2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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薬と相互作用のある飲食物一覧

薬と飲食物の相互作用

薬剤師

薬と食事の内容って関係あるの?

薬歴の記載項目に、

飲食物(現に患者が服用している薬剤との相互作用が認められているものに限る)の摂取状況

というのがある。

「何か健康のために飲んだり、食べたりしているものはありますか?」
と聞いてみて、何かあれば、薬との相互作用があるかどうか確認する必要がある。

添付文書上に載っているものとしては以下のような薬がある。

飲食物相互作用
青汁ワーファリン
赤ワインMAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、ザイボックス
アルコール(飲酒)ワーファリン、アセトアミノフェン、メトホルミン、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、サイクロセリン、ザイアジェン、タリージェ、ディアコミット、デムサー、ニトロダームTTS、ネオレスタミンコーワ散、バイカロン、ヒベルナ、フィコンパ、フラジール、ブコラム口腔用液、ミニトロテープ、メファキン、リリカ、レスタミンコーワ、ロゼックスゲル
牛乳、乳製品Ca製剤、エストラサイト、酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、シプロキサン
グレープフルーツジュースCa拮抗薬、アイクルシグ、アドシルカ、アフィニトール、アブストラル舌下錠、アムノレイク、アメナリーフ、アルンブリグ、イブランス、イレッサ、インライタ、イーフェンバッカル、エドルミズ、オーラップ、カボメティクス、グラセプター、グリベック、コララン、コルヒチン、サデルガ、サムスカ、サンディミュン、サーティカン、ザルティア、シアリス、ジャクスタピッド、スプリセル、スーテント、ゼンタコート、タイケルブ、タシグナ、タルセバ、テグレトール、トラクリア、パルタンM、ブコラム口腔用液、プレタール、プログラフ、ラパリムス、リアメット配合錠、リピトール、リポバス、ルパフィン、 レクタブル2mg注腸フォーム、レグパラ、レミッチ、レルパックス、ロズリートレク、ロナセン、ローブレナ、ヴォトリエント
クロレラワーファリン
コーヒーディアコミット、フェルム
コーラディアコミット
そら豆エフピー
チーズMAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、イスコチン、ザイボックス
チョコレートディアコミット
納豆ワーファリン
にしんエフピー
バナナエフピー
ビールMAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、ザイボックス
マグロイスコチン
レバーエフピー
紅茶ディアコミット
酵母エフピー
日本茶(緑茶)ディアコミット、フェルム

やっぱり広い範囲で注意が必要なのはグレープフルーツジュースですね。

薬の方では、MAO阻害薬が色んな食品との相互作用があるので注意が必要です。

頻度が多いのは、やはりアルコールとの相互作用だろう。飲酒習慣については聴取しておくことが必要。

酸化マグネシウムと牛乳についても注意は必要ですが、「心配しないように」という助言も必要。

ハイリスク薬について「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」でも、「一般用医薬品やサプリメント等を含め、併用薬及び食事との相互作用の確認」という確認事項があるが、ハイリスク薬であれば、ワーファリンと納豆、テオフィリンとカフェイン(お茶、コーヒーなど)が注意すべき飲食物との相互作用である。

医薬品と食品の相互作用

医薬品と食品の相互作用といえば、納豆とワーファリン、Ca拮抗薬とグレープフルーツジュースなどが有名です。
主なものは以下のとおり。

医薬品食品
Ca拮抗薬グレープフルーツジュース
アムノレイク牛乳、高脂肪食
イソニアジドチーズ、マグロ
インビラーゼニンニク
エストラサイト牛乳、乳製品
エフピーチーズ、レバー、にしん、酵母、そら豆、バナナ、ビール、ワイン
オクソラレンセロリ、ライム、ニンジン、パセリ、イチジク、アメリカボウフウ、カラシ
ザイボックスチーズ、ビール、赤ワイン
酸化マグネシウム大量の牛乳
チガソン牛乳、高脂肪食
テオフィリンコーヒー
ドラール食物
ニューキノロン系抗菌薬牛乳
ノベルジン食物
ビスホスホネート製剤水以外の飲料、食物
フェルム濃い緑茶、コーヒー
メタライト食物
ワーファリン納豆、クロレラ食品、青汁

健康食品(サプリメント)に関しては、未だ相互作用の判明していないものも多いと思われるので、薬効に影響を及ぼす可能性は否定できない。
偏った食生活も同様に注意する必要がある。

薬が食物の吸収に与える影響

薬と食物の相互作用についてみるとき、いつも薬中心に相互作用を見ていると、薬の働きにどう影響するのか、という視点からしか見えない。

逆に、薬が食物の吸収にも大きく影響することがある。

キレート化や吸着によってミネラル吸収量が低下したり、薬効の発現によってもたらされる分布の変化、排泄の亢進や低下、代謝の変動によってミネラル・微量栄養素の栄養状態が変化し、欠乏や過剰による障害がもたらされる。

食品と食品の相互作用

薬に相互作用があるように、食べ物にも相互作用がある、かもしれない。

うなぎと梅干し、天ぷらとスイカなど、食べ合わせの悪い食べ物の言い伝えがあります。
しかし、医学的根拠は無いようです。

脂肪の多いウナギは梅干を一緒に食べるとついつい食べ過ぎてしまうため、消化不良を起こしやすい。
天ぷらの様な脂っこいものの後に、おなかを冷やす様な冷たく冷やしたスイカなどを食べると、胃腸をこわして下痢をしやすくなる。
というような理由が挙げられています。

アセトアミノフェンとキャベツ

アセトアミノフェンとキャベツは飲み合わせが悪いそうです。
聞いたことありませんでした。
添付文書には書いてありません。
キャベツに含まれるグルクロン酸がアセトアミノフェンの代謝を促進するからとのこと。

アセトアミノフェンと炭水化物

他にも、あんこのような糖分の多い食品を食べるとアセトアミノフェンとくっついて吸収が遅れるそうです。
米やパン、麺類のような炭水化物も同じく。
食事とは間隔を空けたほうがいいのか?
しかし、アセトアミノフェンはなるべく食後で服用となっている。
添付文書に記載されてないので、相互作用はあるけど、薬効に影響を及ぼすほどのものじゃ無いと理解してよいかな。
それに食事をきちんと取るほうが、アセトアミノフェンごときの薬を飲むより重要。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師
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