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お腹が空いて吐き気がする?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分54秒で読めます.
3,145 ビュー. カテゴリ:低血糖と吐き気
低血糖の軽い症状として、頭痛、動悸、悪心(吐き気)、眠気、発汗、空腹感、不安感などが生じます。
この中の一見相反する症状である吐き気と空腹感について考えます。
低血糖状態では、糖分を補給しなければならないので、空腹感が生じるのは理にかなっています。
ではなぜ吐き気が生じるのか。
通常、血糖値が低下した際には、肝臓に貯蔵してあるグリコーゲンのグルコース(ブドウ糖)への分解、骨格筋由来のアラニンや乳酸からの糖新生などで血糖を維持する。
飢餓状態では、この他に、脂肪細胞由来のエネルギー供給も行われるようになる。まず、脂肪細胞内のトリグリセリドがグリセロールと脂肪酸に分解される。グリセロールは糖新生によってグルコースに変換されることで、脂肪酸については、β酸化によって生じたアセチルCoAがグルコースの代替エネルギー源であるケトン体に変換されることで、それぞれエネルギー源となる。ケトン体は、心筋や骨格筋、脳、副腎などで利用されるが、この際、余剰が放出されるため、血中ケトン体の上昇が認められる。
ケトン体が嘔吐中枢を刺激するという話もありますが、嘔吐が生じる原因は不明。
低血糖状態で脳のエネルギー不足に陥ると、消化に費やすエネルギーを省エネしたいので吐いてしまうというのは個人的見解。
自家中毒
2~10歳の子供で、元気だった状態が、突然吐き出し、リンゴが腐った様な臭いの嘔吐物で、何度も嘔吐を繰り返し、顔色も悪く、ぐったりする。そんな原因不明の症状を呈する病気が、周期性嘔吐症、別名自家中毒です。
また、尿にケトン体が多量に検出されるため 「アセトン血性嘔吐症」 とも呼ばれる。
これに低血糖を合併すると、「ケトン性低血糖症」になる。
ケトン血性低血糖症は、食事量が不足しているときのケトーシス(血中ケトン体の増加)を伴う低血糖のことで、小児で起こる低血糖のうち30~50%を占めると考えられている。
片頭痛の一種ともいわれ、小児周期性症候群(周期性嘔吐症、腹部片頭痛、良性発作性めまい)という考え方も広がってきており、これらは片頭痛と原因が似ており、将来片頭痛に移行することも多いとされている。
周期性嘔吐症の治療
フェノバールは本来、抗けいれん剤で、てんかんなどに使われますが、中枢神経系の広範囲に抑制的に働き、鎮静、傾眠作用を示すことから、周期性嘔吐症の治療に用いられることがあります。
周期性嘔吐症は、ストレスに対して神経が過敏に反応し過ぎて吐き気が起こると考えられています。
フェノバールは、高ぶった神経を鎮める働きがあるので、吐き気を起こさないようにする効果が期待できます。
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