効果を望む場合には、月経初日から服用すべきというわけだ。

もし医師や薬剤師から服用開始日について説明が無かった患者が、月経6日目以降に服用開始してしまったらどうなるのか？
子宮内膜はいつも通りに厚くなって、その月の子宮内膜症に対する効果はあまり期待できないことになる。
服用途中でも、普段通りに月経、出血があるので、「効いてない」とびっくりするかも知れない。
もしも避妊効果も期待していたら、妊娠してしまうかも知れない。

ルナベルを飲み忘れたら？

ルナベルを飲み忘れたときの対応は添付文書に書かれている。
「万一前日の飲み忘れに気付いた場合、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用する。2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用し、その後は当初の服薬スケジュールとおり服用を継続すること。」
飲み忘れた翌日であれば、1回2錠で飲んでよい。

2日以上の服薬忘れについては、「当初の服薬スケジュールとおり」というのがよくわからない。
出血のあるなしでも変わってくるやも知れないので、医療機関に問い合わせてもらうのが確実かな。

子宮内膜症とルナベル

未婚例では疼痛への保存的対応が治療の中心となるが、一相性の経口避妊薬ノルエチステロン・エチニルエストラジオール（ルナベル）はその有効性がプラセボ対照ＲＣＴで証明されており、副作用が少なく長期投与が可能なことから子宮内膜症の月経痛に対する第一選択薬である。

内因性エストロゲン・プロゲステロンの周期的変動を抑制することにより排卵を抑制する。→子宮内膜症組織の増殖が抑制される。
・低用量で卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲスチン）が配合された低用量ピルである。
・ＧｎＲＨアゴニストなどにより作用は弱いが、副作用は少ない。
・２８日間を投与１周期とし服用を継続することが重要であり、服用方法を十分指導する。
・年齢および喫煙量により、心筋梗塞などの心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するおそれがあり、３５歳以上で１日１５本以上の喫煙者は禁忌である。また、１年に１回は子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査、特に子宮頸部の細胞診の実施を考慮する。
・妊婦または妊娠している可能性のある婦人は禁忌である。
・母乳の量的質的低下が起こることがあり、また、母乳中に移行し乳児に黄疸、乳房腫大が起こるおそれがあるため、授乳婦は禁忌である。