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腎結石に尿管ステント?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約5分43秒で読めます.
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尿管ステント
腎結石をよく起こす患者が、尿管ステントを入れているという話を聞いた。
尿管ステントとは、体内の尿路(おしっこの通り道)に入れる管(チューブ)のことです。一般的には、尿路結石手術後に留置されます。
腎結石が尿管に移動して尿管結石になって、尿道炎になって膀胱炎になったり、腎盂腎炎になったりすると危ない。
また尿管結石は、世界三大激痛に挙げられるほど、強い痛みを伴うので、その症状緩和のためにも尿管ステントが有効です。
また、水腎症という、尿路の通過障害によって腎臓でつくられた尿が停滞し、腎臓が内側から腫れた状態(腎盂・腎杯が拡張した状態)の患者でも尿管ステントが使われることがあります。
尿道カテーテルもそうですが、入れる場面を想像しただけで痛い。しかし尿管結石の排尿時痛に比べたらマシなのでしょう。
また、尿管ステントを入れると初め、残尿感が続くと聞きます。
尿管ステントの膀胱側の管を異物、尿と判断して体が反応してしまうようです。
尿路結石のある人は牛乳飲んじゃダメ?
尿路結石の8割以上はカルシウム結石です。
だからカルシウム摂取制限が必要、と言われることがある。
しかし、カルシウムの取りすぎで結石が出来ることはほとんど無く、むしろ少ないことの方が結石の心配があります。
尿路結石は8割以上がカルシウム結石です。しかし、高カルシウム尿は結石の形成にあまり影響せず、むしろ高シュウ酸尿が主な危険因子であることがわかってきました。
尿中のシュウ酸を減少させるためには、カルシウムを多く摂って腸管内でシュウ酸と結合させて不溶性のシュウ酸カルシウムを便として排泄させることが結石生成の予防になります。
尿路結石のある人には尿中カルシウム値が高い人が多く、再発予防の目的でカルシウムの摂取制限が行われてきました。
しかし、カルシウムは腸管内でシュウ酸と結合して便として排泄されるので、カルシウムを多く含む牛乳は、シュウ酸が体内に吸収されて尿中に排出されるのを減少させる効果があります。
カルシウムがリスク因子というわけではない。
シュウ酸を便から排泄させるためにカルシウムは必要。
なので、逆にカルシウムを積極的に摂ったほうが良いらしい。
尿路結石とは?
尿路(腎・尿管・膀胱・尿道)に結石のあるものを尿路結石という。
尿路結石は、上部尿路結石(腎尿管結石)と下部尿路結石(膀胱)に大別され、前者が95%以上を占める。
下部尿路結石は、前立腺肥大症、神経因性膀胱、慢性尿路感染症などの泌尿器科的な基礎疾患に合併して発生する場合がほとんどである。
現代人の偏った食生活を反映し、尿路結石の患者は近年増加傾向にある。
尿路結石は、尿中のカルシウムやマグネシウム、尿酸などが腎臓で結石となり、尿酸などが腎臓で結石となり、尿管や膀胱等に詰まって激しい痛みを起こす疾患である。
結石の成分は、90%がシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのカルシウム結石であり、その他、尿酸結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石、シスチン結石などがある。
わが国の調査では毎年10万人当たり約100人が発症しており、生涯罹患率は100人当たり4~5人程度と報告されている。
結石の成分は?
尿路結石の中でも圧倒的に多いのがシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムを主成分とするもので、次いでリン酸マグネシウムアンモニウム、尿酸、シスチンの順となっている。
結石が小さければ、保存療法を行いながら自然排出を待つ。
一方、結石が大きく自然排出が困難な時は、内視鏡的に砕石・吸引したり、体外からの衝撃波によって結石を粉砕させるといった治療が行われる。
ただし、これらの方法で結石が取り除かれた場合でも再発率は3年間で約50%と高い。
成因については、不明な部分が少なくないが、痛風患者では尿路結石の発生率が高いことが知られている。
このことは、高尿酸血症が尿路結石の形成を促進していることを示している。
また、高尿酸血症患者にみられる尿路結石であっても、尿酸結石より、シュウ酸カルシウム結石の方が多いことがわかっている。
なぜ尿酸がシュウ酸カルシウム結石の形成を促進するかについては、①尿酸結晶が酸性ムコ多糖類と結合することで、酸性ムコ多糖類が持つシュウ酸カルシウム結晶の形成抑制効果が減弱し、シュウ酸カルシウム結晶が成長するという説②尿酸結晶が尿細管内腔を閉塞し、尿流停滞が生じた結果、シュウ酸カルシウム結晶の成長が促されるという説、などが考えられている。
尿路結石のある人はほうれん草を食べちゃダメ?
結石の再発予防では食事療法が重要視されている。
水分の摂取は結石成分が何であれ、尿路結石の再発予防法の第一に挙げられる。
これは尿中の尿路結石形成物質の濃度を低下させるのに加え、尿の流れをよくするためである。
また、シュウ酸カルシウム結石の形成ないし再発には、尿中のシュウ酸が深く関与していることが知られており、同結石の既往歴がある患者では、ほうれん草やたけのこ、チョコレート、緑茶・紅茶など、シュウ酸を多く含む食品の摂取を控えるよう指導する。
シュウ酸カルシウム結石とカルシウム
食事療法に関し、従来はシュウ酸カルシウム結石の再発率はカルシウム濃度と相関すると考えられており、カルシウムの摂取制限が行われてきた。
しかし、カルシウム摂取量の多い群ほど結石発生の頻度が低いことが明らかになり、現在はむしろカルシウムを多めに摂取した方が良いとされている。
カルシウムは腸内でシュウ酸と結合しシュウ酸カルシウムになると、腸から吸収されなくなり、尿中へのシュウ酸の排泄を抑制するからである。
結石の予防薬
クエン酸製剤は、酸性尿の是正を図る尿アルカリ化薬で、結石の再発予防薬として比較的多く用いられている。
尿酸合成阻害剤は、キサンチンオキシダーゼを阻害し尿酸の合成を抑制する。
また酸化マグネシウムの適応に「尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防」というのがある。
【尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防】
Q&A|酸化マグネシウム細粒83%「ケンエー」|医療従事者の方|健栄製薬株式会社|消毒用エタノールのトップメーカー
マグネシウムは腸内において蓚酸と結合することにより、腸からの蓚酸の吸収を阻害し尿中への排泄を抑制します。また尿中においては蓚酸と可溶性の複合体を形成します。これらより尿中蓚酸イオンは減少し、蓚酸カルシウム結石の形成を抑制します。
マグネシウムとかカルシウムを多く摂って、腸管内で蓚酸と結合させて、排泄を促進すると良いわけです。
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