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ヒドロモルフォンは腎臓にやさしい?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約1分22秒で読めます.
3,720 ビュー. カテゴリ:ナルサス/ナルラピド
ヒドロモルフォン(ナルサス/ナルラピド)という中等度から高度の癌性疼痛に使われる、モルヒネと似た麻薬があります。
モルヒネを腎機能障害患者に使う場合には注意が必要です。
モルヒネは、肝臓で主にグルクロン酸抱合され、M3GとM6Gに変換される。M6Gは、鎮痛および鎮静作用を示すことが知られている。M3GおよびM6Gはほとんど腎から排泄されるため、腎機能障害患者にモルヒネを使用するとM3GおよびM6Gが蓄積し、鎮静などの副作用への対処が困難になる。そのため、腎機能障害患者にはモルヒネを使用しないほうが望ましい。使用する際は減量あるいは投与間隔を延長する。特に、高度な腎機能障害を有する患者では、モルヒネを使用すべきではない。
ガイドライン|日本緩和医療学会 – Japanese Society for Palliative Medicine
モルヒネやヒドロモルフォンは、がんによる呼吸困難の治療薬としても用いられますが、腎機能障害がある状態でモルヒネを使うと中間代謝物の蓄積によって、腎機能の悪化に伴い鎮静(寝てしまうこと)や呼吸数の減弱を認めるようになるため、注意が必要です。
ヒドロモルフォンは半合成オピオイド作動薬で、構造的にはモルヒネと似ており、モルヒネとの違いは6-ケト基の存在と7-8位の二重結合の水素付加であるが、薬物動態や薬理学的性質は類似している。
代謝は肝臓で行われ、モルヒネと同様にチトクロームP450の代謝を受けず、グルクロン酸抱合による代謝である。
ただ、ヒドロモルフォンの代謝産物は主にヒドロモルフォン-3-グルクロニドであり、モルヒネのような活性をもつ6-グルクロン酸化代謝物をもたないヒドロモルフォンは腎機能障害の高齢者にとってはモルヒネに代わる選択肢となる。
ただ、グルクロン酸抱合体の蓄積により、腎不全患者に神経毒性が認められたという報告もある。
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