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母乳を止める薬?
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約5分41秒で読めます.
15,904 ビュー. カテゴリ:プロラクチンが母乳を出す?
母乳が出すぎる人は、張ったり、詰まったり、熱を持って痛くて夜も眠れない、という状態になる人もいるようです。何度も乳腺炎になって高熱で苦しむ人もいます。
そんなときは薬で母乳を止めることがあります。
母乳を出しているのはプロラクチンというホルモンが原因です。
このプロラクチンはドパミンというホルモンによって分泌が抑制されます。
そのドパミンの分泌を促進する薬がおっぱいを止める目的で使われます。
ドパミン分泌促進薬
ドパミンとプロラクチンは関係の深いホルモンです。
通常ドパミンは、脳下垂体前葉(漏斗下垂体系)にあるプロラクチン分泌細胞の表面にあるドパミンD2受容体に結合して、プロラクチンの分泌を抑制する方向に作用しています。
しかし、抗精神病薬がもつ選択性のないドパミンD2遮断作用によって、この漏斗下垂体系におけるドパミンD2受容体をも塞いでしまうと、プロラクチン分泌抑制が解除されて高プロラクチン血症という状態が引き起こされます。
妊娠してないのに母乳が出る?
乳汁が分泌されるのは、プロラクチンというホルモンの働きによるものです。
このホルモンは乳腺刺激ホルモンと呼ばれており、通常、お産後に分泌が増加され、乳汁の分泌を促進します。
高プロラクチン血症という病気では、妊娠もしていないのにプロラクチンの血中濃度が上がり、70%に乳汁漏出、90%に無月経が見られます。
症状が乳汁漏出のみで、その量が本人にとって不都合でない程度であれば放置することもあります。
不妊症の原因にもなるので、妊娠を希望している女性では治療が行われます。
母乳の出が悪くなる薬?
授乳婦への投与に注意が必要な薬として、パーキンソン病治療薬のパーロデルがあります。
プロラクチンを抑制し、乳汁分泌を抑制するため、母乳の出が悪くなります。
ほかに乳汁分泌を抑制する薬として、レボドパ製剤、メテナリン、ペリアクチン、ダイクロトライド、エストロゲン製剤などが知られています。
抗コリン薬は母乳の分泌を抑制するという説と、影響しないという説があります。アトロピンは乳児には感受性が大きいといわれているので、作用が顕著に現れるおそれがあるので注意する必要があります。
ロートエキスの添付文書には、
「胎児又は新生児に頻脈等を起こすことがあるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。また、乳汁分泌が抑制されることがある。」
との記載がある。
カバサール服用中、授乳させても大丈夫?
カバサールやパーロデル、テルロンなどのドパミンアゴニストが授乳を止める目的で処方される。
しかし、止めようと思っても、つい授乳してしまった、ということがあるわけで。
授乳の刺激でまたプロラクチンが分泌されて、断乳しづらくなるので、基本的には授乳させないほうが良いというのはわかりますが。
カバサールなどを服用中に授乳させてしまって、子供には悪影響は無いのか、と心配されるお母さんがいます。
授乳も止めかけているわけで、乳汁の分泌量も減ってるだろうし、飲ませたって言っても、そんな複数回のませてないだろうし。
恐らく心配するような影響は無いだろうという見解。
母乳育児のメリット
母乳育児のメリットとして代表的なのが、児の感染症の予防効果である。
母乳に含まれる免疫グロブリン(IgA)や各種の抗菌因子の影響と考えられており、実際、乳幼児期の中耳炎などの発症率が母乳栄養児では人口乳の児に比べて半分以下だったなどの研究結果が示されている。
そのほか、児の認知機能に対する母乳栄養の好影響についても、多くのコホート研究により示されている。
母親に対しても、分娩後の出血防止のほか、長期的な疾患の予防効果が知られており、母児間の愛情・絆の形成につながるなど親子関係の構築に重要であるとされている。
授乳中の母親に薬物療法が必要になった際、安易に授乳を中止するよう指示するケースもいまだ散見されるが、一度中断してしまうと母乳の再開は容易ではなく、結果的に母乳栄養の終了につながるケースも少なくない。母乳栄養の様々なメリットを踏まえ、安易に中断を促すことは避けるべきである。
完全母乳とビタミンD欠乏
母乳で育てた方が自然である。
自然は素晴らしい、というナチュラリスト的な考えからすると人工ミルクは邪道となりますが、人工ミルクの良い点もあります。
人工乳で不足する栄養素もあれば、母乳で不足する栄養素というのもある。
母乳で不足する栄養素の代表格がビタミンDである。
新生児のビタミンD欠乏はよく見られ、新生児全体の3割以上が正常値下限を下回るとの報告もある。
また、一般に母乳中のビタミンD含有量は人工乳の1割以下しかなく、完全母乳栄養で育てられる乳児ではビタミンDが欠乏しがちである。
実際、人工乳のみ、または人工乳と母乳を併用している乳児では、ビタミンD欠乏を来す頻度は低い。
つまり、乳児のビタミンD欠乏は、完全母乳栄養かつ生後6か月以内に多くみられるのが特徴といえる。
昨今、日光を避ける女性も増えている。
完全母乳栄養で育児中の母親には、子供とともに日光を浴びたり、ビタミンDを多く含む食事を摂るように指導する。
なぜ母乳は大切なのか
母乳は栄養のバランスがよく、免疫グロブリン(特にIgA抗体)やリゾチーム、補体、ラクトフェリン、ビフィズス菌成長因子など感染症を防ぐ因子も含まれている。
また、児のアレルギーや肥満を防いだり、IQ(知能指数)に良い影響を与えるとの報告がある。
母親側のメリットもある。
授乳は、母乳の分泌を促したり、分娩後の出血を抑えて子宮を元に戻す作用を持つオキシトシンの分泌を促進させる。
卵巣がんや閉経前の乳がんの発症リスクを低下させるという報告もある。
授乳という行為に伴う母子の精神的な絆の形成も重要だ。
授乳回数は児にもよるが、生後1~2カ月で1日7~8回にもなる。
1回20分としても、実に1日2~3時間母子は授乳を介して肌を触れ合うことになるのだ
授乳は安易に中断しない方がよい。
母乳が乳腺内にたまり、胸の付け根にしこりや痛みを感じるようになるからだ。
搾乳したり、乳房を冷やすといった対症療法で治まりはするが、搾乳には痛みが伴うし、授乳に比べて時間もかかる。
また、乳腺に細菌が感染しやすくなる。
この急性乳腺炎では、乳房の腫れや痛み、高熱のつらい症状に悩まされることになる。
母乳は、出産直後に乳児がよく飲むとその刺激によって多く産生されるが、断乳するとホルモンの関係で分泌量が減ってしまう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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