2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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リズモンTGはチモプトールXEのジェネリックじゃない?

チモプトールXEからリズモンTGに変更できない?

Q.チモプトールXEからリズモンTGに変更?
A.チモプトールXEよりもリズモンTGのほうが、涙液動態への影響と角膜上皮バリア機能の低下が少ない可能性があると考えられています。チモプトールXE、リズモンTGは共に、徐放性のチモロール点眼液です。
チモプトールXEは涙液中のイオンにより角膜上でゲル化します。一方リズモンTGは熱に反応しゲル化した後、結膜嚢に滞留します。
成分によるものか防腐剤によるものか、又は徐放の形式によるものかは不明ですが、リズモンTGのほうが涙液層破壊時間や角膜のバリア機能の低下が少ない可能性があるという報告があります。
そのため、目への影響を考慮してリズモンTGに変更されたものと考えられます。チモプトールXEからリズモンTGに変更? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

チモプトールよりもリズモンのほうが目に優しいと。

リズモンTGってジェネリックだと思ってたら、違った。

しかし、熱に反応してゲル化ってことで、冷所保存の指示があります。

管理はチモプトールのほうがしやすいかな。

リズモンTGとチモプトールXE

リズモンTGとチモプトールXEは同じ「チモロールマレイン酸塩」で、1日1回の点眼でよい持続性点眼液です。

つい最近までリズモンTGはチモプトールXEのジェネリックだと思っていました。
そしてもう1つ注意点が。

チモプトールXEにジェネリックはあるけど、リズモンTGにジェネリックは無い。
ジェネカルで検索してもリズモンTGにジェネリックは無い。

なぜだろう。
一般名処方で、チモロールマレイン酸塩点眼液(持続性)とか処方されても、リズモンTGを出しちゃダメ、ってことになる。
一般名処方で、アムロジピンベシル酸塩ときたら、アムロジンでもノルバスクでも良い。
リズモンTGとチモプトールXEは併売ってわけじゃないんだろうけど。

添付文書上は、貯法の違いくらいしか無いと思いますが。
リズモンTG:しゃ光、10℃以下保存
チモプトールXE:気密容器、遮光、室温保存(凍結を避けること)

そのくらいなら、キサラタンとキサラタンのGEでも違うし。

制度上変更できない、ってことなのだろうけど、なんか矛盾を感じてしまう。

リズモンTGは冷蔵庫に入れると溶ける?

緑内障は、眼圧の上昇におって視神経乳頭部網膜神経節細胞の軸索が圧迫や傷害を受け、視野狭窄や視機能低下が生じる疾患である。
治療は眼圧をコントロールする薬物療法が中心であり、作用機序の異なる様々な治療薬が存在する。

リズモンTG(チモロールマレイン酸塩)はβ遮断薬であり、1日1回の点眼で眼圧コントロールが可能な持続性の薬剤である。
添加物にゲル化剤であるメチルセルロースを配合し、その粘性によって角膜嚢中から薬剤を徐々に放出させることで持続効果を付与している。
リズモンTGは10℃以下の冷所で保存されている間は液状(ゾル)で、点眼した後に眼表面でゲル化する。

通常、メチルセルロースのゲル化温度は約55℃であるが、クエン酸ナトリウムを添加することでゲル化温度を眼表面の32~34℃にまで低下させている。
また、クエン酸ナトリウムの添加によって浸透圧が上昇するが、水溶性基剤であるマクロゴール4000を加えることでクエン酸ナトリウムの添加量を減少させ、浸透圧の上昇と眼刺激性を抑制している。

冷蔵庫での保管を忘れてしまい、ゲル化して点眼できなくなってしまった場合は、冷蔵庫(10℃以下)内に約30分間入れておくと、可逆的ゾル-ゲル相転移によってふたたび液状になる。
チモロールマレイン酸は室温でも安定な物質であるため、冷蔵庫に入れ忘れたとしても変質することはなく、その後も継続して使用できる。
また、急を要する場合には冷凍庫か氷などで1~2分間冷やせば液状になるが、点眼液を凍らせないよう注意する。
リズモンTGと有効成分が同じチモプトールXEも、ゲル化の技術を応用した緑内障治療薬である。
温度変化によってゲル化するリズモンTGに対して、チモプトールXEは涙液中のナトリウムイオンと重合体を形成しゲル化する。
そのため、チモプトールXEは冷蔵庫に入れる必要がない。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションSTANDARD篇

ゲル状の点眼薬

ゲル化する点眼薬とそれ以外の点眼薬を併用する場合には、点眼する順序や間隔に注意をする必要があります。

複数の点眼薬を使うときには、先にゲル化以外の点眼薬をさしてから、10分以上の間をあけてゲル化する点眼薬を一番最後に使うようにします。

これは、ゲル化した点眼薬の影響でほかの点眼薬の吸収がさまたげられたり、ほかの点眼薬と混ざることで、ゲル化温度が変化して、眼の表明でゲル化しなくなるおそれがあるからです。

点眼薬は、最初からゲル化していては点眼することができません。

使うときには液状(ゾル)で、点眼した後にゲル化させる必要があります。

その代表的な点眼薬に、緑内障治療点眼薬であるチモプトールXE点眼液やリズモンTG点眼液があります。

①カチオン結合ゲル化基剤(チモプトールXE点眼液)
・涙液のナトリウムイオンやカルシウムイオンと反応してゲル化
・ゲル化は角膜、結膜表面全体
・角膜でゲル化するため霧視が起こりやすい
・常温保存

②熱応答ゲル化基剤(リズモンTG点眼液)
・ゲル化剤が、温度が上がると固まるという性質を利用しゲル化
・ゲル化は結膜表面(表面温度が角膜よりも結膜の方が高いため)
・結膜でゲル化するため異物感、刺激感が起こりやすい
・冷所保存

このようなゲル化点眼液は、1日1回点眼で、24時間にわたる効果を示すためコンプライアンスの向上につながります。

ミロルはなぜ24時間効くのか?

ミロルは水溶性の1日1回タイプのβ遮断点眼剤です。

ミロルの24時間にわたる持続的な眼圧下降効果は、有効成分であるレボブノロール塩酸塩と活性代謝物ジヒドロレボブノロールによります。

添加物によって粘性を高めたタイプの持続性点眼剤ではありません。

また、ミロル1日1回点眼で眼圧下降効果が不十分な場合は、1日2回に変更することでさらなる眼圧下降効果が得られることがあります。

ミロルは、1剤で2つの使い方ができる薬剤です。

24時間効果が持続する理由

ミロルの有効成分であるレボブノロール塩酸塩は点眼後、眼組織内でジヒドロレボブノロールに代謝されます。

代謝後もβ受容体と結合する側鎖部分は変化しないことから、ジヒドロレボブノロールはレボブノロール塩酸塩と同程度のβ遮断作用を有します。

そのため、24時間後まで虹彩、毛様体に有効濃度が存在し、持続的な眼圧下降効果を発揮します。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

2 件のコメント

  • 元しおのぎ のコメント
         

    リンデロン点眼液は濃度が薄い分、眼圧をあげにくいようです。

  • 匿名 のコメント
         

    わかもとだと「オフロキサシンゲル化点眼液」ってのがあって、リズモンTGと同じように扱いますね。位置づけとしてはタリビッド点眼液よりしっかり使いたいけど眼軟膏ほどじゃない場合

コメント


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