2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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粉砕してはいけない薬一覧

粉砕不可の薬

患者の中には、「錠剤が大きすぎる」「カプセルが飲みにくい」という理由で、勝手に錠剤を砕いたり、カプセルを外して飲む患者がいる。「体の中に入れば同じ」だと思っているのだろう。

また、医師から処方箋で「粉砕」と指示されることもあるが、薬の特性を考慮せずに、あるいは患者に言われるがまま「粉砕」を指示してくる医師もいるので注意が必要である。

徐放錠や腸溶錠のように、ゆっくり溶ける・腸で溶ける等の加工がされているものを粉砕してはいけない。
また、粉砕することで分解されやすくなるような薬は、効果が減弱するので粉砕してはいけない。
一方、粉砕することで口の中にしびれを感じたり、苦味を感じたりする薬は、コンプライアンスが低下する恐れはあるが、場合によっては粉砕しても良いだろう。

「粉砕してはいけない薬」と、添付文書に明記されている薬の一覧を以下に示す。

粉砕してはいけない薬一覧

医薬品名理由添付文書の記載
アイピーディカプセル吸湿なし(メーカーHP:アイピーディカプセルの内容物は吸湿性が強く、においがあるので脱カプセルはしないでください。)
アサコール錠徐放本剤は放出調節製剤であることより,かまずに服用すること。また,乳鉢による粉砕は避けること。
アザルフィジンEN錠腸溶本剤は腸溶性製剤であり、かんだり、砕いたりせずに服用するように指導すること。
アスパラカリウム錠吸湿服用直前までPTPシートから取り出さないこと。
アダラートCR錠徐放本剤は割ったり,砕いたり,すりつぶしたりしないで,そのままかまずに服用させること.[割ったり,かみ砕いたりして服用すると,血中濃度が高くなり,頭痛,顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可能性がある.]
アデホスコーワ腸溶錠腸溶本剤の使用にあたり乳鉢等ですりつぶさないこと。
アブストラル舌下錠舌下本剤は舌下の口腔粘膜から吸収させる製剤であるため、なめたり、噛み砕いたりせずに使用すること。[口腔粘膜からの吸収が低下し、バイオアベイラビリティが低下する可能性がある。]
インヴェガ錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりしないよう指導すること。また、開封後は時間を置かずに必ず飲み物と一緒に服用するよう指導すること。
エクジェイド懸濁用錠製剤本剤は水100mL以上で十分に懸濁して服用すること。また、コップ等の底に本剤が残った場合は、再度水で懸濁して服用すること。なお、本剤を噛み砕いたり、丸ごと飲み込んだりしないこと。
MSコンチン錠製剤本剤は徐放性の製剤であるため,かまずに服用するように指示すること。
オメプラール錠腸溶本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、飲みくだすよう患者に指導すること。
カレトラ配合錠製剤本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので,本剤を噛んだり砕いたりせずそのまま服用すること.
ケアロードLA錠60μg徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、過量投与となるおそれがある。]
ケタスカプセル徐放本剤は徐放性製剤であるため、カプセル内容物を取り出して調剤しないこと。
コンサータ錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりせず、必ず飲み物と一緒にそのまま服用するよう指導すること。
コンプラビン配合錠製剤本剤は腸溶性の内核を含む有核錠であるので、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。
サインバルタカプセル腸溶腸溶性コーティングを施しているため,カプセルの内容物を砕いたり,すりつぶしたりしないで服用させること。[原薬が酸に不安定であり,胃酸で失活することがある。]
シナール配合錠配合時の粉砕は避けること。
スタリビルド配合錠データ粉砕時の安定性データは得られていないため,本剤を粉砕して使用しないこと。
ストロカイン錠しびれ錠剤の服用にあたっては、口内にしびれ等を残さないためかみ砕いたりせずに、速やかに飲みくだすよう注意させること。
スローケー錠吸湿本剤は噛み砕かずに、多めの水で服用すること。
セパミット-Rカプセル徐放本剤をかみ砕いて服用しないこと。
