2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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アテキュラとエナジアの違いは?

LABA/LAMA/ICS配合喘息治療剤

2020年06月29日に、 LABA/LAMA/ICS配合喘息治療剤「エナジア吸入用カプセル中用量、高用量」と、LABA/ICS配合喘息治療剤「アテキュラ吸入用カプセル低用量、中用量、高用量」 の製造販売承認が取得された。

吸入剤の種類、デバイスがロタディスクだけだった頃が懐かしい。今やついていけていない現状。 吸入薬指導加算を算定するためにも、覚えておかなければならない。

分類医薬品名成分デバイス適応症息止め
β2刺激薬(SABA)サルタノールサルブタモール硫酸塩インヘラー喘息、COPD少なくとも3~4秒以上
メプチンプロカテロール塩酸塩水和物エアー、キッドエアー、クリックヘラー、スイングヘラー、吸入液喘息、COPD数秒間
β2刺激薬(LABA)オンブレスインダカテロールマレイン酸塩ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
オーキシスホルモテロールフマル酸塩水和物タービュヘイラーCOPD不要
セレベントサルメテロールキシナホ酸塩ロタディスク、ディスカス喘息、COPD少なくとも3~4秒以上
抗コリン薬(LAMA)シーブリグリコピロニウム臭化物ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
エクリラアクリジニウム臭化物ジェヌエアCOPD3~5秒程度(苦しくならない程度)
エンクラッセウメクリジニウムエリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
スピリーバチオトロピウム臭化物水和物レスピマット、ハンディヘラー喘息、COPD(2.5μg)苦しくならない程度の間
抗コリン薬(SAMA)アトロベントイプラトロピウム臭化物水和物エアゾールCOPD数秒間
抗コリン薬(LAMA)+β2刺激薬(LABA)アノーロウメクリジニウム/ビランテロールエリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
ウルティブログリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩ブリーズヘラーCOPD苦しくならない程度
ビベスピグリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアロスフィアCOPD3秒以上
スピオルトチオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩レスピマットCOPD苦しくならない程度
ステロイドオルベスコシクレソニドインヘラー喘息5~10秒間
キュバールベクロメタゾンプロピオン酸エステルエアゾール喘息ゆっくち5つ数える間
パルミコートブデソニドタービュヘイラー、吸入液喘息不要
アズマネックスモメタゾンフランカルボン酸エステルツイストヘラー喘息軽く息を止める
フルタイドフルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスク、ディスカス、エアゾール喘息少なくとも3~4秒以上
アニュイティフルチカゾンフランカルボン酸エステルエリプタ喘息少なくとも3~4秒以上
ステロイド+β2刺激薬(LABA)フルティフォームフルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアゾール喘息3秒以上
レルベアビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステルエリプタ喘息少なくとも3~4秒以上
シムビコートブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物タービュヘイラー喘息、COPD不要
アドエアサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステルディスカス、エアゾール喘息、COPD3~4秒程度
アテキュラインダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステルブリーズヘラー喘息苦しくならない程度
ステロイド+β2刺激薬(LABA)+抗コリン薬(LAMA)テリルジーフルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/
ビランテロールトリフェニル酢酸塩
エリプタCOPD少なくとも3~4秒以上
ビレーズトリブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物エアロスフィアCOPD3秒以上
エナジアインダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステルブリーズヘラー喘息苦しくならない程度

アテキュラの中用量・高用量とエナジアの中用量・高用量の違い

アテキュラもエナジアもノバルティスファーマの製品で、ブリーズヘラーがデバイスです。

アテキュラの成分は、インダカテロール酢酸塩(β2刺激薬)、モメタゾンフランカルボン酸エステル(ステロイド)の2成分の合剤。

低用量、中用量、高用量の3規格がある。
インダカテロールの成分は150μg でいずれも同じだが、 モメタゾンフランカルボン酸エステルの量が、80μg 、160μg、320μgの3規格となっている。

エナジアの成分は、 インダカテロール酢酸塩(β2刺激薬)、グリコピロニウム臭化物(抗コリン薬)、モメタゾンフランカルボン酸エステル (ステロイド)の3成分の合剤。

中用量、高用量の2規格がある。
こちらもインダカテロールの成分は150μg でどちらも同じだが、 モメタゾンフランカルボン酸エステルの量が、80μg 、160μgの2規格となっている。

つまりアテキュラの中用量・高用量とエナジアの中用量・高用量ではステロイドの成分量が異なる点に注意が必要。アテキュラの成分量のほうがエナジアの成分量よりも多い。

ただし、エナジアの添付文書に以下の文言が記載されている。

モメタゾンフランカルボン酸エステルの配合量は、本剤中用量とアテキュラ吸入用カプセル中用量で、また本剤高用量とアテキュラ吸入用カプセル高用量でそれぞれ異なるが、肺に到達し薬効発現が期待されるモメタゾンフランカルボン酸エステルの粒子量は、中用量同士、高用量同士で同程度である。

つまり、エナジアに含まれる抗コリン薬の気管支拡張作用によって、ステロイドの肺到達率が上がり、少ないステロイド量でもアテキュラと同程度の到達率になるということか。

しかし、薬効発現としては同程度であっても、肺には到達しないステロイドが引き起こすであろう副作用のリスクは上がると考えられる。

ブリーズヘラー用センサー

新しいブリーズヘラーで、スマホとの連動で吸入確認や主治医への服薬記録共有が可能になるという。

ブリーズヘラー用センサーとは「ブリーズヘラー」用にプロペラ・ヘルス社により開発された「ブリーズヘラー」に装着するセンサーとスマートフォン用のアプリで構成されます。このブリーズヘラー用センサーは、吸入確認、服薬リマインダー、および患者が選択すれば主治医に日々の服薬の記録を共有することが出来ます。

具体的なことはまだ不明だが、センサー内臓のブリーズヘラーを使用することで吸入確認ができるという。主治医だけでなく、薬剤師にも情報が共有されるといいな。

通常ブリーズヘラーはカプセルといっしょに薬局から渡しますが、恐らくセンサー内臓ブリーズヘラーは患者個々に識別が必要なので、医師から渡されるものと思われる。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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