2025年8月19日更新.2,590記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ヘパリン類似物質外用液0.3% の乳剤性と水性の違いは?

ヒルドイドローションのジェネリック

以前からあったヒルドイドローション0.3%のジェネリック変更問題ですが、令和7年8月14日より「一般名処方の標準的な記載」が変わったらしい。

今までヒルドイドローション0.3%は「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3% 」で処方箋に記載されていましたが、令和7年8月14日より「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3%(乳剤性)」と「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3%(水性)」となりました。

ヘパリン類似物質外用液0.3%(乳剤性)は白い乳液状のローションです。先発品のヒルドイドローションをはじめ、
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ラクール」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」
が該当します。

ヘパリン類似物質外用液0.3%(水性)はさらっとした透明のローションです。
以下のジェネリックが該当します。
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「日医工」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ニプロ」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ニットー」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「YD」

乳剤性のローションを使っている患者が、水性のローションに変わったら「違う薬」という認識になる。逆も然り。使用感の違いは大きい。

一般名処方で、先発希望してる患者さんに「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3%(水性)」の処方がきたらヒルドイドローション出せないから疑義照会しないといけない。

正直、乳剤性だろうが水性だろうがどっちでもいいよ、っていう医師も多いだろうから、適当に選んでる可能性も高いけど、薬局側はそうはいかない。
とりあえずどちらの製剤も在庫しておく必要がある。と思ったら、2025年8月19日現在、NITもラクールも限定出荷になっている。ヒルドイドローションを調剤するしかない。

しかも、医師がレセコン入力する際には「ヒルドイドローション」と処方入力して一般名変換するらしいから、自動的に「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3%(乳剤性)」になって、「【般】ヘパリン類似物質外用液0.3%(水性)」が処方されることはほぼ無いという話。

つまりほとんどの薬局が、ヒルドイドローションを調剤するしかなくなるというマルホの戦略というウンコな話でした。

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