セレニカR錠徐放本剤は徐放性製剤であり、製剤をかみ砕くことにより溶出が加速されることがあるので、薬剤をかみ砕かないで服用させること。
タケルダ配合錠製剤本剤は有核錠の外層に腸溶性の細粒を含み、内核も腸溶性であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。
タペンタ錠徐放本剤は徐放性製剤であることから、服用に際して噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりせず、必ず飲み物と一緒にそのまま服用するよう指導すること。
ディレグラ配合錠徐放本剤は徐放層を含む錠剤であるため、噛んだり、砕いたりせず、水と一緒にそのまま服用すること。
テオドール錠徐放本剤は徐放性製剤なので,かまずに服用するよう指導すること.
デタントールR錠徐放本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って副作用が発生しやすくなるおそれがあるため、本剤はかまずに服用させること。
テツクール徐放錠徐放本剤はかみ砕かずに服用させること(本剤をかみ砕くことにより,大量に放出された鉄が消化管を刺激し,悪心,嘔吐,腹痛,血性下痢,吐血等を起こすおそれがある).
デパケン錠吸湿本剤は吸湿性が強いので、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。
デパケンR錠徐放本剤はかみ砕かずに、水とともに服薬させること。
デプロメール錠苦味十分な水とともに服用し、かみ砕かないよう指導すること(かみ砕くと苦みがあり、舌のしびれ感があらわれることがある)。
テモダールカプセルカプセルは開けず、また、かみ砕かずに十分量の水と共に服用させること。カプセルの内容物に曝露した場合、曝露部分は速やかに洗浄すること。
トビエース錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、血中濃度が上昇するおそれがある。]
ノイロトロピン錠製剤本剤はフィルムコーティングを施しているので、粉砕混合は避けること。
ノウリアスト錠本剤は光安定性の確保のためフィルムコーティングを施しているので、粉砕して使用しないこと。
ノービア錠製剤本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので,本剤を噛んだり砕いたりせずそのまま服用すること.
ノルバスク錠分割後は早めに使用すること。分割後に使用する場合には、遮光の上30日以内に使用すること。
バイアスピリン錠腸溶本剤は腸溶錠であるので,急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は,割ったり,砕いたり,すりつぶしたりしないで,そのままかまずに服用させること.
パキシルCR錠徐放本剤は腸溶性フィルムコーティングを施した放出制御型の腸溶性徐放錠であるため、噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。
パシーフカプセル徐放本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇により重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際してカプセルの内容物を砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指示すること。
パリエット錠腸溶本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、のみくだすよう注意すること。
バリキサ錠発癌本剤には催奇形性及び発がん性のおそれがあるので、錠剤を割らないこと。また、粉砕しないこと。やむを得ず割った場合及び粉砕した場合は、皮膚や粘膜に直接触れないこと。もし、触れた場合は石鹸と水で十分に洗浄し、眼に入った場合も水で十分に洗浄すること。
ハルナールD錠徐放本剤は噛み砕かずに服用させること。[本剤はタムスロシン塩酸塩の徐放性粒を含有しており、噛み砕いた際に徐放性粒が壊れ、薬物動態が変わる可能性がある。]
パンスポリンT錠苦味本剤は苦味防止の目的でフィルムコーティング錠としているため、粉砕して使用しないこと。
ピーガード錠徐放本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇による重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際して割ったり、砕いたり又はかみ砕かないように指示すること。
