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変えていいけど変えないほうがいいジェネリック
公開. 更新. 投稿者:製剤/ジェネリック.この記事は約3分17秒で読めます.
10,906 ビュー. カテゴリ:変更不可じゃないけど
ジェネリックで変更不可ってありえなくない?
法的には、変更調剤不可ではないけど、変更しないほうが良い、というジェネリック、あるいは先発品がある。
そもそも、先発品から後発品(ジェネリック)への変更調剤はデリケートな問題でもあり、一旦変更しても、「薬が合わなかった」「返金してくれ」という要望を受けることもあり、錠剤の大きさや色、形、シートの色など細かい違いに関しても気になるという患者はいる。
また、ジェネリック医薬品を好きじゃない医師、というのもいて、それに忖度する形で、「処方箋上変更不可にはしていないけれど変更はしない」という」スタンスの門前薬局もあるだろう。
面で受けている薬局にとっては、患者の同意さえ得られればジェネリックへの変更調剤をするのが基本スタンスです。
しかし、「別のジェネリックに変えていいよ」と言われても、変更することがはばかれる、後でトラブルになるんじゃないか?と変更調剤に躊躇する薬がある。
ビーソフテンローション
ビーソフテンローションはヒルドイドローションのジェネリックです。
塗り薬はとくに、今まで使っていた薬があった場合、「使用感が異なる」というクレームが生じやすいので変更調剤にはより一層注意する必要がある。
軟膏はさほど大きな違いは無いが、ローションだと乳状のタイプとさらっとした液状のタイプのものがあり、ヒルドイドローションは白い乳液状のローションでビーソフテンローションは透明なさらっとした液状タイプになる。
この場合使用感が大きく異なるので、基本的には変更しないほうがよい。
ヒルドイドローションとビーソフテンローションの同時処方?|リクナビ薬剤師https://rikunabi-yakuzaishi.jp/contents/hiyari/044/
PF点眼液
日本点眼から販売されているジェネリックで「PF」と付く目薬は、PFデラミ容器といって特殊な構造の点眼液です。
デラミ容器(二重ボトル)で細菌等の侵入を防ぎ、内容液を無菌に保つことができるので、防腐剤無添加で目に優しいという特性を持ちます。
ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液などの処方が来た場合、眼科医のこだわりが感じられるので変更調剤はしないほうが無難です。
ヒルドイドフォーム
ヒルドイドフォームは剤形の分類上、ヘパリン類似物質外用泡状スプレーやヘパリン類似物質外用スプレーと同じであり、それらと変更調剤が可能である。
泡状スプレーとスプレーが同じ剤形でひとくくりにされているのもどうかと思いますが、変更調剤は避けたほうが良い。
泡状スプレーへの変更ならまだ許せるかな、と思いきや、ヒルドイドフォームの1本の容量は92g、その他のヘパリン類似物質外用泡状スプレーが大体1本100gなのでそもそも変更調剤できません。
イドメシンコーワクリーム
これもヒルドイドフォームと同じ作戦ですが、イドメシンコーワクリームは1本35gと1本70gの2規格です。
これに対して、ジェネリックのインドメタシンクリームは、25gと50g。
そもそもインテバンクリームのジェネリックなのかも知れませんが、外用剤はこのように1本あたりの容量を変えれば、ある程度シェアを守ることができます。
半端分を容器に詰めて渡すことも可能ですが、手間と時間と、使いやすさを考えると変更調剤しないほうがよい。
基礎的医薬品
そもそも基礎的医薬品の対象品目がよくわかっていませんが、古い抗生剤が処方されたときなどには注意しています。
疑義解釈的には、基礎的医薬品のジェネリックへの変更は認められているケースのほうが多い。
【後発医薬品への変更調剤】
(問)処方せんにおいて変更不可とされていない処方薬については、後発医薬品への変更調剤は認められているが、基礎的医薬品への変更調剤は行うことができるか。
(答)基礎的医薬品であって、平成28年3月31日まで変更調剤が認められていたもの (「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができる。 なお、その際にも「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日付け保医発0305第12号)に引き続き留意すること。
ただ、「平成28年3月31日まで変更調剤が認められていたもの」というくくりの判断がよくわからないので、いちいち調べるよりも「基礎的医薬品はジェネリックに変更しない」としてしまったほうがわかりやすい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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