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NSAIDs潰瘍の一次予防にPPI使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約1分23秒で読めます.
2,020 ビュー. カテゴリ:消化性潰瘍の既往歴の無い患者にPPIの投与は無意味?
NSAIDsの処方が継続して出ている患者にPPIが併用されることはよくある。
患者に聞いても、消化性潰瘍の既往は無いことが多い。
しかし、添付文書上認められている効能効果は、「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」であり、「再発抑制」なので、消化性潰瘍の既往が無ければ保険適応外ということになる。
しかし、「消化性潰瘍診療ガイドライン2020」では、PPIの一次予防投与が推奨されている。
潰瘍既往歴がない患者におけるNSAIDs 潰瘍発生予防治療は有用か?
推奨 ・NSAIDs潰瘍の発生予防は潰瘍既往歴がない患者においても必要であり、PPIによる予防を行うよう提案する。【推奨の強さ:弱(合意率100%)、エビデンスレベル:A】(NSAIDs服用例での潰瘍一次予防にPPIは保険適用外)
NSAIDs潰瘍の発生頻度について、重篤副作用疾患別対応マニュアル「消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変、NSAIDs 潰瘍)」には以下のように記載されている。
NSAIDs 潰瘍の発症頻度は予防薬を併用しない場合、海外 のメタ解析では胃潰瘍の発生率は 14.2%(3.4-48.6%)、十二指腸潰瘍発生率は 5.4%(0-26.7%)と報告されている。 日本で 3 ヶ月以上の NSAIDs 服用者では、 胃潰瘍を 10-15%、十二指腸潰瘍を 2%に認めた。
NSAIDs潰瘍の発生頻度は高いわけで、PPIがより効果的であればPPI併用するよね。
医師にとってはガイドライン>添付文書だし、ガイドラインで推奨されていれば普通に使うし。
厚生局や上司からは疑義照会しろと指導されるが、疑義照会すると「こんなことも知らないのか」と医師から怒られる。どうすりゃいいんだと各自うまいこと立ち回るのが薬剤師。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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