ヒポカカプセル徐放体内動態が変わる可能性があるので、かみくだいたり、カプセルを開けて服用しないよう注意すること。
フェルムカプセル徐放本剤は徐放性製剤であり,また,本剤の成分が口腔内(歯,舌等)に付着することがあるので,カプセルの内容物を砕いたり,すりつぶしたりしないで,そのままかまずに服用するように指導すること。
フォスブロック錠膨潤口中に長く留めていると膨潤するため、咀嚼せず速やかに嚥下させること。なお、粉砕しての服用は避けること。
フラベリック錠しびれ本剤をかみくだくと口腔内にしびれ感を来すので、かまずに嚥下させること。
フランドル錠徐放本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。
プロペシア錠奇形本剤を分割・粉砕しないこと。
本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。
ベザトールSR錠徐放本剤は徐放錠であるので,割ったり,砕いたりしないでそのまま服用させること。
ベシケアOD錠刺激本剤をかみ砕かないで服用するよう患者に指導すること。[本剤をかみ砕いた際にマスキング粒が壊れ、有効成分由来の刺激性を感じる可能性があるため。]
ベシケア錠刺激本剤をかみ砕かないで、そのまま服用するよう患者に指導すること。[有効成分に刺激性があるため。]
ベタニス錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、薬物動態が変わるおそれがある。]
ヘプセラ錠本剤とラミブジンの併用投与において、投与量の減量が必要な場合、本剤は投与間隔を調整するのに対し、ラミブジンは投与量を調整する必要があるので注意すること(本剤の分割又は粉砕時の安定性に関するデータは得られていない)。
ベラサスLA錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。
[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、過量投与となるおそれがある。]
ヘルベッサー錠徐放かまずに服用すること。〔徐放性が損なわれるおそれがある。〕
ペルマックス錠刺激本薬の動物試験で眼刺激性及び吸入毒性が認められており、また、本剤の粉砕時に眼刺激、異臭、頭重感等が認められたとの報告がある。
ポマリストカプセルカプセルを噛み砕いたり、又は開けずに服用するように患者を指導すること。
ミラペックスLA錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたりしないで、そのまま噛まずに服用するよう指導すること。
[本剤の徐放性が失われ、過量投与となるおそれがある。]
ムコソルバンL錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、薬物動態が変わるおそれがある。]
ラジレス錠本剤を分割、粉砕しないこと。
リパクレオンカプセル腸溶本剤は砕いたり,噛んだりしないこと.[腸溶コーティングの保護が破壊され,口腔粘膜を刺激したり,酵素活性が失われたりする.]また,本剤が口内に残らないよう注意すること.
リマチル錠吸湿なし(メーカーHP:分割や粉砕はリマチルの承認された投与方法ではありません。また、リマチルは吸湿による分解や、臭いを防ぐため、糖衣錠にしています。)
ルボックス錠しびれ十分な水とともに服用し、かみ砕かないよう指導すること(かみ砕くと苦みがあり、舌のしびれ感があらわれることがある)。
レキップCR錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。
レグテクト錠腸溶本剤は腸溶性のフィルムコーティング錠であるため、かんだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。
レグナイト錠徐放本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。[割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われるおそれがある。]
レナジェル錠膨潤口中に長く留めていると膨潤するため、咀嚼せず速やかに嚥下させること。なお、粉砕しての服用は避けること。
レブラミドカプセルカプセルを噛み砕いたり、又は開けずに服用するように患者を指導すること。
ワントラム錠徐放本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇による重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際して割ったり、砕いたり又はかみ砕いたりしないように指示すること。

