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人にも寄生する犬の寄生虫
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分32秒で読めます.
1,637 ビュー. カテゴリ:人獣共通感染症
薬局に犬用の薬が置いてあります。
動物用医薬品 | 内外製薬株式会社 (naigai-pet.com)
犬の胃腸薬、目薬、皮膚病薬、風邪薬、虫下しなどがあります。
犬は自覚症状を詳しく訴えられないので、飼い主の判断で薬を使うことになる。
目の症状や、皮膚の症状は、外観でおかしいと気づくだろう。風邪症状も人間同様、くしゃみ鼻水などが現れるようだ。食欲不振や便の状態などで胃腸症状もわかる。
自分がよくわからなかったのは、虫下しの使用判断である。
肛門からミミズのような虫が出ていれば、気持ち悪いので虫下しで殺してしまいたいだろう。
気持ち悪いということだけではなく、犬の寄生虫が人間にも感染する恐れがあります。
動物の体内に潜む寄生虫や細菌が人にも感染し害をおよぼす感染症を、「人獣共通感染症=ズーノーシス」といいます。
犬を飼ったことがないので、よく知りませんでしたが、虫下しを年1回定期的に使ってズーノーシスを予防している飼い主もいるようだ。
犬の虫下し
犬の虫下しの成分は、「クエン酸ピペラジン」と「サントニン」である。
人間用の医薬品でこれらの成分を含有しているものはない。
犬の虫下しの適応は「犬の回虫及び鉤虫(十二指腸虫を含む)の駆除」となっている。
犬の寄生虫の種類には、犬回虫、犬鞭虫、犬鉤虫、犬小回虫、糞線虫、コクシジウム、ジアルジア、瓜実条虫、マンソン裂頭条虫、エキノコックス、フィラリア(犬糸状虫症)などがある。
これらの寄生虫に人間が感染した場合、何の薬を使えばよいのだろうか?
ストロメクトール(イベルメクチン)の適応は、「腸管糞線虫症」
コンバントリン(ピランテルパモ酸塩)の適応は、「回虫、鉤虫、蟯虫、東洋毛様線虫の駆除」
スパトニン(ジエチルカルバマジンクエン酸塩)の適応は、「フィラリア」
メベンダゾール(メベンダゾール)の適応は、「鞭虫症」
となっている。
イベルメクチンは、糞線虫にしか適応はないが、腸管の寄生虫に広く効果があるようだ。
疥癬に対する処方でしか見たことはないが、ズーノーシスで処方されるかも知れない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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