更新日:2016年12月21日.全記事数:3,079件

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統合失調症の原因はドパミン?


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ドーパミン過剰説とグルタミン酸低下説

A.カールソンが、陽性症状は中脳辺縁系におけるドーパミンの過剰な分泌によって引き起こされているという説を唱え、それは「ドーパミン過剰作用仮説」と呼ばれるようになりました。

現在存在するすべての統合失調症の薬は、この仮説に基づき、ドーパミンの過剰を調節することを意図したものになっています。

しかしその後、フェンサイクリジン(グルタミン酸神経に対して拮抗作用を示す麻薬)を使用すると、陽性症状と陰性症状の両方の精神症状を呈することが発見され、そこからドーパミンの過剰だけでなく、グルタミン酸の低下も起きているという仮説が生まれました。

現在、グルタミン酸神経の機能を上げるような統合失調症の治療薬が研究開発されています。

グルタミン酸仮説

一部の麻酔薬が陽性症状のみならず、陰性症状や認知機能障害に類似した症状を引き起こし、それら薬剤に共通してグルタミン酸遮断作用があることから、グルタミン酸が病態に関与していると考えられています。

特に、麻酔薬ではNMDAとよばれる受容体の機能が阻害されているため、NMDA受容体を介したグルタミン酸機能の低下を病態の背景として想定しているのがグルタミン酸仮説です。

この仮説では、統合失調症の一次性の障害としてグルタミン酸の機能異常があり、それを背景にドパミンの機能亢進やセロトニンの拮抗優位が二次性に生じて陽性症状と陰性症状が現れると推測されています。

統合失調症患者はストレスに弱い?

統合失調症の病体を説明する有力な仮説として、「ストレス脆弱性仮説」というものがあります。

この仮説が説明していることは、精神病状態の発現はストレスの大きさとストレス耐性の強弱との関係で決まり、ストレス耐性が低いとわずかなストレスでも精神病状態に至るということ。

この考えに基づくと、統合失調症を治療するには、ストレスを減弱させる、あるいはストレス耐性を高めることにより、患者がストレスに対して処理可能な条件を作り出すことが重要であることになります。

統合失調症は心の病気?脳の病気?

統合失調症は脳の病気です。というのが現在では常識でしょう。
うつ病も同じように脳の病気です、という。

脳の病気、と言っても、心の病気では無いとは言い切れません。
脳と心は密接に結びついているからです。

「脳の病気」「心の病気」という言葉の違いは、相手に与えるインパクトです。
相手とは誰か。

患者にとっては「心の病気」と言われるよりも「脳の病気」と言われたほうが安心でしょう。
心の病気と言われると、「気の持ちよう」「怠けてる」「育て方が悪い」というイメージが付きまといます。
だから、世間一般には「脳の病気」という認識が必要だと思います。

しかし、「脳の病気」だから「心の病気」ではない、と言い切ってしまうと、医師は「薬さえ出しとけばいい」「話なんか聞く必要は無い」となってしまいますし、患者の家族も「薬さえ飲んでおけばいい」「医者に任せればいい」という考え方に偏ってしまいます。

「脳の病気」という認識が深まってきた今、また「心の病気」でもあるという認識も必要かと思います。

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