上記以外にも、アクトネル等のビスホスホネート系薬は、口腔咽頭刺激の可能性があるため、「噛まずに、なめずに」服用するよう添付文書に記載があるため、粉砕しない方が良い。

添付文書の記載は、自家製剤加算や嚥下困難者用製剤加算の算定時に、算定可能かどうかという点で重要である。上記の薬が全て、それらの点数を算定できないというわけではないが、返戻されるリスクは高い。実際の粉砕可否の判断は、代替薬の有無によっても検討されるし、医師やメーカーに相談の上、粉砕せざるを得ない場合もある。

粉砕に適さない薬剤の特徴としては、

■腸溶性製剤:パリエット錠、カルナクリン錠、サインバルタカプセル、オメプラール錠、ペンタサ錠
■徐放性製剤:アダラートCR錠・L錠、デパケンR錠、オキシコンチン錠、ベザトールSR錠、リスモダンR錠、ユニフィルLA錠、テオロング錠、スローケー錠、ヘルベッサーRカプセル、ペルサンチンLカプセル、インテバンSP
■吸湿性が高い:アスパラカリウム錠、クレストール錠、デパケンR錠、スローケー錠、リマチル錠、メチコバール錠
■光に不安定:アダラートCR錠・L錠、メチコバール錠
■口腔・咽頭部に刺激を与える:ベネット錠、アクトネル錠、サンリズムカプセル、メキシチールカプセル

といった特徴を有する製剤が多い。

また、調剤者が粉砕した薬を吸い込み、曝露されることで健康を害したり、接触して皮膚炎を生じるような薬も粉砕は避ける(抗がん剤、アボルブ、ペルマックスなど)。

とにかく粉砕の可否の判断は難しい。
〇と×とにはっきり分かれるわけではない。△の場合にどう判断するか?
医師は粉砕を求めてくるが、メーカーは勧めない、という場合どうするか?例えば「妊婦への投与」において△である場合は投与しないほうが良いが、「粉砕の可否」において△であれば粉砕してみるというのもアリだ。吸湿性などで多少効果が落ちてもコンプライアンスが上がれば、プラスの効果が期待できる可能性があるからだ。

徐放製剤と粉砕

テオフィリン徐放性製剤を軽く砕いた場合と完全に砕いた場合とを比較した結果、血中濃度曲線下面積(AUC)や最高血中濃度(Cmax)はほぼ同等であるが、最高血中濃度到達時間(Tmax)では錠剤であれば本来9時間程度であるところ、軽く砕いた場合で3時間、完全に砕いた場合で2時間と大きく薬物動態パラメータの変動が発生することがわかっている。

また、腸溶性製剤の粉砕等により、例えばカリウム製剤では胃腸障害の発現や、カリジノゲナーゼ製剤、プロトンポンプ阻害薬、アデノシン三リン酸製剤などでは胃酸による失活のため治療効果が現れないことがある。これらのような製剤の粉砕等は避けるべきである。

腸溶錠は粉砕しちゃダメ?

腸溶性が損なわれても臨床上、全く問題のない薬剤がある。

例えば、センノシド錠12mg「フソー」は1960年代の開発当初、センノシドが胃で分解されやすく、腸で吸収され大腸で分泌し作用すると考えられて腸溶化されたが、現在では胃・小腸で吸収されることなく大腸に達することが判明している。

また、浸潤性下剤のベンコール配合錠(ジオクチルソジウムスルホサクシネート・カサンスラノール)は、発売初期に胃刺激成分が含まれていたため腸溶化されたが、現在ではその成分は含まれていない。

ジベトンS腸溶錠は、1960年代の開発時に、ブホルミン塩酸塩による胃粘膜障害を避けるため腸溶化されたが、現在ではその可能性が極めて低いことが判明している。

粉砕してはいけない粉薬?

