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オキシコンチン錠とオキシコンチンTR錠の違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約3分36秒で読めます.
4,139 ビュー. カテゴリ:オキシコンチンTR錠
オキシコンチン錠とオキシコンチンTR錠の違いは?
オキシコンチンTR錠の処方を初めて受けた。
オキシコンチン錠と何が違うのか。
TR錠といえば、ネオマレルミンTR錠。TRは time-release(徐放性の)という意味。
オキシコンチン錠の徐放錠ということか。
オキシコンチン錠を、海外でハンマーで錠剤を砕き、それを水で溶かし注射して乱用するケースがあることから、オキシコンチンTR錠は、容易に砕けない硬さを持ち、水を含むとゲル化するよう設計してあるという。
ハンマーでも砕けない・・・やってみたい。けれど麻薬は、、、無理だな。保健所がらみの面倒なことになる。
オキシコンチンTR錠は消化管内で水分を吸収すると膨潤し、ゲル化によって短時間での溶解が困難となり、徐々にオキシコドンが溶出する徐放機構を備えている。また、既存の製剤に比べて粉末まで砕くことが困難な錠剤となっている。
粉砕不可、というか不可能。
徐放錠とは言っても、オキシコンチン錠も徐放錠であり、錠もTR錠も用法は同じ「1日2回」。
用法用量が全く同じため、新薬扱いではなく、14日ルールは適用されない。
添付文書にも「本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき,投薬量は1回30日分を限度とされている。」と30日までの処方が認められている。
オキシコンチンのジェネリック
麻薬にもジェネリックがある。
うちの薬局には、オキシコドン徐放錠「第一三共」の銘柄指定の処方箋もくるので、先発と後発の在庫があるが、出来ればオキシコンチン錠もジェネリックに変えたいところ。今度患者さんに聞いてみようかな、と思っていたところ、オキシコンチン錠の処方がオキシコンチンTR錠に切り替えられていた。
なんてこったい。
こんな、大した変化の無い剤形変更で利益を守ろうなんて、セコイぜ塩野義。
オキシコンチン錠とオキシコンチンTR錠の違い
処方上は同じように扱えますが、錠とTR錠の違いをいくつか挙げる。
まずゴーストタブレットについて。
オキシコンチン錠には「適用上の注意」に以下のように書かれている。
製剤残渣:本剤のマトリックス基剤(抜け殻)が人工肛門あるいは糞便中に排泄される場合があること,その場合本剤の成分は既に吸収されているため,臨床的に問題はないことを患者に説明すること。
上記の記載はTR錠にはない。TR錠ではゴーストタブレットは出てこない。
もう1点。食事の影響について。
オキシコンチンTR錠の添付文書の「生物学的同等性」の部分に、以下のように書かれている。
健康成人においてオキシコンチン錠40mg又はオキシコンチンTR錠40mgそれぞれ1錠をクロスオーバー法にて空腹時及び食後(高脂肪食)に単回経口投与し,薬物動態を比較した。空腹時投与では,Cmax及びAUCの対数の平均値の差について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり,オキシコンチンTR錠はオキシコンチン錠と生物学的同等性の判定基準を満たした。食後(高脂肪食)投与においてCmaxの対数の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲に含まれず,生物学的同等性の判定基準を満たさなかった。
空腹時投与においては、既存製剤との生物学的同等性が確認されているが、高脂肪食を摂取した後の投与ではオキシコドンの血中濃度上昇が認められており、TR錠と錠の生物学的同等性が認められていない。
このため、錠からTR錠への食後投与切り替えにおいては、副作用の発現に十分な注意が必要である。
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