更新日:2016年10月22日.全記事数:3,096件.今日の勉強

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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お薬手帳を拒否したら罰金?


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「お薬手帳いりません」で高くなる?

私も常々つぶやいていた、「お薬手帳持ってこない患者は高くした方が良い」という件が現実になるようです。

薬剤服用歴管理指導料は今まで41点で、「お薬手帳いらない」と言われた場合、34点を算定しなければなりませんでした。そのため、節約術として「薬の情報いりません」という患者が増えてしまったのも事実で、我々薬剤師を困らせていました。
「お薬手帳忘れた」という場合に、シールを渡しただけでも算定できなかったため、大手の調剤チェーンでは、薄いお薬手帳の冊子を渡しての対応なども批判を浴びていました。

2016年度の調剤報酬改定で、薬剤服用歴管理指導料は以下の3つに分かれます。

1 原則6月以内に処方せんを持参した患者に対して行った場合 38点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 50点
3 特別養護老人ホーム入所者に対して行った場合 38点

3については特別な事例なので、置いておいて、1と2について。
注1として以下のように書かれている。

1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者又は区分番号00の1に掲げる調剤基本料1又は区分番号00の4に掲げる調剤基本料4以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方せんを持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、50点を算定する。
イ・ロ(略)
手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ・ホ(略)

私の薬局は後会計で、今までも手帳の持参の有無によって薬剤服用歴管理指導料の点数が変わっていましたが、より複雑になるので会計時により注意が必要となる。

まず、前回との来局間隔が「6ヶ月」空いているかどうか。
空いていればほぼ新患同様の聴取が必要とみなされ、50点を算定する。
継続して来局している患者で、通常どおりお薬手帳を確認しシールを貼付すれば、38点ということになる。
恐らく38点の患者が半数以上だろう。真面目に啓蒙してきた普通の薬局であれば。

で、「ただし書き」を見てみると、「手帳を持参していない患者」に対しては、50点を算定するとなっている。「シールだけで良い」という患者も50点です。
革命です。

「お薬手帳を持ち歩けば、薬代が安くなりますよ」と言えます。
ココを経営者的にはどう判断するのだろう。
大手調剤チェーンは、2回目以降もなるべく50点を算定すべく、手帳の持参率を低めるような努力をするのでしょうか?注目です。

「手帳を用いる場合は」という風に書かれているので「用いなくてもいい」という風にも受け取られ、新患に対しても、今後全くお薬手帳を渡さないなどの方策がとられる可能性もあります。
しかし、「※ハの手帳については、必要性を確認した上で、手帳を提供しなかった場合又は複数の手帳を1冊にまとめなかった場合には、その理由を薬剤服用歴に記載することを通知において明確にする。」とあるので、今後通知によって、手帳の提供の縛りが明示されるものと思われます。

薬剤師の判断として、「この人、お薬手帳いらねーな」と思う人は結構います。
風邪薬など一過性の疾患の治療だったり、1~2種類のみの薬だったり。
そういうところを拡大解釈させて、お薬手帳の提供を極力抑えさせようという努力を、経営者サイドは狙ってくるかも知れません。
しかし、この点数設定は本当に革命だと思います。
薬剤師が試されていると感じます。
これでもし38点の算定率が低かったら、次回の調剤報酬でどう評価されるのか。今までの薬剤師の努力は何だったのか。
調剤報酬によって動かされ続けてきた薬剤師が、反逆の意志を示す機会なのかも知れません。
手のひらを返したような対応をせず、お薬手帳の必要性の低い患者であったとしても、今まで通り啓蒙を行っていくことが、薬剤師に対する信頼を維持させることにつながると信じています。

今まで「お薬手帳いりません」と言っていた患者がどう変わるのかも見物です。
先述したような「お薬手帳を持ち歩けば、薬代が安くなりますよ」という啓蒙の仕方は、お薬手帳の意義を理解して使ってもらうためにはふさわしくないので、積極的に用いるような言葉ではないでしょう。
今後、テレビなどのマスコミで、じわじわと「薬剤師から情報をもらうことで薬代が安くなる」という情報が浸透していくことを願います。

お薬手帳の必要性

お薬手帳を持つことのメリットを感じてもらうことが大切。

①薬の重複や良くない飲み合わせを未然に防止できる
・同じ薬による副作用の再発を防止できます
・薬の使用の記録があることで、より安全に薬を使用することができます

②言いたいことや伝えたいことを書いておく
・体調の変化や気になったこと、医師や薬剤師に相談したいことを書いておきましょう

③一般用医薬品(OTC医薬品、大衆薬)・健康食品も記録しておく
・思いがけなく、よくない飲み合わせ・食べ合わせが見つかることがあります

④いつも携帯・いつも同じ場所に保管する
・旅行先で病気になった時や、災害時に避難した時、救急の時など、お薬手帳があれば、あなたが飲んでいる薬を正確に伝えられます
・ご家族にも、あなたがお薬手帳を持っていることを知らせておきましょう

⑤一冊にまとめる
・飲んでいる全ての薬を「一冊で」記録することが大切です。病院ごとや薬局ごとに、別々のお薬手帳を作らないようにしましょう

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