粉砕してはいけない粉薬というものがある。

粉薬は粉になっているんだから、粉砕もなにもする必要無いじゃないか、と思う。
しかし、細粒よりも大きめの顆粒の場合、乳棒ですりつぶしてしまう可能性もある。

ただ単に飲みやすくする目的で顆粒にしてあるのであれば、乳棒ですりつぶしてしまってもよかろうと思ってしまう。

医薬品名添付文書の記載
セパミット-R細粒2%本剤をかみ砕いて服用しないこと。
セパミット細粒1%本剤をかみ砕いて服用しないこと。
セレニカR顆粒40%本剤は徐放性製剤であり、製剤をかみ砕くことにより溶出が加速されることがあるので、薬剤をかみ砕かないで服用させること。
チアトン顆粒2%顆粒は調剤時粉砕を避けること.
フトラフール腸溶顆粒50%本剤は腸溶剤であり、かんだり、砕いたりせずに服用するように注意すること。
ベリチーム配合顆粒1. 調剤時:腸溶性皮膜を破損しないように注意すること。2. 服用時:本剤は腸溶性皮膜を施した顆粒が配合されているので,砕いたりかんだりしないこと。また,本剤は直ちに飲み下し,口内に残らないように注意すること。[舌や口腔粘膜を刺激することがある。]
ペンタサ顆粒94%服用時:本剤は放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
リパクレオン顆粒300mg分包本剤は砕いたり,噛んだりしないこと.[腸溶コーティングの保護が破壊され,口腔粘膜を刺激したり,酵素活性が失われたりする.]また,本剤が口内に残らないよう注意すること.
アデホスコーワ顆粒10%調剤時 本剤の使用にあたり乳鉢等ですりつぶさないこと。

粉の徐放剤や腸溶性製剤など、「粉砕してはいけない粉薬」というものもある。粉のような小さな粒でも徐放製剤を作ることができるというのは不思議に思う。
粉砕してはいけない理由としては、溶解や吸収などが一般的だが、ベリチームやリパクレオンは口腔粘膜を刺激することがあるので、口内に残らないように多めの水で飲む必要がある。

粉を粉砕するという調剤行為はあまり想定できないが、嚥下困難などでまとめて調剤する場合、他の散剤と混和する際に乳鉢に入れて乳棒でかき混ぜる時、顆粒をつぶすこともあるかも知れないので、注意が必要である。

ペルマックスで眼に刺激?

ペルマックスの添付文書に、

本薬の動物試験で眼刺激性及び吸入毒性が認められており、また、本剤の粉砕時に眼刺激、異臭、頭重感等が認められたとの報告がある。
このため、
(1)粉砕は避けること。
(2)本剤は服薬直前に包装より取り出すこと。

という記載があります。

PTPから外すと眼に刺激、なんてあったら患者さんもビックリですね。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

37 件のコメント

  • 大門 のコメント
         

    粉砕不可能の薬剤 ありがとうございます。
    粉砕可能の薬剤としては、それ意外となると思いますが、何日程度を基本としているのでしょうか? 14日は可能でしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    粉砕後の安定性を調べたようなものを見たことはありませんが、粉砕自体に問題が無ければ、湿気や光に気を付けて、粉薬と同程度の期間大丈夫なのだと個人的には思います。

    いずれにせよ、メーカーが保証するものではないので、現場判断になるのでしょう。

  • HonoluluGirl のコメント
         

    ペンタサが徐放性で、アサコールが腸溶性ではないでしょうか?記憶違いだったら大変申し訳ないです

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    徐放性と腸溶性の明確な区別についてはよくわかりませんが、確かにアサコールのほうがpH依存性の放出制御で腸溶錠という感じは強いですが、ペンタサも腸溶性のエチルセルロースの多孔性被膜でコーティングされているので、腸溶錠と言って間違いではないと思いますけど。どうでしょう?

  • HonoluluGirl のコメント
         

    ペンタサのジェネリックはメサラジン徐放錠、アサコールのジェネリックがメサラジン腸溶錠なので、記事に違和感を感じました。

  • mame のコメント
         

    腸溶性の顆粒を炭酸水で服用すると、ph変動で作用に影響があるのでしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    炭酸水は酸性で、腸溶性の薬はアルカリ性で溶解するので、問題なさそうな気がします。

