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ランマークの副作用予防には天然型ビタミンDが必須?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約5分52秒で読めます.
4,887 ビュー. カテゴリ:活性型ビタミンDと天然型ビタミンDの違いは?
ランマークによる低カルシウム血症予防に、新カルシチュウD3を第一三共が薬局に配っていたのは覚えていますが、
その後「デノタスチュアブル配合錠」という名前に変わって薬価収載されていた。中身は新カルシチュウD3と同じです。
薬価収載までして、ランマークとセットで処方してもらいたいという代物なのか、第一三共があざといだけなのか。
でも、ビタミン剤の保険外しといった議論もある中、厚労省がその必要性を認めて薬価収載したわけだから、こんなサプリメントみたいな代物でも、医療上必要な薬なのだろう。
デノタスチュアブルのインタビューフォームによると、
本邦において、ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブ(遺伝子組換え)を有効成分とするランマ-ク皮下注120mgの市販後、重篤な低カルシウム血症の副作用(死亡例を含む)が報告されたことから、重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、安全性速報により、カルシウム及びビタミンDの経口補充の必要性について注意喚起がなされました。その中で、ビタミンDについては、高カルシウム血症に陥る危険性を低減する観点から、ビタミンD活性化が障害されている腎機能障害患者を除き、天然型ビタミンDを使用することが注意喚起されました。しかし、低カルシウム血症の予防及び治療を行う上で、医療用医薬品として処方可能な天然型ビタミンDは存在していないため、医師の管理の下で、医療用医薬品としてカルシウム及び天然型ビタミンDを投与できる医療環境を構築する必要がありました。
医療用医薬品として販売されているビタミンD3製剤は活性型のみで、天然型が存在しないため、デノタスチュアブルを販売する必要があったという主張。
活性型ビタミンD3製剤は肝臓での代謝を受けずに効果を発揮できるので、天然型よりも効果が高い。そのため、高カルシウム血症に陥る危険性も高く、むしろ天然型ビタミンDのほうがいい、というわけだ。
でも、ランマーク投与患者に限らず、高カルシウム血症の危険性はあるわけだから、活性型ビタミンD3製剤は全部危険っていう風にも捉えられる。
サプリメント飲んでた方が安心。
ランマークやプラリアとデノタス併用は必須?
必ずと言っていいほど、ランマークやプラリア使用者はデノタスチュアブルが併用されていますが、必須なのでしょうか?
プラリアの添付文書には以下のように記載されている。
本剤投与により低カルシウム血症があらわれることがあるため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日カルシウム及びビタミンDの経口補充のもとに本剤を投与すること。ただし、腎機能障害患者や、既に活性型ビタミンDを使用している患者においては、適宜、活性型ビタミンDを使用するとともに、カルシウムについては投与の必要性を判断し、投与量を調整すること。また、投与開始後早期及びその後も定期的に血清カルシウム値を測定し、血清補正カルシウム値の変動や、痙攣、しびれ、失見当識等の症状に注意すること。
なお、本剤の国内第Ⅲ相臨床試験では、全ての患者に対して、治験期間中に毎日少なくとも600mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDが補充された。また、市販後に低カルシウム血症と報告された症例のうち、発現日が確認できた症例の約半数は、初回投与から7日以内の発現であった。
エディロールのような活性型ビタミンD製剤の併用でも問題はない。
新カルシチュウD3
ランマークによる低カルシウム血症の副作用予防にOTCの新カルシチュウD3を第一三共が勧めているとして、批判を受けている。
厚生労働省は11日、がんの骨転移で骨がもろくなるのを抑える治療薬ランマーク(第一三共)について、今年4月の国内発売開始以来、副作用とみられる重い低カルシウム血症で2人が死亡したと公表した。厚労省は同日付で、医師向けの説明書に「警告」欄を設けて注意を呼びかけるようメーカーに指示した。
これまで約7300人が使い、血液中のカルシウムが減ったことによるけいれんや不整脈などの重い副作用が32人にみられた。厚労省は7月、発症を減らすため、使用患者にはカルシウムをとらせるよう注意を呼びかけた。だが、その後2人が亡くなったため、注意喚起を強めた。
朝日新聞デジタル:骨の治療薬ランマーク、副作用で2人死亡 注意呼びかけ – アピタル(医療・健康)
” ランマークの副作用対策に特定のOTCを推奨?(Update) アポネットR研究会・最近の話題
第一三共ががん骨病変治療薬「ランマーク皮下注120㎎」(一般名=デノスマブ)の副作用防止策として、自社のOTC薬を推奨している。死亡例を出した重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、同社はランマークを投与した患者にカルシウム剤の服用を指導するよう医師に要請。ただし、医療用のビタミンD製剤を処方するのではなく、別途、OTC薬を薬局で買い求めるよう、患者への説明を求めている。
安全対策で自社OTC製品を推奨 第一三共 ランマークの副作用防止に、医療現場に不信感も
自社製品をおすすめするのは、まあ当然のようにも思えますが、副作用を機に儲けようとするような姿勢は、あざとい印象を受けます。
普通にカルシウム剤とビタミンD3製剤も処方するのではダメなのでしょうか。
毎日少なくともCaとして500mgおよび天然型ビタミンDとして400IUを投与することが推奨されている。
新カルシチュウD3以外にも、
ワダカルシュームエース、カルカルシン、カタセ錠D3などがカルシウムとビタミンD3の補充に使える。
デノタスチュアブル
デノタスチュアブルというカルシウム+ビタミンD+マグネシウムという薬がある。
処方をみたことのある薬剤師ならご存知でしょうが、ランマークあるいはプラリアというデノスマブ(RANKL阻害剤)を服用中の低カルシウム血症予防に使われる薬剤である。
デノスマブに足して使うからデノタス。
カルシウムだけじゃダメなの?と思うけど、それぞれ配合されている理由がある。
マグネシウムはカルシウムとともに骨を丈夫にする働きがあります。カルシウムやリンとともに骨を形成しています。
カルシウムとマグネシウムの比率は2:1が良いとも言われていますが、デノタスチュアブル2錠中に含まれるカルシウムは610㎎、マグネシウムは30㎎ということでマグネシウムの比率は低め。
下剤として使われる量よりもかなり少ない。カルシウムとマグネシウムが入っていると便秘するのか下痢するのか気になるが、どちらの可能性もあるだろう。
下剤として酸化マグネシウムを飲んでいる患者だとバランスが崩れてしまう。
ビタミンDがカルシウムの吸収を助けるというのは、よく知られています。
骨粗鬆症にワンアルファ、アルファロールやエディロールなどの活性型ビタミンD3製剤が使われる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。