2024年11月22日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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アリセプト3mgをずっと続けちゃダメ?

原則として1~2週間を超えて使用しないこと

ちょっと古い話ですが、2010年6月にアリセプトの添付文書改定があり、
「3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、1~2週間を超えて使用しないこと。」
となっていたのが、
「3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないこと。」
となりました。

アリセプトのサイトには、以下のQ&Aが書かれています。

Q.用法・用量に関連する使用上の注意「3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないこと」の「原則として」が追記されたのは何故ですか?

A.アリセプトの使用実態が考慮され、厚生労働省・機構との話し合いの上、「原則として」が追記されました。(2010年6月)
これまで「3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、1~2週間を超えて使用しないこと」となっておりました。しかし、再審査期間(1999年10月8日~2005年10月7日)の使用成績調査において、5mg/日に増量するために2週間以上の3mg/日投与を必要とされる患者様がいらっしゃる使用実態が明らかとなりました。そこで、厚生労働省・機構との話し合いの上、「原則として」が追記されました。(2010年6月)
なお、「3mg/日投与は有効用量ではない」との記載があるため、初期用量としてアリセプト3mg/日投与の保険適用が認められる期間は、各支払い基金の判断により異なることがあります。

3mgで継続することは、絶対ダメということではないが、レセプトで切られる可能性もある。
意図的に3mg継続しているのか、知らずに3mgを継続しているのかは疑義照会する必要がある。

ちなみに同類薬のレミニールにも、
「1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと。」
と書かれている。

メマリーには、
「1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量すること。」
リバスタッチ、イクセロンには、
「1日18mg未満は有効用量ではなく、漸増又は一時的な減量を目的とした用量であるので、維持量である18mgまで増量すること。」
と書かれている。

基本は有効用量まで漸増する必要があるので、適切に疑義照会を行う。

アリセプト初回から5mg?

アリセプト錠は消化器の副作用症状を軽減させるために通常は最初3mgから始めて、1~2週間後に5mgに増量します。
しかし、始めてアリセプトを調剤する患者さんなのに5mgの処方というケースはあります。

1つは別の薬局でアリセプトをもらっていたというケース。もう1つは院内でアリセプトを飲んでいたというケース。

早とちりをして疑義照会をする前に、患者さんに確認しましょう。

アリセプトの再開

以前にアリセプトを飲んでいた患者が再開する場合、

アリセプト3mgからじゃなくて、5mgからで良い 場合もある、という話。

アリセプトが体内から完全に消失している場合は、消化器症状の発現する可能性が、投与初期同様に高くなると推測される。

ドネペジルの半減期は89.3±36.0時間である。
一般に半減期の5倍の時間が経過すれば、体内からほぼ排泄されたと見なすことができる。

このことから、約18.6日たたないとドネペジルの体内濃度は0にならないと考えられる。

実際、アリセプトの国内第3相試験において、服薬中止後3週間以内では、同薬物の血中濃度が0になっていないことが確認されている。

ドネペジルの休薬期間が3週間以内であれば、5mg/日から再開しても、消化器症状の副作用発生は低く抑えられると考えられる。
中止してから3週間を超えている場合は、3mg/日から再開するように疑義照会が必要だろう。

アリセプト

ドネペジルは、わが国では1999年に発売され、2011年の春までは唯一のAD治療薬であった。
世界においても最も使用量も多く、最も多くのエビデンスを有している薬剤である。
特徴は、血中半減期が健常人で約90時間と長く、1日1回の服用で安定した作用を発揮する点にある。
徐々に血中濃度が上昇することにより、消化器系の副作用(吐き気、嘔吐)が生じにくい。
また、ドネペジルには、口腔内崩壊錠(OD錠や比較的堅く製造された速崩錠)、フィルムコート錠、細粒剤、ゼリー剤(はちみつレモン味)の4剤形があり、ゼリー剤は固形薬や散薬の内服を忌避する患者に服用させやすい。

処方例

アリセプトD錠5mg 1錠  
 1日1回朝食後 30日分

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

3 件のコメント

  • 坂倉紀男 のコメント
         

    アリセプトを服用する時車の運転は禁止ですか?

  • sakakura.norio@gmail.com のコメント
         

    アリセプトを服用する時車の運転は禁止ですか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    運転禁止です。

コメント


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プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
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