  • mame のコメント
         

    なるほど。

    色々と興味深いタイトルに惹かれ、いつも参考にさせて頂いております。
    ありがとうございます。

  • hori のコメント
         

    オーグメンチン配合錠250RS、レバミピド100という薬は噛んで飲んでも大丈夫でしょうか?
    今日の夜は知らずな両方噛んでしまいました…

  • 竹熊芳子 のコメント
         

    グリチロン配合錠を砕いたのを出されました。もったいないので服用しましたが、猛烈に苦かったです。なくほどに…

  • Azuki のコメント
         

    ウルソデキシコールをシートから全部出してしまいました。慌てて戻してラップで包んで使用していますが、問題ありますか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    問題ないと思いますが、医薬品は湿気と光に弱いので、缶に乾燥剤を入れて保管するとよいです。

  • Azuki のコメント
         

    アドバイスありがとうございました。ひとまず安心しました。

  • ゆり のコメント
         

    メルカゾールは、糖衣錠ですが
    半分に割って服用可能でしょうか?
    1日5mg服用していたのですが、
    1日2.5mg服用になり
    飲み忘れなので、5mgの薬が
    余っているので、、よろしくお願いします。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    2.5㎎錠の販売前は5㎎錠をよく割っていましたね。
    均等に割るのが難しいので、ご自身で割るのはお勧めはしません。自己責任にてお願いします。

  • ゆき のコメント
         

    そうなんですね。
    薬剤師さんからアドバイスいただき安心します。
    ありがとうございました^_^

  • りんご のコメント
         

    イブプロフェン、カロナールは細かく砕いて飲んでも大丈夫でしょうか? 

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    大丈夫だと思います。散剤もあるので、薬局でご相談ください。

  • りんご のコメント
         

    早速の返信ありがとうございます。
    すぐに服用したかったので助かります。
    粉末あるんですね!薬局で聞いてみます。ありがとうございました。

  • りん のコメント
         

    デカドロンを半分にして飲んでも大丈夫なんですかね?

    薬が足りないので

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。
    そういう理由ではダメですね。

  • ゆう のコメント
         

    ビタミン剤は粉砕して服用しても効果があるんですか?

  • やま のコメント
         

    サワシリン錠は1週間分まとめて粉砕して保管可能ですか?含量低下など変化あるでしょうか?

  • たろう のコメント
         

    メラトニンの粒が大きいので、割って飲んでも大丈夫でしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    メラトニンってロゼレムのことではなく、市販のものでしょうか?いずれにせよ問題ないと思います。

  • のコメント
         

    アレグラは粉砕しても大丈夫なのでしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    アレグラドライシロップをご使用いただくことをお勧めいたします。

  • 門石 のコメント
         

    ユーロジン2mgとフルニトラゼパム2mgを半分に割って使っても問題はありませんか、副作用はありませんか。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    半分でも眠れれば問題は無いと思いますが、中止や減量などについては医師と相談の上で行うようお願いいたします。

  • はなまる のコメント
         

    トラネキサム酸250は大きくて飲みづらくて噛んでしまいました大丈夫でしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    問題ありません。砕いても大丈夫です。

  • 匿名 のコメント
         

    グーフィス毎朝飲んでいますが、起床後すぐにコップ一杯も水を飲む習慣が有ります。
    暫く後グーフィスを飲みますが、薬の成分が薄まって効きにくいというようなことはありませんか。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    食事の影響はありますが、水の影響はとくに見当たらないので問題ないと思います。
    便秘の改善に朝一杯の水は良いと思います。さらに暖かいお湯であれば腸の働きを活発にするために良いと思われます。

  • アジスロマイシン、ジスロマック のコメント
         

    粉々にして飲んでもいいですか?

  • 美郷 のコメント
         

    カルボシステイン・ドパコール・ラックビーは粉砕可能ですか? 

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    パーキンソン病患者は粉砕指示が多いですね。個別の粉砕可否については処方元の医師または調剤した薬局に問い合わせていただくのが良いかと思います。

  • 匿名 のコメント
         

    嚥下に問題がある方に内服直前にオーグメンチンを砕いて与薬しても大丈夫でしょうか?

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