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注射剤を室温に戻すまでの時間
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約1分13秒で読めます.
2,446 ビュー. カテゴリ:室温に戻してから使う
注射剤は冷たいまま打っちゃダメ?
デュピクセント皮下注ペンの添付文書を見ていたら「投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上、200mgシリンジは30分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。」と、製剤によって室温に戻すまでの時間が異なることに気づいたのと、そもそも室温に戻すまでの時間についてはっきりと指導したことがなかったことに気づいた。
注射剤は冷蔵庫に保管していますが、使用する時は冷たいままだと痛みを感じてしまうので、室温に戻してから使用します。
室温に戻すまでの時間として、おおよそ30分という認識でしたが、各医薬品の添付文書にははっきりとした時間が明示されているものもあるので、添付文書の指示に従う。
医薬品名 | 添付文書の記載 |
---|---|
アイモビーグ皮下注70mgペン | 投与約30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻してから投与すること。 |
アクテムラ皮下注162mgシリンジ/アクテムラ皮下注162mgオートインジェクター | 室温に戻しておくこと。 |
アジョビ皮下注225mgオートインジェクター/アジョビ皮下注225mgシリンジ | 投与前30分程度、直射日光を避け、室温に戻してから使用すること。 |
アドトラーザ皮下注150mgシリンジ | 投与30分前を目安に冷蔵庫から取り出し、外箱から出さずに、室温に戻しておくこと。 |
アムヴトラ皮下注25mgシリンジ | 冷蔵保存したシリンジは、使用前に個装箱に入れたまま室内で約30分間放置して室温に戻すこと。 |
イブグリース皮下注250mgオートインジェクター/イブグリース皮下注250mgシリンジ | 投与45分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくことが望ましい。 |
イベニティ皮下注105mgシリンジ | 投与前30分程度、遮光した状態(外箱に入れた状態)で室温に戻してから投与すること。 |
イラリス皮下注射液150mg | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。 |
イルミア皮下注100mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておくこと。 |
エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター/エムガルティ皮下注120mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくこと。 |
エンタイビオ皮下注108mgペン/エンタイビオ皮下注108mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。 |
エンブレル皮下注25mgクリックワイズ用0.5mL/エンブレル皮下注50mgクリックワイズ用1.0mL | 専用注入器に取り付ける約15〜30分前に室温に戻しておくこと。専用注入器に取り付けた後にキャップを外すこと。 |
エンブレル皮下注25mgシリンジ0.5mL/エンブレル皮下注50mgシリンジ1.0mL | 投与約15〜30分前に室温に戻しておくこと。室温に戻るまでは、本剤の注射針のキャップを外さないこと。 |
エンブレル皮下注25mgペン0.5mL/エンブレル皮下注50mgペン1.0mL | 投与約15〜30分前に室温に戻しておくこと。室温に戻るまでは、本剤ペン先端部のキャップを外さないこと。 |
オレンシア皮下注125mgシリンジ1mL/オレンシア皮下注125mgオートインジェクター1mL | 投与前に室温に戻しておくこと。 |
オンボー皮下注100mgオートインジェクター/オンボー皮下注100mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくこと。 |
クリースビータ皮下注10mg/クリースビータ皮下注20mg/クリースビータ皮下注30mg | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。 |
ケシンプタ皮下注20mgペン | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。 |
ケブザラ皮下注150mgシリンジ/ケブザラ皮下注200mgシリンジ/ケブザラ皮下注150mgオートインジェクター/ケブザラ皮下注200mgオートインジェクター | 投与に先立ち、室温に戻しておくこと。 |
コセンティクス皮下注150mgペン/コセンティクス皮下注300mgペン/コセンティクス皮下注75mgシリンジ | 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。 |
コパキソン皮下注20mgシリンジ | 使用時にはブリスターに入れたまま室温に戻して使用すること。 |
シムジア皮下注200㎎シリンジ/シムジア皮下注200㎎オートクリックス | 室温に戻してから投与すること。室温に戻るまでは、本剤のキャップを外さないこと。通常、室温に戻すには30分程度必要である。 |
シンポニー皮下注50mgシリンジ/シンポニー皮下注50mgオートインジェクター | 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。 |
ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ/ジルビスク皮下注23.0mgシリンジ/ジルビスク皮下注32.4mgシリンジ | 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上平らな場所に置き、室温に戻してから投与すること。その他の方法(電子レンジ、温水、直射日光等)で本剤を温めないこと。 |
ジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド | 使用する30分前にデバイスを冷蔵庫から取り出し、外箱に入れたままの状態で室温に戻すこと。 |
ステラーラ皮下注45mgシリンジ | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。 |
ストレンジック皮下注12mg/0.3mL/ストレンジック皮下注18mg/0.45mL/ストレンジック皮下注28mg/0.7mL/ストレンジック皮下注40mg/1mL/ストレンジック皮下注80mg/0.8mL | 15~30分かけて室温に戻すこと。加熱、加温しないこと。 |
ソマチュリン皮下注60mg/ソマチュリン皮下注90mg/ソマチュリン皮下注120mg | 投与前(30分程度)に冷蔵庫より取り出し、室温に戻すこと。 |
ゾレア皮下注75mgシリンジ/ゾレア皮下注150mgシリンジ/ゾレア皮下注75mgペン/ゾレア皮下注150mgペン/ゾレア皮下注300mgペン | 投与する約30分前に冷蔵庫から取り出し、外箱に入れたまま室温(25℃以下)に戻すこと。室温に戻した後、速やかに使用しない場合は、再度冷蔵保存(2-8℃)することも可能だが、室温での保存は累積48時間を超えないこと。 |
テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター | 室温に戻しておくこと。 |
デュピクセント皮下注300mgペン/デュピクセント皮下注300mgシリンジ/デュピクセント皮下注200mgシリンジ | 投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上、200mgシリンジは30分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。 |
トルツ皮下注80mgオートインジェクター/トルツ皮下注80mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくことが望ましい。 |
トレムフィア皮下注100mgシリンジ | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。 |
ナノゾラ皮下注30mgシリンジ/ナノゾラ皮下注30mgオートインジェクター | 投与30分程度前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから投与すること。室温に戻るまでは、本剤のキャップを外さないこと。 |
ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ/ビンゼレックス皮下注160mgオートインジェクター | 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、箱のまま30分以上平らな面に置き、室温に戻しておくことが望ましい。その他の方法(電子レンジや温水等)で本剤を温めないこと。 |
ファセンラ皮下注30mgシリンジ/ファセンラ皮下注10mgシリンジ | 投与30分前に冷蔵庫から取り出し、本剤を外箱に入れたままの状態で室温に戻しておくことが望ましい。 |
プラリア皮下注60mgシリンジ | 冷蔵保存(2~8℃)下から室温に戻した後、使用すること。 |
ヘムライブラ皮下注30mg/ヘムライブラ皮下注60mg/ヘムライブラ皮下注90mg/ヘムライブラ皮下注105mg/ヘムライブラ皮下注150mg | 室温に戻しておくこと。 |
ランマーク皮下注120mg | 冷蔵保存(2~8℃)下から室温に戻した後、使用すること。 |
リスティーゴ皮下注280mg | 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上置き、室温に戻してから調製すること。本剤を温めないこと。 |
ルミセフ皮下注210mgシリンジ | 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。 |
レパーサ皮下注140mgペン | 投与前30分程度、遮光した状態で室温に戻してから投与すること。 |
レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー | 投与前45分程度、遮光した状態で室温に戻してから投与すること。 |
レブロジル皮下注用25mg/レブロジル皮下注用75mg | 2~8℃で保存する場合、投与の15~30分前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻す。 |
季節によって、気温によって、注射剤が室温に戻るまでの時間は異なるだろう。そのため、「30分くらい待って、冷たくなかったら注射する。冷たかったらもう少し待つ」程度の指導でいいんじゃないか、と私の中のテキトー薬剤師が助言するのだが、医師の話やメーカーの指導箋などと異なった時間を伝えてしまうと「どっちなの?」と詰め寄ってくる患者さんもいるので正確な指導を心がけたい。
30分とか45分が多いが、容量1mLくらいだと30分、2mL、3mLくらいになると45分という感じ。デバイスにもよるので定かではない。
「その他の方法(電子レンジ、温水、直射日光等)で本剤を温めないこと。」という記載のある薬もあるが、これはどの製品にも当てはまるだろう。せっかちな患者さんだと、様々な方法で時短を試みようとするので注意する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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